生きづらさから不登校になった過去も 「体は女の子 心は90%男」として“自分らしく生きる”を伝えたい

生きづらさから不登校になった過去も 「体は女の子 心は90%男」として“自分らしく生きる”を伝えたい
谷川彩莉さん(@airi.tanigawaさんより提供)

周りの目が気になって、本当にやりたいことができないことはありませんか。「自分らしく生きる」というのは、ときに難しいことでもあるでしょう。

谷川 彩莉(アイリ)(@airi.tanigawa)さんは、講演家とし「LGBTQ・自分らしく生きる」などをテーマに全国で講演をしています。彩莉さんは自身のことを「体は女の子 心は90%男」と公表し、ありのままの姿を伝えています。

今回は、彩莉さんに現在の活動やこれまでのことなどについて話を聞きました。

現在の活動について

彩莉さん③
彩莉さん③

彩莉さんは、現在「自分らしく生きよう」という発信を行っています。活動内容はSNSをはじめとし、小中学校での講演や主催した一般向けの講演など多岐にわたります。

小学生高学年から違和感が

彩莉さんは、小学校の高学年から「何か周りと違う」という違和感をもち始めました。そして、中学2年生のときに”性同一性障害”という言葉と出会います。そこから、性と付き合い、向き合っていく人生が始まったといいます。

”性同一性障害”というものを背負うという辛さや隠すという辛さをたくさん感じたという彩莉さん。

彩莉さんは中学3年生のときに初めて同性の子と交際をはじめました。しかし、1人の友達に報告したところ、翌日学年中に噂が広められていました。一気に孤独になったといいます。その後仲の良いグループに報告すると、毎日重たい雰囲気が続くことに。彩莉さんと彼女は毎日放課後に泣き、5日で別れる決断をしました。

さらに高校では生きづらさから不登校に。しかし、高校生活後半で友達に「ありのままでいいやん」と言ってもらったことがきっかけで考え方が変わります。それまでは、心は100%男だと思って過ごしていたものが結局生きづらさに繋がっていたという彩莉さん。友達の言葉によって「自分は男として見て欲しいわけでも女として見て欲しいわけでもなく、人として見てもらうことが居心地がいい」と気づき出したといいます。

その後彩莉さんは、修学旅行などといったタイミングでさらっと「彼女がいるんだ〜」と伝えられるように。高校生活後半は、SNSにも彼女を公表して当たり前のようにしていました。周りに伝えると、恋愛話でも当然のように彼女の話ができるので楽になったといいます。

彩莉さんの考え

彩莉さん①
彩莉さん①

彩莉さんは、LGBTQでカテゴリー化されることについて必要ないといいます。それは「カテゴリー化をするから、カテゴリーに入らない人との差が生まれる」との考えからです。

カテゴリー化について「カテゴライズして安心するなどのメリットがある方はそうすればいいし、僕は、決めつけられることや、そのカテゴリーを前提に話されると違和感があるのでしたくないです。そんな枠を超えて今はたくさんの個性やあり方があります」と話しました。

そんな彩莉さんが考える”自分らしく生きる”こととは「自分がしたい表現(格好)をする。したいこと(仕事や趣味)をする。自分が自分の意志でしたい選択をしていくことだと思います。他人の目や声を気にして、できていない人が多いので、自分の心の声をしっかり聞いて大切にして自分の人生を歩むこと」。

SNSや講演会などでも”自分らしく生きる”のテーマを大切にして活動しています。

活動することにおいて

彩莉さん④
彩莉さん④

元体育教師だった彩莉さん。彩莉さんが体育教師を辞めた理由の一つは「自分自身が特にも努力していないし、人生経験が浅いのに、生徒たちにがんばれがんばれと言っている自分に疑問を抱いた」こと。また、体育教師は自分の能力などを十分に発揮できる場所ではないと思ったのだそうです。

そして、彩莉さんは、教師や公務員という枠を出て、新たな世界を経験してみたいとの思いで講演家の道を進みます。

発信を続ける理由を聞くと「僕は心が100%男だと思い手術をすると思っていたけど、そうでなかった。日本だけでなく世界でも、思い込みや勘違いで手術をして後悔している人が多くいる。そんななかで僕が発信をしない理由はない。現代ではたくさんの発信者がいる。それぞれがそれぞれの思いで発信している。だから僕も僕にしかできない発信を。ありのまま生きていいんだよ人と違っていいんだよ当てはめなくていいんだよと伝え続けることが使命だと思っている」

彩莉さんの活動では、彩莉さんに心無い言葉を向ける人はほとんどいません。彩莉さんは「もっと有名にならないといけませんね」としながらも、心無い言葉を向ける人たちのことを思って、次のように話しました。

「アンチをする方は心が満たされていないと思っています。会社がストレスなのか家族がストレスなのか生きづらさを感じているのか…満たされていて愛し愛されて友達もいるなら酷いコメントはしませんから。それを自分に矢印を向けられず人に矢印を向けることで自分を保つ。かわいそうと言ってはなんですがそんな感じで一歩引いて見ますね。もしくは、ハグしたあげようか?と。愛されていないなら、と。そんな感じです」

彩莉さんは大学生の頃から発信をしています。使命をただ全うする気持ちでずっといるため、活動前後の心境の変化はほとんどないのだそうです。そんなありのままの彩莉さんに惹かれる人は多いのかもしれません。

発信したいこと

彩莉さんの投稿には、同じような境遇の方からも多くにコメントが寄せられています。彩莉さんはコメントについて「しんどいです…のようなマイナスのものは聞くこと寄り添うことしかできませんが『あいりさんを見て新しいことに挑戦しました!』とか『自分らしく生きれるようになりました!』というコメントは、本当にこれが生きている意味だなと感じます」と話しました。

多くの人を勇気づけている彩莉さん。今度の活動についても「自分らしく生きる人を増やす。これだけです」と揺るがない思いを話してくれました。

そんな彩莉さんの今後の夢は「全国を飛び回る講演家になること」だといいます。彩莉さんの言葉で、気持ちを前向きに、自分らしく生きられるような人が増えていくことを願います。

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