ある日突然、人生を大きく変える出来事に直面することもあります。
理学療法士として働く@satoshi.health.ptさんは、通勤中に交通事故に遭い、大けがを負いました。しかし、その事故は人生で最悪の出来事であると同時に、自分自身を大きく変えるきっかけにもなりました。
患者さんを支える立場から、突然「支えられる側」となり、懸命にリハビリへ取り組んだ@satoshi.health.ptさん。その経験と現在について伺いました。
突然の事故で「元通りの生活は諦めて」と…
通勤中の交通事故で右ひざを大きく損傷した@satoshi.health.ptさんは、膝のお皿の骨が砕ける「膝蓋骨の開放骨折」と、腱が切れる「膝蓋腱断裂」という大けがを負いました。
事故後は数分間意識を失っていたそうですが、目を覚ますと多くの通行人や救急隊員が対応してくれていたといいます。開放骨折による感染リスクが高く、近隣では受け入れ可能な病院が見つからなかったため、車で約1時間離れた病院へ搬送され、そのまま緊急手術を受けました。

退院後もしばらくは松葉杖で生活し、その後も約半年は杖が手放せない日々が続きました。現在に至るまでに受けた手術は計3回に及びます。
事故当時、医師からは「元通りの生活は諦めて」と告げられました。当時はまだ子どもが幼く、「仕事はどうなるんだろう」「普通に歩けるのかな」「子どもと走り回れる日は来るのかな」と、不安ばかりが頭をよぎったとのこと。
それまで理学療法士として患者さんを支える立場だった@satoshi.health.ptさんにとって、自分が突然「支えられる側」になったことは大きな衝撃でした。さらに、専門知識があるからこそ、けがの重さや回復までの厳しさを理解でき、「簡単には元に戻れない」と分かってしまうことが、かえってつらかったと振り返ります。

「今できることを一つずつ」と励ましてくれた奥さん
事故によって思うように働けなくなり、家事や育児のほとんどを奥さんに任せる生活となりました。何もできないことに申し訳なさを感じていたという@satoshi.health.ptさん。
そんな中、奥さんから「今できることを一つずつやればいい」と励まされたことが、大きな支えになりました。この経験を通して、「一人で抱え込まず、家族に頼ることも前へ進むためには必要なのだ」と初めて気づかされたといいます。
また、新しい現実を受け入れて前を向くうえで大きかったのは、「できないこと」ではなく、「昨日より少しできるようになったこと」に目を向けるようになったことでした。
@satoshi.health.ptさんは、「最初はひざが数cm曲がるだけでもうれしかったですし、一歩進めるようになっただけでも前進でした」と、完璧を目指すのではなく、小さな成長を積み重ねる考え方へ変わったことで、少しずつ前向きになっていきます。

リハビリを経て、再び好きなことへ挑戦
リハビリで特につらかったのは、身体よりも心の面でした。努力しても思うように回復しない日が続き、「本当によくなるのかな…」と何度も心が折れそうになったとのこと。
そんなとき支えになったのは、家族や親族、友人たちでした。幼い子どもがいる生活を気遣って食事を届けてくれたり、遠方から食べ物を送ってくれたりしたほか、SNSに寄せられた温かいメッセージにも励まされたといいます。
さらに、「担当してくださった理学療法士の方が約1年半にわたり親身に支えてくださったことにも、本当に感謝しています」と話していました。
@satoshi.health.ptさんは現在もひざの可動域は完全には戻っておらず、正座はできません。それでも、好きだったロードバイクに乗ったり、筋力トレーニングをしたり、少しずつ走れるまでに回復しました。

事故当時は歩けなくなる可能性も伝えられていたため、今こうして好きなことに再び挑戦できていること自体が、本当に幸せだと感じています。
杖が外れるまで約半年、仕事へ復帰するまで約8ヶ月。そして、走れるようになるまでには事故から約2年の歳月がかかりました。
今でも完全に元通りではありませんが、「できること」は少しずつ増え続けています。元通りを目指すのではなく、「新しい自分」としてできることを積み重ねていると語ります。
患者としてリハビリを経験して…
患者としてリハビリを経験したことで、理学療法士としての考え方にも変化がありました。
知識や経験は役立ったものの、それだけで順調に回復できたわけではありませんでした。実際に患者の立場を経験したことで、身体だけではなく「気持ち」に寄り添うことの大切さを改めて実感します。
「今では患者さんに寄り添う姿勢や、SNSで発信する言葉一つひとつにも、この経験が生きていると感じています」

現在は訪問看護で理学療法士として働く一方、Instagramでは、ひざの痛みに悩む人へ向けてセルフケアやリハビリについて発信している@satoshi.health.ptさん。
自身のリハビリは症状固定との診断を受け、通院でのリハビリはいったん終了しましたが、現在も自主トレーニングとして筋力トレーニングやロードバイクを続け、身体づくりとリハビリを継続しています。

「また好きなことができる身体へ」という想いを届け続けたい
@satoshi.health.ptさんがSNSで伝えたいのは、「もう治らない」と言われても、そこで人生が終わるわけではないということです。
「身体は変わります。正しい方法で続ければ、人は想像以上に回復できます。私自身がその証明になりたいと思っています。一人でも多くの方が、痛みを理由に諦めていたことへもう一度挑戦できるように。そして、また好きなことができる身体を取り戻せるよう、これからも発信を続けていきたいです」と話します。

今後は、理学療法士としての知識と自身の経験を生かし、ひざの痛みに悩む人が前向きにリハビリへ取り組める環境を作ることです。また、Instagramでの発信だけでなく、オンラインでのサポートを通して、一人ひとりが自分らしい生活を取り戻せるよう支えていきたいとも明かしていました。
「『また好きなことができる身体へ』という想いを、これからも大切に届け続けていきたいです」と語る@satoshi.health.ptさん。
投稿には「励みになります」「大変でしたね」といったコメントも寄せられています。
できないことではなく、できることに目を向けながら歩み続けた経験は、多くの人に前向きな気持ちを届けてくれるエピソードでした。

