容姿をいじられ毎日泣きながら帰っていた幼少期 →約10年後の姿に…「ママの言う通り」「イケメン」「僕も同じ経験がある」

容姿をいじられ毎日泣きながら帰っていた幼少期 →約10年後の姿に…「ママの言う通り」「イケメン」「僕も同じ経験がある」
小学生のころ(@luiohkuboさんより提供)

「小学生のころ、毎日泣きながら帰っていました」
そう語るルイス(LUI)さんは、小学生時代にいじめを受けていたことを、自身のSNSで発信しました。その投稿には「ママの言う通り」「僕も同じ経験がある」「イケメン」など、多くの共感や励ましのコメントが寄せられました。

この発信には、国際結婚をされた方や外国にルーツを持つ子どもを育てている親、そして今まさに同じような悩みを抱えている人たちへ「少しでも勇気を届けられたら」というルイスさんの思いが込められています。

今回は、いじめに苦しんだ当時の気持ちや、それをどう乗り越えてきたのか、ルイスさんにお話を伺いました。

いじめに耐え、毎日泣きながら帰った日々

今でこそ多様性が広がり、外国にルーツを持つ人々を受け入れる環境が少しずつ整ってきましたが、ルイスさんが幼少期だった頃は、まだその体制が十分とはいえませんでした。

小学生のころ(@luiohkuboさんより提供)

学校ではいじめを受け、毎日泣きながら帰る日々。
「もしあのとき、もっと自信を持っていたら、恐れずにいろいろなことに挑戦できたと思う」と、当時を振り返ります。

そして今、同じように悩んでいる人へ「いじめや人の目を気にして、自分の可能性をあきらめないで」と呼びかけます。

「人と違うことは個性。それを認めてくれる家族の存在や、自分でそれをバネに努力することができれば、きっと前に進める」
そう語るルイスさんは、小学3年生までは友達ができず、人から避けられていたため、些細なことでも誰かの注目を集めたいと必死だったそうです。

当時はパソコンを使いこなしたり、バク転や鉄棒に挑戦したり、服を自分でカットしてデザインしたりと、表現の幅を広げていました。
「今思うと、その経験が自分の見た目やおしゃれへのこだわりにつながって、現在の自分をつくる大きな原動力になっている」と語ります。

ルイスさん(@luiohkuboさんより提供)

外国で知ることができた新しい自分

日本で友達ができなかった日々。
「誰かと遊んだり、心から笑い合える仲間がほしい」という思いから、両親はルイスさんを外国へと留学させることにしました。

「どうせ友達なんてできない」と思っていたルイスさん。
しかし、いざ外国の学校へ通ってみると、日本から来た転校生ということが学校中の注目を集め、興味を持ってくれた多くの人々が声をかけてくれて、気づいたらルイスの机の周りは人でいっぱいになっていました。

「人生で初めて異性から好意を寄せられ、同性の友達からも『放課後、一緒に遊ぼうよ』と声をかけられた事を今でも忘れません」
自分に対してそんな風に接してもらった経験は、ルイスさんにとってとても新鮮で、そこから少しずつ自信を持てるようになっていったそうです。

帰国後は、外国籍やハーフの生徒が多く通う学校を選びました。そこでは周囲の人たちが自然体で接してくれたため、楽しい思い出が多く残っています。
「これまで“注目されたい”一心で頑張ってきたことが、ここで生きたんだと思いました」と振り返ります。

本当の強さとは、自分の心を強く持つこと

幼いころのつらい経験から「日本人に生まれたかった」と思ったこともあったルイスさん。

そんな彼に、母がかけた言葉があります。
「大人になれば、きっとみんなあなたの魅力に気づくよ」

ルイスさんは「今思うと、母が一番の自分のファンだったんだなって感じます」と、笑顔で話します。

当時は「母親だからそう言ってくれるんだろう」と思っていたけれど、今では「もし自分に子どもがいたら、きっと同じように接していたと思う」と、やさしい表情で語ってくれました。

ルイスさん(@luiohkuboさんより提供)

16歳のとき、芸能事務所に所属。容姿を褒められるようになったのもその頃からで「雑誌で見たよ」「テレビに出てたね」と声をかけられることが増えたそうです。

それまであまり褒められた経験がなかったため、最初は戸惑いもあったといいます。
しかし今では「何をするにも自信を持てるようになった」と、力強く語ってくれました。

芯の強さが、自分を支える

ルイスさんが考える「強さ」とは、相手に反応してケンカをすることではなく、自分の心をしっかりと持つこと。
多様性が尊重される今だからこそ、自分自身と向き合い、自分を知ることが大切だといいます。

それが「ブレない心」や「自分らしさ」につながっていく。

「つらい時期もあったけど、あの経験があったからこそ今の自分がいる」
そう振り返り「今、苦しんでいる人がいたら、“きっと幸せになる途中なんだ”って思ってほしい」と、語ってくれました。

ルイスさん(@luiohkuboさんより提供)

現在、モデルとして活躍するルイスさん。
その姿からは、かつて抱えていたつらさや孤独は想像もつきません。

しかし、彼の歩んできた道のりは、今同じような苦しみを抱える人にとって、大きな勇気と希望を与える存在となっているに違いありません。

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