小さな子どもを連れての買い物は大変なことも多いでしょう。周りに迷惑になっていないかと気になってしまいますよね。

今回紹介するのは「スーパーで助けてもらったエピソード」です。

イラスト:23ca

スーパーで泣き出してしまった2人の子どもたち

レイコ(仮名)さんが、2歳のマミ(仮名)ちゃんと0歳のアオト(仮名)くんを連れて、いつも行くスーパーに買い物に出かけたときのことです。

レイコさんは、マミちゃんはカートに、アオトくんは抱っこ紐に入れて買い物をしていました。会計を済ませて袋詰めをしようとしたとき、マミちゃんが買った物を手に持ちたいと言い始めました。

レイコさんが「お買い上げシールを貼ってもらっていないからだめだよ」と伝えると、マミちゃんは不機嫌になり大声で泣き出してしまいます。さらに、アオトくんもつられて泣き始めてしまう始末。2人ともわんわん泣いて暴れるので、袋詰めがなかなかうまくいきません。大声を上げていることで周りのお客さんにも注目され、迷惑そうな顔をされてしまいました。

ただでさえワンオペ育児で疲弊していたところに、周囲へ迷惑をかけてしまう申し訳なさが加わり、レイコさんも泣きそうなほどでした。するとそこへ、隣の台で袋詰めをしていた50代くらいの女性と小学校中学年くらいの男の子の親子が近づいてきました。そして、女性が「よかったら手伝いますよ」と、サッと袋詰めを始めてくれ、男の子はマミちゃんの頭をなでてくれました。

マミちゃんは泣きやみ、アオトくんも知らない人が近くに来たことで泣くのを忘れていました。手早く袋詰めをしてくれたあと、女性が「お母さん1人で大変だろうけど頑張ってるね、お節介だったらごめんなさいね」と言い残し、男の子とともに去っていきました。

『スーパーで助けてもらったこと②』イラスト:23ca

周りには温かい人も

このときの出来事について、レイコさんに話を聞きました。

ー助けてもらったとき、相手に対してどう思いましたか?また、なんと伝えましたか?
私なら知らない人に話しかけたり、手伝ったりすることは勇気がいるし、もしも断られたら嫌だという気持ちもあり、なかなか行動にうつすことはできなかったと思います。とても優しいし、勇気がある行動をしてくださったと思いました。袋詰めをしてくださっている間、ずっと「ありがとうございます、すみません」と何度も伝えました。男の子にも「お兄ちゃん優しいね、おかげで泣き止んだよ、ありがとう」と伝えました。

ー子どもを連れて買い物する際、子育てならではの大変さを感じることを教えてください。
子どもを連れての買い物、特に2人連れてとなると体力的にも精神的にも疲弊します。周囲の視線もあるし、子どもが乗ったカートを押して狭い通路を歩くのは神経を使い、かなり疲れます。多忙な主人には頼ることがなかなかできないので、食料品など必需品を買うにはスーパーに行くしかありません。ネットスーパーを使えばよいのかもしれませんが、割高だし生鮮食品は特に目で見て買いたいので難しいです。子どもの機嫌がよいときは大丈夫ですが、不機嫌なときの買い物は本当に大変です。

ー相手の方とはその後何か会話をしましたか?その際、どのような会話をしたのか教えてください。
スっと立ち去られたので「ありがとうございました」と伝えることしかできませんでした。

ーこの体験を通して、何か意識していることや気持ちの変化などはありましたか?
困っている人がいたら私にできることなら手助けしようと思うようになりました。数日後に、同じスーパーでダンボールの山を崩したおじいさんがいたので元に戻すのを手伝いました。

ーこの経験を誰かに話したことはありますか?
主人に話しました。「優しい人がいてよかったね、ありがたいね」と言っていました。

ー子どもと一緒にいて困ったとき、周りにどういった対応をしてもらえると嬉しいと思いますか?
手伝ってほしいとまでは言いません。優しい目で見守ってもらえるだけでも嬉しいです。

ーこの経験を通して、同じような状況で悩む方にどのようなことを伝えたいですか?
冷たい視線ばかりに気持ちが向いて申し訳なさで消えたくなりますが、優しく見守ってくださる方、手伝いたいと思ってくださっている方は必ずいると思います。謙虚な気持ちは忘れず、あまり萎縮しないでもよいと伝えたいです。

つい周りに迷惑をかけていないかとばかり考えてしまいますよね。しかし、周りを見渡してみると、冷たい視線ばかりではないのかもしれませんね。

※こちらは実際にユーザーから募集したエピソードをもとに記事化しています。

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