“階段を上がれない”違和感を抱き病院へ。10年かけて診断された難病もつ女性の現在に迫る

“階段を上がれない”違和感を抱き病院へ。10年かけて診断された難病もつ女性の現在に迫る
可動域異常な頚椎のレントゲン(@riha_41さんより提供)

@riha_41さんは小学生の頃、家の階段をスムーズに上がれなくなり、膝の痛みによって足の曲げ伸ばしができなくなるなど、違和感を覚えるようになります。

さまざまな検査を重ねた末、ようやく病名が判明しますが、そのときには初期症状から10年が経過していました。

現在は難病と向き合いながら理学療法士として活動している@riha_41さんに、話を聞きました。

これまでの痛みは気のせいではなかった…

@riha_41さんは小学生の頃に膝に違和感を抱き始め、その後、中学校では水泳部に所属していましたが、足を使うキックができなくなり、ランニングの後には痛みを感じるようになりました。

近所の整形外科を受診しても状態は変わらず、ほかにも何ヶ所かの病院を受診してMRI検査を受けました。関節のゆるさは認められたものの、早急な処置はなく、その後のCT検査で膝関節の滑車部が浅いことがわかり、脱臼しやすい状態であることが判明します。

可動域異常な頚椎のレントゲン(@riha_41さんより提供)

そして、指定難病である「エーラス・ダンロス症候群」と告げられました。

この病気は、関節が非常に柔らかい、傷が治りにくい、皮膚が異常に伸びるなどの症状が見られるといわれています。しかし、病気の型が数多く存在しているため、同じエーラス・ダンロス症候群であってもその人によって症状は異なります。

あざができやすい(@riha_41さんより提供)

診断名がついた当時について、@riha_41さんは「やっと自分の身体の不調の原因がわかったことにホッとしました」と明かします。

これまで感じていた痛みや違和感に理由があったとわかり安心した一方で、病名がついたことで今後も向き合っていく必要がある現実に、複雑な思いを抱きました。また、これまでの痛みが「気のせいではなかった」と認められたことは、@riha_41さんにとって大きな出来事でもありました。

胸郭出口症候群による血管の狭窄(@riha_41さんより提供)

見えにくい症状と葛藤した学生時代

診断名がつかないまま症状と向き合ってきた中で、@riha_41さんが特に大変だったのは、周囲に理解されにくかったことでした。高校時代には、移動教室に時間がかかることや、体育を見学していたことから、周囲に「いいな…」と言われることもあったそうです。

つらい症状や気持ちを抱えていても周囲にうまく伝わらず、もどかしさを感じるようになります。さらに、高校時代には4度の手術を経験したこともあり、友人関係を築くことが難しく、学校に通うこと自体をつらいと感じる時期もありました。

入院中①(@riha_41さんより提供)

さらに、家族の前でも薬を飲むことに気を遣ったり、手術が決まってもなかなか言い出せなかったりと、自分の中で抱え込んでしまうことが多かったと振り返ります。

見た目ではわかりにくい症状だからこそ「理解されにくいつらさ」や「周囲に気を遣ってしまうこと」につながっていました。

支えとなった理学療法士との出会い

そうしたなかで、支えとなったのは担当の理学療法士さんの存在でした。その方はリハビリ後に話を聞き「学校に行く」という目標に向けて@riha_41さんに寄り添いながら関わってくれたといいます。

例えば、タイマーを使って気持ちを切り替える時間を作るなど、小さな一歩を大切にしながら、学校へ向かう背中を押してくれました。

入院中②(@riha_41さんより提供)

@riha_41さんは現在、理学療法士として働いています。目指そうと思ったきっかけは、自身の病気の経験を活かしたいと感じたことでした。

これまで関わってきた理学療法士の方々は、身体だけでなく話にも丁寧に耳を傾け、人生そのものに寄り添ってくれる存在だったといいます。そうした経験も、理学療法士を目指す大きなきっかけになりました。

「私も、身体の機能だけでなく、その人の背景や想いまで含めて関わることのできる理学療法士になりたい」と将来像を語っていました。

理学療法士として(@riha_41さんより提供)

「自分らしさ」を大切にしたこれから

@riha_41さんはSNSで、病気のことや理学療法士としての活動について発信しています。今後、発信を通して伝えたいのは、病気があっても「自分らしく生きていい」という思いです。

「学びたいことを学び、遊びたいときに遊び、出かけたいときに出かける」
当たり前のことも、自分で選んでいいという考えを大切にしています。それには、人生は明日が必ずしも当たり前に続くとは限らないという思いから、今この瞬間を大切にしながら、自分のやりたいことに素直に向き合ってほしいという思いが込められていました。

今後の目標は、まず自分の身体が動けるうちに、やりたいことを大切にすることです。推しのタレントさんに会いに行くことや、大好きなテーマパークへ行くこと、そしてさまざまな場所へ旅行することなど、日々の楽しみを大切にしていきたいと考えています。

また、大切な目標の一つとして「エーラス・ダンロス症候群」について知ってもらうことを挙げていました。

理学療法士としては、放課後デイサービスの分野などで経験を積み、将来的には児童発達支援管理責任者を目指しているという@riha_41さん。
「感覚統合や発達分野に強みを持てるよう、今後も学びを継続しながら成長していきたいと考えています」と話していました。

つらい経験を重ねながらも、自分なりに向き合い歩みを進めてきた@riha_41さん。その姿からは、日々の選択や積み重ねの大切さについて、静かに考えさせられるものがあります。人生は必ずしも当たり前に続くとは限らないからこそ、何を大切にしたいのかを考えながら日々を過ごすことの大切さに、改めて気づかされるのかもしれません。

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