乳がんの告知を受けた翌日、妊娠していることがわかったという@renakinroom.officialさん。
治療と妊娠という2つの現実に向き合いながら、無事に出産を迎えました。
これまでの経験と現在の様子について、詳しく聞きました。
乳がんと妊娠、2つの現実に向き合うことに
@renakinroom.officialさんは、長期間服用していたピルをやめたころ、急に胸が張り出したといいます。最初は「ホルモンのせいかな…」と思っていましたが、2ヶ月経っても張ったままで、片方だけおかしいと感じていたそうです。
ところがその後、胸の形がいびつに歪み、えくぼのようなへこみもでき、乳頭から血の混じった液まで出てきたことから、さすがにおかしいと病院を受診しました。
「しこり」というわかりやすいサインがなかったことで、自分では気づきにくかったと語ります。
病院ではすぐにエコー検査が行われましたが、検査技師の表情がどんどん曇っていき、医師も来て「両方の胸が怪しい」という話から、「おそらく左胸は良性、右胸が怪しい」と言われたそうです。なお、その病院には乳腺の専門医はいませんでした。
さらに詳しく検査するため、@renakinroom.officialさんは両胸の針生検を受けることになります。
検査から約1週間後の2021年1月15日、仕事中に病院から電話があり、嫌な予感がしたため、一人で病院を訪れたところ、医師から「左胸は乳がんでした」と告げられました。
左胸はおそらく良性と言われていたため、逆の結果だったことに頭が真っ白になります。さらに、しこりを作りにくいタイプの「浸潤性小葉がん」であることも告げられました。
乳がんの告知翌日、妊娠が判明
乳がんを告知された日、@renakinroom.officialさんは全身転移の有無を調べるPET-CT検査の予約をしました。その説明の中に「妊娠中は受けられません」という一文があるのを見て、一応妊娠検査薬で調べてみることに。
最初は反応がなかったものの、あとから見てみるとうっすらと線が入っていました。

乳がんの告知と妊娠がほぼ同時に判明したことについて、@renakinroom.officialさんは「すごく嬉しい反面、不安もとても大きかった」と語ります。産む決心がついたのは、妊娠中のがん治療のために転院した大学病院の医師から、「どちらを選んでも予後は変わらない」と言われたことでした。
妊娠16週で乳房全摘とリンパ節郭清を受け、病理の結果、リンパ節18個中16個に転移していることが判明。がんは10.5cmに及んでおり、「想像していたものと現実の落差に、大きなショックを受けました」と当時を振り返っていました。
また、妊娠23週から抗がん剤の点滴を開始。
「お腹の赤ちゃんが心配でしたが、大学病院では治療後にドップラーで赤ちゃんの心音を検査してくれるなど、フォローしてもらいました」と語る@renakinroom.officialさん。
抗がん剤の副作用の中で一番つらかったのは脱毛で、投与から2週間ほど経ったころに始まったといいます。安いウィッグをたくさん買い、少しでも気を紛らわせようとしていたことも明かしていました。

出産後も続いた治療と、支えになった情報
その後、妊娠37週で帝王切開を受け、元気な女の子が誕生します。
しかし、産後の検診で「腹水からクラス5の悪性で、小葉がんの細胞が出た」と聞かされました。腹膜播種と呼ばれる、がん細胞が腹膜に広がっている状態であることがわかり、延命治療になると言われ、大泣きしたと語ります。

@renakinroom.officialさんは、乳がんの告知当時からブログを書いており、そこで腹膜播種について「情報があれば教えてください」と聞いたところ、「腹腔内化学療法」という治療があると教えてもらったことを明かします。
住んでいる地域では治療を受けられる病院がなかったため、遠方の病院で全身治療の抗がん剤と、局所治療の腹腔内化学療法を行うことにしました。また、温熱腹腔内化学療法(HIPEC)という治療や、予防的な卵巣切除の手術も受けたそうです。
そうした治療に向き合う中で支えとなったのは、ブログを通じて読者から寄せられた情報や励ましだったといいます。寄せられた情報が実際に今の自分につながっていることも、大きな支えになっていると話していました。
今、つらい状況にいる人の希望となりたい
@renakinroom.officialさんは、自身の経験をSNSで発信しています。
自分のような経過をたどっている人もいることを知ってもらい、「同じような苦しい思いをしている人に、少しでも前向きになってもらえたら…」という思いから、発信を続けています。
また、乳がん検診はできれば乳腺専門医のいる施設で受けてほしいことや、日本人女性に多いとされる「デンスブレスト」について知ってほしいこと、違和感を抱いたら授乳中であっても気のせいにせず、病院を受診してほしいことも伝えています。
デンスブレストとは、乳腺の割合が多い乳房のことで、マンモグラフィでは乳腺が白く写るため、病変の発見が難しくなる可能性があるとされています。
「つらい経験もありましたが、同じ思いをする人が一人でも減り、そして今つらい状況にいる人にとって、私の経験が少しでも希望になれたらと思っています」と話していました。
@renakinroom.officialさんは、現在再発が判明し、抗がん剤治療、腹腔内化学療法を行うことに。
そんな中、再発について「『またか』と思いました。怖くないと言ったら嘘になるし、また治療が始まることへの不安もあります。それでも、私にはまだやりたいことがたくさんあります。子どもたちの成長も見たいし、家族とまだまだ普通の日常を過ごしたい」と続けます。
「だから、再発したことだけに人生を支配されたくありません。治療は治療としてしっかり向き合いながら、その中でも楽しいことを見つけて、今まで通り私らしく生きていきたいと思っています」と思いを明かしてくれました。
妊娠と乳がん治療を同時に経験した@renakinroom.officialさん。自身の経験を通して、違和感があった際には医療機関を受診することについて考えるきっかけとなるエピソードでした。

