都内の中南米系大使館に勤務する渋谷優美子さんは、日々大使館で通訳として、イベントコーディネーターとして働いている。すでに勤務して3年半が経過。それ以前も、同じようにいくつかの中南米系の大使館に勤務していた経歴がある。大使館での日常会話は100%スペイン語だ。渋谷さんは流暢にスペイン語を操り、また英語も不自由なく話すことができる。

スペインのセビージャにて(渋谷さんより提供)

高校は埼玉県内でも指折りの公立高校の外国語科を卒業。その後大学に進学し、外国語の造詣を4年間深めた。そもそも、語学を専攻して学びたいと強く思ったのは中学生の頃からだという。「英語の授業が楽しく好きで、テストの点も良かったんです」と胸をはる。

「実際には高校大学合わせた7年間の語学の勉強では会話力は十分ではなかったと思います」と当時を振り返る。かつて、ホームステイで8ヶ月間、スペイン西部の田舎町、サラマンカの街にたった一人で海外留学して、ホストファミリーの元で暮らしていた。当然ながら、毎日がスペイン語での会話だった。
現地でホストファミリーと生活をともにして、スペイン語の言葉のシャワーを浴びることで、飛躍的にスピーキング力、ヒアリング力は向上した。そして、帰国後にお世話になった大学の教授から大使館でスタッフを募集している旨のメールを受信。すぐさま面接をして、トントン拍子に大使館スタッフとして採用となった。その一件が初めての大使館での仕事となった。

一般的に大使館での仕事は自身の通訳の確かな力量が要求される。むしろ、一語一句、十分にスピーキング、ヒアリングが発揮できなくてはならない。そういう意味では、渋谷さんにとって大使館での仕事はやりがいがあり、適職であったに違いない。大学在学中にスペインに研修旅行に行き、そこでスペインが好きになったそう。

これまで10回はスペインへ旅をしたという。夫と、また同僚と、ときには一人でスペインへ。そもそも、スペインの何に魅力を感じるのかというと、「スペインは人が穏やかで何を食べても食事がおいしい。バルでいただくコーヒーもおいしい。とあるカフェでチョコレートが入ったパンとコーヒーをいただきましたが、両方ともめちゃくちゃ美味しかったんですよ」と記憶を蘇らせたのか、目をクリクリとして話す。旅はスペインに限らず、これまでにタイ、マレーシア、ベルギー、クロアチア、イタリア、イギリスなど合わせて15カ国を旅している。

カンボジアのアンコールワットを訪問(渋谷さんより提供)

渋谷さんが現在、挑戦しようと考えているのが翻訳の仕事だ。英語やスペイン語を日本語に翻訳する仕事を手がけてみたいです」と静かに夢を語る。「将来的には翻訳の仕事を自営で、フリーランスで主業とするのもひとつの今後の生き方としての選択肢かなと考えています」と話す。英語もスペイン語も問題なく習得している渋谷さんだが、時々、語学教室に通って、会話力の研鑽を重ねている。

これから、翻訳の仕事も模索しながら、日々、大使館での仕事に真摯に向き合い、時間を見つけては大好きな海外旅行をする渋谷さんは、充実した毎日を過ごしている。

年内の海外旅行の目標をたずねたら「まだ決まっていません」と返事が戻ってきた。ひょっこり、時間がとれたら、またどこか海外旅行へと仕事の合間に旅をしているのかもしれない。好きな仕事に就き、好きな海外旅行を楽しんでいる渋谷さんは、終始キラキラとして楽しそうだった。

同居の保護猫、すだち(左)と、しちみ(右)は大切な家族(渋谷さんより提供)

この記事の写真一覧はこちら