岡山県の勝英地域のブランド黒大豆「作州黒(R)」の出荷が本格化しています。水田を有効活用できる特産作物として今季は勝英地域(美作市、津山市勝北地区、勝央町、奈義町、西粟倉村)で約520ヘクタールを作付けました。作州黒部会勝央支部副部会長を務める水田周二さん(62)は、農家1戸あたり平均作付けの4倍にあたる2ヘクタールを担い、1月下旬まで出荷調製の作業に汗を流しました。

「作州黒(R)」は1975年頃から水田転作で導入が始まった「丹波黒」に由来します。種の採取から手掛け、今では全国屈指の産地として知られるようになりました。大粒で粒ぞろいがよく、コクと風味が豊かなのが特長で、正月向けなどの高級食材として人気です。水田さんは「先人が培ってきたブランドと栽培技術を受け継ぎたい」と8年前に一念発起。兼業から専業に切り替え、今は水稲5ヘクタールとの複合経営で栽培に本腰を入れます。

豆を傷つけないように茎を1本ずつハサミで刈りとる

水田さんは、特有の気候風土が栽培に適しているといいます。那岐山を背に広がる標高100メートル余りの盆地には、県内三大河川の吉井川の支流が縦横に流れます。朝霧が立ち込めることで「適度に水分を受けてじっくり育ち、実入りや旨味が増す」と手応えをみせます。

その一方で天候次第で収量が倍にも半分にもなります。適期作業を励行しますが、梅雨時期などには思い通りにならないことが多く、今季はJAが貸し出す移植機を利用して短時間で苗を植えました。実入りはここ数年で最も良好と胸をなでおろします。乾燥脱粒後、全量を無選別でJAに出荷します。

刈取り後、数本をひとまとめにして天日干しする「島立て」。先人から受け継ぐ伝統技術の一つ。

水田さんは「ほとんどが手作業で手入れが米の2〜3倍かかるが、その分、一粒の種から懸命に手を掛けると恩返ししてくれる。将来は機械化を進め、若い人が兼業でも作れる作物にしたい」と展望します。