飼い主に置いていかれ『5年間繋がれていた犬』 →保護の様子に「泣いてしまいました」「ありがとう」

飼い主に置いていかれ『5年間繋がれていた犬』 →保護の様子に「泣いてしまいました」「ありがとう」
初めて会った日(@very_choco_vanilla_ten_taigaさんより提供)

飼い主が出て行ってしまい、およそ4~5年間繋がれたままだったワンちゃん。
近所の人たちが餌をあげてくれていたため、何とか生き延びていましたが、その環境は糞尿と毛だらけのひどい状態でした。

そのワンちゃんを引き取った@very_choco_vanilla_ten_taigaさんが、コタローと名付けて大切に育てていく様子をInstagramに投稿したところ「ありがとうございます」「幸せになってね」「泣いてしまいました」などのコメントがたくさん寄せられています。

そこで投稿者である@very_choco_vanilla_ten_taigaさんに、コタローくんのことについて聞きました。

繋がれっぱなしのコタローくんに近所の人が何とか餌やりを…

もともと、保護したワンちゃんを飼っていた投稿者さん。
そんな投稿者さんの元に「ひどい状態で飼われているワンちゃんがいる」と、いとこから連絡が入ります。

ワンちゃんの状況を聞いた次の日、現場に行った投稿者さんは、見た瞬間、声も出ず一気に涙があふれたといいます。
周りは糞尿だらけで、抜けた毛も散乱。お水と餌皿があったので「誰かが餌やりだけはしているのかな…」と思いました。

コタローくんは呼んでも、ただうずくまってこちらを見つめるだけでした。
時間をかけるしかないと帰ろうしたところ、吠えながら慌てたように前に出てきたというコタローくん。

さらにその日の夕方、周りの方に話を聞こうと投稿者さんは再度向かいます。
すると、近所の方たちが餌やりをしてくれていたことがわかりました。

その人たちによると、コタローくんの元飼い主は6〜7年前にここに越してきたのですが、すぐにこの状態で、コタローくんを散歩させているのを見たことがなく、4〜5年前に繋いだまま家族は出て行ってしまったとのことでした。

そこでコタローくんを何とかしようとしましたが、何度か噛まれてしまい、餌やりをするのが精一杯だったといいます。しかし、冬には試行錯誤をして毛布を入れてくれていたのです。

「その方たちがいなければ、間違いなくあそこでコタローは餓死かフィラリアによる心臓病で死んでいたと思います」と投稿者さん。

そして、その人たちが大家さんの連絡先を教えてくれたので、投稿者さんは「元飼い主さんに連絡して、犬を手放すことを了承してほしいと伝えてください!」と大家さんにお願いし、2日後にようやく「了承をもらえました」と言われて、すぐにお迎えに行くことになりました。

一緒に帰ることができました(@very_choco_vanilla_ten_taigaさんより提供)

コタローくんは怖くて震えていて噛もうともしましたが、近所の人たちも手伝ってくれたため、何とかクレートの中に入れて連れて帰ることができました。
そのとき、近所の人たちも涙を流して「よかった」と喜び、食べていたフードの新品や「少しだけど足しにして」と封筒に現金を入れ持たせてくれたそうです。

男の人や棒などに噛みつく理由は…

保護する前は警戒心が強く、吠えて噛もうとしながらも、声掛けしながら優しく触ると触れたというコタローくん。
さらに保護して数日経つと、触って欲しそうに手を伸ばしてきたり、声かけに対し目を細めたりするようになりました。

もっと撫でて~(@very_choco_vanilla_ten_taigaさんより提供)

「基本的には、人が大好きで甘えん坊なんだと思いました」と投稿者さん。そんなコタローくんが、あの場所に何年も一人でいたかと思うと胸が締め付けられる思いだと話します。

ですが、震えたり動けなかったり、ご飯を食べられないこともありました。
お散歩も少し行っては歩かなくなり、何度も抱っこして帰ることも。
「コタローはフィラリアに感染しており、心臓に成虫がいたこともあって、長くは歩けなかったのかもしれないです」と投稿者さんは振り返ります。

初めて道に降りた日(@very_choco_vanilla_ten_taigaさんより提供)

さらに、尻尾を振って喜んでいると思いきや、近づくと足を噛んでくることも。
特に男の人が苦手で噛みついたり、黒っぽいスラックスのようなズボンやジーパンを穿いていると足ばかり見て、噛みつこうとしたといいます。
また、傘やほうきなどの棒状のものも怖がって噛んでいたそう。

今までの辛い時期を忘れてしまうくらい愛情を伝えたい

現在のコタローくんは、男の人やズボンに対しての噛みつきはまだありますが、主に世話をしている叔母さんや、従姉妹二人や従姉妹の娘さん、投稿者さんに対してはほぼなくなったといいます。
「過酷な中で生きてきたのに受け入れは思っていたよりも早く、頑張ってくれています」と話していました。

ニコニコが止まりません(@very_choco_vanilla_ten_taigaさんより提供)

さらに、心臓に到達していたフィラリアの成虫も薬でいなくなり、体力もついてきたように感じているそう。
あとは血中のフィラリアを駆除するのに薬を続けているといいます。フードアグレッシブはまだ激しく、食事のときだけは慣れている投稿者さんたちでも気をつけるようにしていると語っていました。

※フードアグレッシブ…食べ物を守ろうとする犬の本能的な行動で、食事中や食後に近づいてくる人や他の犬に対して唸ったり、攻撃的になったりする行動

初めて友達とお散歩した日(@very_choco_vanilla_ten_taigaさんより提供

さまざまなことに少しずつですが、着実に慣れてきたコタローくん。
投稿者さんは、今後「いろいろなところに連れて行ってあげたいです!また、他のワンちゃんたちとも少しずつ対面しながら、いろいろな経験をさせてあげたい」と話します。

すごい顔で(笑)(@very_choco_vanilla_ten_taigaさんより提供)

「推定7~8歳のコタローは年齢的にはシニア組に入りますが、今までの辛い時間を忘れてしまうくらい、たくさんなでなでして愛情を伝えたいです」と語ってくれました。

コタローくんの表情は以前と違い、幸せに暮らしている様子が伝わってきますね。今後の生活も幸せ溢れるものになることを願うばかりです。

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