お風呂上がりに意識を失った31歳男性。病院へ行くと…医師「余命が2年もない」病と向き合う思いとは

お風呂上がりに意識を失った31歳男性。病院へ行くと…医師「余命が2年もない」病と向き合う思いとは
キッチンカー①(@nuku0202さんより提供)

小学生のころから「料理人になりたい。農家である実家の野菜を使って自分の店を持ちたい」という夢を抱いていた@nuku0202さん。

調理学校卒業後は、ホテルやレストランでイタリア料理の修業を重ね、独立に向けて店舗を探していました。そんな矢先、お風呂上がりに突然意識を失ってしまいます。

その後、病気が判明し、医師からは「余命が2年もない」と告げられました。
思い描いていた形とは異なりましたが、病と向き合いながら夢を叶えた@nuku0202さんに、その思いを聞きました。

突然の意識喪失で判明した脳腫瘍

@nuku0202さんは2021年1月、31歳のとき、お風呂上がりの脱衣所で突然意識を失ってしまいます。これまでに同様の経験はなく、体調不良の予兆もまったくありませんでした。

念のため、倒れた際に頭を打っている可能性があると両親に勧められたことや、たまたま仕事が休みだったこともあり、翌日病院を受診しました。

病院では脳腫瘍と診断され、さらに「余命が2年もないため、早く手術を受けたほうがいい」と告げられます。その言葉に@nuku0202さんは、呆然としてしまったことを明かします。

これまで家族も含めて、がんとの関わりが少なかったため、@nuku0202さんも両親も状況をすぐに受け止めることができませんでした。

その後、2月1日に手術が行われました。奥さんは3月に第2子の出産を控えており、周囲も慌ただしい状況だったと振り返ります。

不安の中で出会った新たな選択肢

手術は無事に終わり、@nuku0202さんは2週間ほどで退院できました。

3月には第2子が誕生。仕事の傷病手当や独立のタイミングなどが重なり、思い通りに進まない状況にストレスを感じるようになります。

そんな中で心の支えとなったのが、お姉さんの存在でした。さまざまな場所に連れて行ってもらう中で、がん患者が集まり語り合う「がん哲学外来カフェ」が特に印象に残っているといいます。

がん患者の方と話す中で「一言でがんといっても、発生する部位によって治療法は異なり、それぞれに苦しみを抱えている」ことを知りました。そして、病気との向き合い方を自身にも取り入れるようになります。

夢だったレストランでの独立ではなく、キッチンカーでの開業のことを話したところ「本来の夢とは違うかもしれないけれども、それもいいんじゃない?」と言われたことも、再び料理の道を歩む励みとなりました。

キッチンカー①(@nuku0202さんより提供)

キッチンカーのオープンを実現

@nuku0202さんは、放射線治療や抗がん剤治療を終え、2022年4月6日にキッチンカー「Fio Nuku」のオープンを果たしました。キッチンカーでは、実家の野菜を使ったイタリア料理を提供しています。

キッチンカー②(@nuku0202さんより提供)

@nuku0202さんはお店をオープンした後、2022年の12月に2回目の手術をしています。

現在は薬の服用もなく、普段通りの生活を送っているという@nuku0202さん。がんはかなり大きい状態で見つかったため、抗がん剤の効果を見ながら、3ヶ月に1回のペースでMRI検査を受けているといいます。

手術では左の前頭葉を拳ほどの大きさで摘出しており、疲れやすさを感じることもあるそうです。
「手足や言葉に問題はなく、見た目では分かりませんが、難しい部分もあります」と語ります。

また「お店が忙しいのはありがたいことですが、自分の身体のことをしっかり考えなければならない。まずは健康でいることが大切」との思いも明かしてくれました。

手術後の傷あと(@nuku0202さんより提供)

健康を第一に歩むこれから

@nuku0202さんは、脳腫瘍と向き合いながらも、形は異なったものの、料理に携わるという夢を叶えました。

そして、世の中にはがんと向き合っている人が多くいることを踏まえ「自分が脳腫瘍であることを伝えながら、元気にキッチンカーを営業することで、誰かの励みになれば」と話しています。

キッチンカー③(@nuku0202さんより提供)

2025年には第3子が誕生しました。そんな@nuku0202さんは「まずは健康第一」と今後について語ります。
「毎日、変わらない一日でも子どもは大きくなるし、いろいろな変化が楽しいです」とも話していました。

第3子の誕生(@nuku0202さんより提供)

たとえ当初とは異なる形であっても、料理に携わるという夢を実現させた@nuku0202さんの歩みからは、困難な状況の中でも前に進み続ける姿勢が伝わってきます。その経験や選択は、同じように悩みや不安を抱える人にとって、一つの参考や気づきにつながるかもしれません。

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