「賃貸だからDIYは難しい」と思っている人は多いはず。
@pinpoint_mさんが、DIYをした賃貸物件のビフォーアフター写真を投稿すると「自分の部屋もやってほしい」「息を吹き返した」「最高」などのコメントが寄せられ、話題になっています。
@pinpoint_mさんに話を聞きました。
物件との出会い
今回話題になった物件を@pinpoint_mさんが見つけたのは、趣味のバイクが増え、近隣への配慮から駐車場を探し始めたのがきっかけでした。近隣の駐車場にはバイクを置けず「事務所や店舗なら置けるかも」と発想を転換し、不動産屋に相談したといいます。
紹介されたのは、退去後10年放置された倉庫兼事務所の“少し変わった物件”。
大家さんは改修して再び賃貸に出すことを諦めていましたが、@pinpoint_mさんは「改修費は自分で負担するので現状のまま貸してください。必ず価値を高めて返します」と提案。過去の改修実績をまとめた資料を使い、約1年間の交渉の末、契約が成立しました。
バイクは置けそうにないけれど…
実は今回の物件、半地下で入口に階段があることなどから、バイクを置くには不向きでした。
しかし@pinpoint_mさんは、空間そのものに強い魅力を感じて“どうにか借りたい”と思ったと話します。

暮らしや家を考えるのが好きな@pinpoint_mさんは「自宅の近くにもう一つ部屋を持つとどうなるか」を試すため、今回の物件を借りました。
こだわりが詰まった素敵な部屋
DIY前は蛍光灯のあるオフィスのような空間でしたが、DIY後はコンクリートの壁に木製家具がマッチした温かい空間になりました。
“アフター”の写真について@pinpoint_mさんは「まだ完成とは言えず、体感で7~8割の仕上がりです」と話します。今回ほど規模の大きいDIYは初めてで、材料費や設備費に約150万円かかったそうです。

@pinpoint_mさんは、好きなものや集めたアイテムに囲まれる空間を目指しました。半地下で光の入り方が重要なため、窓からの光でテーブル配置を調整し、暗くなりやすい空間には明るい色味や素材を加えて工夫。また、自宅で倉庫代わりにしていた部屋から備品やコレクションを持ち込み、自宅の床に使っていたヒノキ無垢材を壁に使用しました。
大家さんにもアフター写真を見せ、確認してもらったそうです。
実際に部屋の様子を見たのは仲介の不動産屋さんで「とても喜んでくださいました。もともと長く空いていた物件だったので『ここまで変わるとは』と驚かれました」と、当時の様子を振り返っていました。
部屋はロケ地にも使われるように
投稿で紹介した物件を“秘密基地”と呼ぶ@pinpoint_mさんは、現在多拠点生活中。
仕事や気分に合わせて自宅と秘密基地を使い分けており、秘密基地はコロナ禍のリモートワークスペースや友人・家族用のゲストルームとして活用しています。

秘密基地はドラマのロケ地にも使われました。@pinpoint_mさんは「仕事が忙しいときに秘密基地に足を運べず、せっかく作った空間を有効活用したくてホームページを作り、プロ向けスタジオとして貸し出しました」と話します。
「他にはない独特の雰囲気の空間だったので、興味を持つ方がいるのでは」と考えていたところ、制作会社から連絡が入り「他にない退廃的な雰囲気が気に入った」と評価され、その後ドラマに使用されたそうです。
ビジョンの実現に向けて
これまでに10軒ほどの物件改修を手掛けてきたと話す@pinpoint_mさん。
関東近郊に物件が点在していることから、価値観が合いそうな入居者同士が出会える機会が少ないことを、もったいなく感じていたと話します。

そこで2017年、@pinpoint_mさんは海沿いのある場所に古民家を購入してまちづくりを開始。
今後はそのエリアでカフェやレストランなどを少しずつ立ち上げながら“自分の好きな暮らしができる小さな街”を形にしたいと語ってくれました。

@pinpoint_mさんのビジョンがすべて実現する日は、それほど遠くないかもしれませんね。
