玄関横になにやら大きな置物が……ではなく、本物の大きなカメ。岡山県奈義町の住宅が並ぶうちの一軒に彼はいた。飼い主の野々上さん夫妻と暮らすケヅメリクガメのカタ君だ。

ケヅメリクガメのカタ君

野々上さんとカタ君の出会い

飼い主の野々上さんは昔からカメが好き。自宅に年期の入ったポスターが飾ってある

夫婦でカメが好きだったこともあり、動きがあって活発なケヅメリクガメを飼いたいと思いペットショップへ。そこでカタ君と出会ったのだ。

1歳で野々上さん宅に来たカタ君は、現在22~23歳。「毎日一緒にいるからいつの間にか大きくなった」と話すのは、飼い主の野々上秀樹さん。『甲羅が固いから』という理由で名付けたカタ君は、今の姿からは想像できないが、家に来たときはなんと手のひらサイズだったという。

子どもと並ぶとよく分かるカタ君の大きさ

カタ君のスローライフな1日

小松菜を頬張るカタ君

カタ君は朝、小屋から出て体が温まるまで庭の草を食べながらゆっくりと過ごす。昼はおなかが満たされ昼寝。夕方、野々上さんから野菜をもらって食べる。毎日のんびりと時間を過ごしているようだ。

たまに近くの公園へ散歩に出かけるそうで、カタ君を見かけた人は大きさにビックリするという。子どもを背中に乗せてあげることもあり、一躍人気者だ。

存在感があるがつぶらな瞳が可愛いカタ君

仲良しに見えて実はライバル!同じ屋根の下に住む小さな同居者

ヘルマンリクガメのライ君

「実はもう一匹いるんです」、そう言って野々上さんが教えてくれたのは、この家のもう1匹のアイドル、ヘルマンリクガメのライ君だ。カタ君とは違い大きくならない種類で、歩く速さがカメの中で一番早いのだそう。昔話の『うさぎとカメ』に出てくるカメのモデルだという。

恥ずかしそうにおなかを見せてくれたライ君

大きさが十倍以上あるであろうカタ君の歩く後をちょこちょこ追いかけているのかと思いきや、足に嚙みつこうとしていたり、カタ君を見つけると突進しようとしたり。一緒にいるとオス同士の縄張り争いが始まるため、普段は離れて過ごしている。

足に噛みついてやる!

癒しの存在を優しく見守る

(下から)カタ君、ライ君、野々上さんの3ショット

「カタ君はどういう存在ですか?」との質問に、「癒されますねぇ」と返答する野々上さん。野菜をあげている時や、庭の草取りをしていたら寄ってくるカタ君に癒されているという。

筆者自身、取材中いつの間にかカタ君に惹きつけられ、目が離せなくなっていたことで納得した。

のんびりしていてマイペースなところが自分に似ていると話してくれた野々上さん。耳の辺りが大きく腫れ中耳炎になった事があるが、最近では病気もなく元気に過ごしているカタ君をきょうも優しく見守っている。

カタ君(右)とライ君(左)を優しく見守る野々上さん

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