牛と酪農家の人との間には、毎日の積み重ねで育まれる特別な信頼関係があります。かわいがって接しているうちに、牛のほうからすり寄ってくるようになることもあるようです。
@aerofarm_5865さんが、牛2頭と散歩する様子をTikTokに投稿すると「犬かと思った」「お利口さんですね」「可愛い」などのコメントが寄せられ話題になっています。
このときの様子について、@aerofarm_5865さんに話を聞きました。
遠くから走ってきた牛さんたち

2頭の牛さんと、早朝の散歩をしている@aerofarm_5865さん。現在、2頭は白浜町にある和牛農家さんの一角を借りて飼育しており、その敷地内で気温が低いときにリードをつけて散歩させているといいます。

ある朝の散歩の時間。敷地内の遠くの道から2頭の牛さんが走って来ます。元気よく走ってくるのは、アマナちゃんとサクラちゃん。2頭は@aerofarm_5865さんを目がけて一生懸命に走ってきて、上手にとまりました。

乳牛のアマナちゃんとサクラちゃんは、8ヶ月と7ヶ月の子牛。和歌山県白浜町の木である桜と、4月頃に白浜で咲いていたアマナという白い花が由来だといいます。
アマナちゃんとサクラちゃんは、@aerofarm_5865さんが北海道に買い付けにいき、北海道からはるばる和歌山へやってきた牛さんたち。
6月2日にエアロファームに導入してからまだ2ヶ月弱という時間でたっぷりの愛情を注ぎ、気づけば呼べば来てくれるようになったのだとか。駆け寄ってくる2頭に「毎日の成長が楽しみで癒されまくりです」と@aerofarm_5865さん。

2頭は1ヶ月違いで体格はややアマナちゃんが大きいのですが、気が強いのはサクラちゃんだといいます。アマナちゃんは@aerofarm_5865さんによく甘えてきて、サクラちゃんはアマナちゃんが甘えていないときにこっそり長靴を舐めてきてアピールしてくるのだそうですよ。どちらもかわいらしいですね。
2頭とも北海道から白浜へ到着してすぐに乾草をむさぼり食べて、この2ヶ月でかなり大きくなったとのこと。普段は元気いっぱいの2頭なのだそうですよ。

また、牛さんたちの飼育について「牛に限らず、動物は異変があっても私たちに喋って教えてくれません。人間が観察して異変に気づくことで目の前の命を守ることができます。愛情も注ぎながら、日々の観察は欠かせません!」と話す@aerofarm_5865さん。
今年の夏は暑さでバテることもあったといいます。「この蒸し暑さに対する暑熱対策は本当に悩まされます。師匠と試行錯誤の日々です」と教えてくれました。

多くの反応があった今回の投稿。反響を受けて「酪農、畜産を知るきっかけになったのかなと思うととても嬉しいです。『牛ってこんなにかわいいんだ!?』『酪農ってなんだろう?』そんな風にみてくれればなと思いました」と話してくれました。
というのも、和歌山県は酪農家件数が全国ワースト1位だといいます。県下では@aerofarm_5865さんの牧場を除いて5件のみ。
@aerofarm_5865さんは兵庫県の農業高校を卒業し、色々な縁から和歌山県白浜町へ来ています。そんな背景から「兵庫県での当たり前が和歌山県では一切通用しません。牛を飼うハードルや、それを6次産業化にするハードルを感じることも。やればできる!その思いで前に進んでいます。この動画をきっかけに和歌山県で畜産をやりたい!牛飼いになりたい!酪農家になりたい!という未来の学生が出てきてくれたらと思います」と思いを教えてくれました。
牛さんがこんなに人に懐くことに驚いた人も多いかもしれません。とてもかわいらしいアマナちゃんとサクラちゃんでした。

