幼いころから偏頭痛と診断されていた@tk__174㎝さん。ふらつきやめまいがひどくなり病院を受診したところ「脳に影があります」という医師の言葉をきっかけに、ある病気が見つかりました。
仕事が忙しいことを理由に受診を先延ばしにしていましたが、このときはお母さんに強く勧められて病院へ。もしその勧めがなければ、病気は見つからなかったかもしれません。
病気についての思いを@tk__174㎝さんに聞きました。
脳に影があるという指摘から「脳腫瘍」との診断に
@tk__174㎝さんは小学生のころから偏頭痛と診断され、偏頭痛が起きたら痛み止めを飲むという対処療法を続けていました。ところがあるとき、通勤時などで立っているとふらつきやめまいが起こるようになります。
心配していたお母さんは「仕事が忙しい」と言い訳をして病院へ行こうとしない@tk__174㎝さんを叱り、体調の悪さもあって受診することに。病院でCT検査を受けました。
検査の結果、ふらつきやめまいは筋肉のこりが原因と考えられましたが、その際に偶然「脳に影がある」と指摘されます。医師の勧めで大学病院を紹介され、受診後に脳腫瘍と診断されました。

(@tk__174㎝さんより提供)
告知されたとき@tk__174㎝さんはどこか他人事で冷静でした。それは「この先の展開が想像できなかったからかもしれません」と当時の気持ちを明かします。
一人で医師の話を聞いた@tk__174㎝さんは、待合室にいたお母さんへ「脳に影があるらしい」と伝えました。後になって、初期の段階で脳腫瘍が見つかったのは、お母さんが受診を勧めてくれたおかげだったと気づき「感謝してもしきれません」と語ります。
手術については、腫瘍の成長速度を見極める必要があるため、まずは1ヶ月様子を見ることに。1ヶ月後の検査では異常はなく、その後も大きな変化は見られないまま1年が経過しました。

(@tk__174㎝さんより提供)
その1年間、医師から「一生摘出せずに済む人もいる」という話を聞いていたことや、実際に脳腫瘍を何十年と摘出せず抱えている人を知っていたのもあり、手術や治療がどこか現実味を帯びていませんでした。
しかし1年後「脳腫瘍がこの1ヶ月で大きくなっています」と告げられます。はじめは少し動揺したものの、医師を強く信頼していたため「絶対に大丈夫」と思えたといいます。
その場で手術方法の選択を求められましたが、判断できる程度には冷静でいられました。
手術後、失語症を経験して
脳腫瘍の手術後の後遺症には個人差があります。手術を受けた@tk__174㎝さんは、何を聞かれても「はい」としか答えられない状態が約2週間続きました。
スマホの文字の位置や打ち方も分からなくなり、筆談もできなかったといいます。自分の言いたいことを、どんな言葉で表現すればよいのか分からない状態でした。
リハビリの成果もあり一度は回復傾向を見せましたが、その後てんかん発作が繰り返し起こり、再び言葉が出にくい状態に。こうした症状は半年以上続きました。
もともとおしゃべりが好きで、当時は接客業に就いていたこともあり、話せない自分に自信を持てず、気持ちが落ち込んだと振り返ります。
面会に来た家族に笑い話や出来事を伝えたくても「あのー、あのね…」の先の言葉が出てこず、悔しい思いをすることもありました。退院後、家族と少しずつ笑い話ができるようになると、改めて会話の楽しさを実感し、失語症とも向き合えるようになっていきます。

(@tk__174㎝さんより提供)
闘病を乗り越え見つけた思い「後悔のない一日を」
現在、治療を終えた@tk__174㎝さんは元気に過ごしています。
TikTokで投稿を始めたのは、放射線治療の影響で脱毛が始まったつらい時期でしたが、寄せられる応援コメントに勇気づけられていたそうです。自分の思考を整理し、ときには自分の言葉で自分を奮い立たせながら、病気と向き合ってきました。
闘病生活の中で心の支えになっていたのは、大好きなアイドルの歌やYouTubeチャンネルでした。
入院中は、毎日決まった時間に治療室で放射線治療を受けていた@tk__174㎝さん。その際、技師さんがそのアイドルの曲を流してくれたことをきっかけに、治療の時間には毎回曲をかけてくれるようになり、憂うつだった時間が楽しみに変わっていきました。
また、失語症の症状が強かった時期は、話を聞いても内容を頭の中で整理することが難しい状態でしたが、YouTubeは字幕があるため、普段と同じように楽しむことができました。
治療を経た現在、@tk__174㎝さんが大切にしているのは「今やりたいことをやる、今食べたいものを食べる、今会いたい人に会う」こと。後悔や妥協のない一日を積み重ねていきたいと話していました。

(@tk__174㎝さんより提供)
闘病を発信する理由、同じ境遇の人へ届けたいメッセージ
@tk__174㎝さんはTikTokで「大海老ちゃん」として発信をしています。病気についての投稿には、同じ境遇の人から応援や共感のコメントが寄せられ、そのたびに嬉しく、心が温かくなるといいます。
ウィッグについて投稿した際には「ヘアドネーションした髪が、必要な人のウィッグになっているのを見られて嬉しい」といったコメントも寄せられました。ヘアドネーションをしている人へ感謝の気持ちを伝えられたことも、発信してよかったと感じた出来事の一つだと語ります。
@tk__174㎝さんは、病気と闘っている人たちへ「人には見えない、見せない苦しみもあったかと思います。私たちはきっと人が思っているより自分が思っているより強いです。一緒に乗り越えていきましょう」とメッセージを送りました。

(@tk__174㎝さんより提供)
また同世代に向けて、若年層のがんは「AYA世代」という言葉があるほど身近なものかもしれないと伝えています。
「若いから」「仕事が忙しいから」「面倒だから」と体のSOSを見過ごさず、少しでも異変を感じたら病院で診察を受けてほしいと呼びかけています。

(@tk__174㎝さんより提供)
「もし、1年前の私のように脳腫瘍と診断され、不安な気持ちでこの記事にたどり着いた方がいたら…。ありきたりかもしれませんが『大丈夫だよ』と背中をさすってあげたいです」と語ります。
@tk__174㎝さんの今の目標は、日常を取り戻すこと。そして、発信を始めた理由でもある「病気になった自分だからこそできること」を、これから見つけていきたいと話してくれました。
お母さんの勧めをきっかけに、@tk__174㎝さんの病気は早い段階で見つかりました。忙しい日々の中でも、体の小さな異変に気づいた際には早めに受診することの大切さを改めて感じさせられます。

