那岐山の麓に広がる、岡山県奈義町にある杉神社では、毎年元旦に”巫女舞”が奉納されます。
健康、安全、繁栄を願い、平和な年になりますように。そして、舞を舞う女の子たちが大きく成長出来たことを感謝し、奉納しています。

杉神社の氏子の家では、娘が小学6年生になると元旦に巫女舞を奉納する。それが当たり前の事であり、伝統なのです。

コロナ禍でも奉納すると決めたのは、保護者と地域の意志

1985年の奉納から写真が残っている

コロナ禍の中、奉納出来るかどうかが心配されていたのですが、保護者と地区の人々が集まって話し合った結果、できる限りのコロナ対策をして“豊栄の舞”を奉納する事に決まりました。

「いつも通りに、伝統は変えない。」

この決断に一役買ったのが、お宮の本堂の壁に、ずらっと並ぶ歴代の巫女舞奉納の写真。1985年の奉納から残されています。1年に数回、地区の人達でお宮の掃除をする時に、飾ってある歴代の写真を見ながら「これうちの孫や。」「去年の、うちの娘が飾ってある。」と話に花が咲くそうです。

母親が着付けに初挑戦

初めての巫女衣装の着付けに奮闘中のお母さんたち

12月30日の夜、最後の練習とリハーサルが行われました。公民館に女の子が集まると楽しそうな笑い声が響きます。まずは衣装の着付けから始まります。例年通りなら、舞を教えている先生が子どもたちの着付けをするのですが、今回は先生が喪中でお宮に入ることが出来ないので、母親が着付けに初挑戦する事になりました。

コロナ禍での奉納に加え、母親にとっては初めての衣装の着付け。「初めての事で大変だけど、経験として覚えておきたい。子どもの一生に一度に携われる事が嬉しいです。」

先生と一緒に最後の練習

先生の掛け声で音楽が流れ始めると、子どもたちの表情が引き締まります。練習の間にも目に見えて上達して行く女の子たち。それでも覚えきれていないところに差し掛かると、瞳が泳ぎ、間違うと照れ笑いが出ます。

「間違えちゃっても大丈夫だから、堂々とな!」

後は本番に全力で臨むのみ。

「これまで練習してきた事を本番で出せる様に頑張りたいです!」

そう言っていつもの様に、毎回練習に行くと貰える、超ビッグサイズのお菓子の詰め合わせを抱えて嬉しそうに帰っていきました。