岡山県北部の町、奈義町に猫ハウスを併設している美容室があります。田園風景の中に佇む"hair+efu"です。

「こっちニャ」と、猫たちがお出迎えしてくれる。

美容室の入り口を入るとカフェのような待合スペースがあり、向かいのガラス越しに1.5畳ほどの猫ハウスが見えます。

待合スペースのガラス窓の向こうが猫ハウス

猫ハウスには、外とハウスを自由に出入りできる猫窓が備え付けてあり、ご飯も布団も用意されています。

猫の布団もご飯も爪とぎもある。一番上のステップから駆け下りて遊ぶこともできる。

また壁には猫が上ったり、遊んだり出来るステップも設置されており、猫たちは好きな所でくつろげます。本当に猫の居心地を考えて作られている事が伝わってきます。

猫窓から猫ハウスに自由に出入りできる。

出入り自由な猫ハウスは、店主の芦田さんの飼っている猫たちも、通りすがりのさすらい猫も、その気があれば、一宿一飯の恩恵を受けることが出来るのです。

芦田さんの動物好きは母譲り

店内でいちごちゃんを抱っこする"hair+efu"店主の芦田さん

店主の芦田さんは猫好きで、飼っている猫は15匹。ほとんどの猫は、野良猫や捨てられた猫を保護したり、友人や知人から譲り受けたりした猫で、自費で去勢、避妊手術をしています。

小さい頃から動物好きで、捨てられた猫や犬を見つけては家に連れ帰っていました。飼い猫が7匹になった頃、子猫が2匹捨てられているのを見つけたけれど、さすがにこれ以上連れ帰ると怒られると思って断念。帰宅して母親にその事を話すと「連れて帰って来たらよかったのに」と言われ、「なんだ、いいんだ!」。

それから猫や犬の保護に躊躇がなくなって今に至るそう。犬猫以外の動物では、自分の部屋に迷い込んだ皮膚病のタヌキを保護し、ベッドを譲って寝袋で寝ていた事もあるのだとか。

どうして美容室に猫ハウスを?

猫たちは普段、店の隣にある母屋で暮らしていますが、人間がいる場所が大好きなので、どうしても店に入ってきてしまいます。(芦田さんもつい入れてしまう)

待合スペースからお客様を見守るいちごちゃん

猫好きな客の膝に乗って接客をしてくれる事もあるのですが、猫アレルギーの人や猫の苦手な人が来店している時には、寒い冬でも猫たちに外に出てもらう事もありました。店と外、その中間地点に猫たちの居場所があれば……。そして思いついたのが猫ハウスだったのです。

猫ハウスで食事中のももちゃん。ガラス越しに美容室の店内が見える。

そして2014年、店を改装する際に念願の猫ハウスが誕生しました。今では人間だけではなく、飼い猫もさすらい猫も訪れる場所に。

ニャ―。入れてー

猫好きの方にはたまらない、施述を受けながら猫とふれあえる美容室に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

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