平成6年、ポーズを決める5歳男の子の写真。→32年後の現在の様子に…「カッコよすぎる」「イケメン」「えぐい」

平成6年、ポーズを決める5歳男の子の写真。→32年後の現在の様子に…「カッコよすぎる」「イケメン」「えぐい」
子どもの頃の様子②

幼いころに抱いた夢が、何十年もの時を経て現実になることがあります。ヒーローに憧れた一人の経営者が、その思いを事業へと形にしました。その裏側には、猛反対や葛藤、そして揺るがない覚悟がありました。
その経験に「カッコよすぎる」「マインドがイケメン」「えぐい」「尊敬する」といった声が寄せられています。

今回は株式会社大賀薬局の代表、大賀 崇浩さんにお話を伺いました。

5歳の憧れが、37歳で現実に

子どもの頃の様子①

大賀さんがヒーローに憧れ始めたのは5歳頃。幼少期に夢中になった仮面ライダーシリーズの影響で、変身ごっこやベルトをねだる日々を過ごしました。

その後、2016年に医師が主人公の作品を観たことをきっかけに薬剤師のヒーロー「オーガマン」を構想。2019年10月、37歳で公開し、幼少期からの夢を経営者として実現させました。

反対から始まったヒーローマーケティング

子どもの頃の様子②

一族経営とはいえ、「大賀薬局」は九州で大きな規模を誇る薬局チェーン。一定の予算が必要な案件を実行するには、必ず取締役会議で承認されなければなりません。

そんな中、社長就任から1年足らずの35歳のとき、「オーガマンというヒーローをつくり、私が変身します」と取締役会で提案。

結果的には、役員にはまったく理解が得られず、猛反発が起きました。

しかし、力を込めて訴えた結果、翌月の会議では役員たちから承認を得ることに。こうして、社員の大半がヒーロー制作には否定的という状態で、プロジェクトはスタートしたのです。

会社を変えたヒーローの力

ヒーロー事業

「ヒーローになりたい」という思いと家業を掛け合わせた「オーガマン」の取り組みは、結果として会社に大きな変化、イノベーションをもたらしました。

メディアの注目や、数々のインタビューが世に出ることで会社の新しい経営方針を周知することも可能にしました。

しかし本人が最も価値を感じているのは、数字以上に“大賀薬局という企業の風土”を「変化を受け入れる性質」に変えてくれたことだと話します。

オーガマンに興味をもってもらえたことをきっかけに、協力してくれる企業やドクターなどのパートナーも増えるといった、さまざまな効果を得られる結果となりました。

ヒーロー誕生後

イベントの様子①

ヒーローが会社再建につながったことについて、大賀さんは「確信はあったが、想像以上の成果だった」と振り返ります。10年先を見据えて投資を決断し、後にある広告代理店が試算したところ、広告効果は初期投資の約40倍に相当するのではないかという評価を受けたことも。そのとき、あらためてそのインパクトの大きさを実感したといいます。

また、当初は反発もあったものの、今では社員が「オーガマンの会社で働いている」ことを誇りに思うように。採用面でも好影響が生まれました。

数字の回復だけでなく、地域雇用や医療、経済への貢献を強められたことに大きな意義を感じており、創業家五代目としての責任を一つ果たせたと語っています。

変化しなければ確実に衰退していた

イベントの様子②

仮に経営が回復しなかったとしても、「最後までやり切った」と大賀さんは語ります。これは単なる事業ではなく、企業の存在意義を問う挑戦であり、「現状維持は衰退」という祖父の言葉も背中を押していました。

結果が出なければ自ら責任を取り退く覚悟もあったものの、「子どもたちへの薬育」という使命があったからこそ続けたといいます。たとえ失敗しても学び、改善し、形を変えてでも挑戦を続けたはずだと振り返りました。

反対していた社員には謝罪し信頼回復に努める覚悟も持ちながら、「挑戦しなければ未来はない」という信念を貫いていたといいます。

窮地に立たされたときこそ

現在の様子

窮地に立たされたときこそ、新しい挑戦が必要だと大賀さんは語ります。大切にしているのは「10年後の視点」「必ず理念に立ち返ること」「覚悟を決めて突き進むこと」。目先の反対や業績に左右されず、理念に立ち返り、社会的意義につながるかを問い続けることだといいます。

また、一人で抱え込まず人との縁を大事にすること、そして「必ずやり切る」という覚悟を行動で示すことも重要だと強調します。同時に、現場や子どもたちの声を指標にしながら、失敗を恐れず挑戦できる組織文化をつくることも欠かせないといいます。

最終的には、10年後の理想像から逆算して今を決断すること。たとえ反対があっても、変わり続けることをやめない。それが経営者としての信念だと語りました。

ヒーローマーケティングの今後

ヒーローマーケティングは、経営改善だけでなく「残薬問題の解消」や「薬育の推進」にも大きな成果をもたらしました。

年間100ヶ所の園を訪問する体制が整い、子どもたちが家庭で祖父母に服薬を促すなど、行動変容も生まれています。福岡市の「福岡100」採択をきっかけに社会貢献活動としても広がっていきました。

さらに企業変革と地域貢献、そして本来の目的達成を同時に実現した取り組みへと成長し、今後はこのモデルを他地域にも広げ、社会課題解決につなげていきたいと語っています。

今後の目指していきたい社会像

今後、どのような社会を目指していきたいのかについて、2つの目標が語られました。
1つは、人と動物と環境の健全性を一体として捉える「One Health Leading Company」という2029年ビジョン。そしてもう1つは「地域×医療×エンタメ」を融合により地域にとってなくてはならない存在となる「地域一体企業」という長期ビジョンです。

具体策として、動物の調剤薬局の開設と動物病院を事業継承を推進。また、医療・介護分野の人材紹介会社設立や医療従事者向け会員制バーの運営、さらに福岡発特撮番組『ドゲンジャーズ』を軸に120社超が参画する経済圏づくりも進め、地域創生モデルの全国展開を視野に入れています。

「夢と希望を追い続け、挑戦を忘れない。その背中を子どもたちに見せ続けます」という力強い言葉の先には、10年後、さらにその先を見据えた確かな未来像が広がっていました。

「変わり続けることをやめない」という覚悟がある限り、夢はやがて組織を動かし、地域を動かし、社会を動かす力になるのかもしれませんね。

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