子育て中は、まわりに迷惑をかけないようにと普段から気をつかうことも多いですよね。そんなときに「気にしないで」と声をかけてもらえると、とてもありがたく助かります。

今回紹介するのは「ランチでのありがたい気遣い」についてのエピソードです。

子ども食堂での出来事

エミさん(仮名)と子どもが、姉と姉の子どもと一緒に子ども食堂へランチに行ったときのことです。
終了間近の時間帯でほとんどお客さんはおらず、年配の女性が2人いるだけでした。

すると子どもたちは自分たちが食べ終わると食堂内を走り回ったりして、遊び出してしまいました。
エミさんも姉も、子どもたちにやっとご飯を食べさせ終わったところで、まだ自分の料理にはほとんど手をつけていない状態です。

エミさんたちは他のお客さんに迷惑がかかるから、と急いで子どもたちを止めにいき、料理もそのままテイクアウトが可能とのことだったので持ち帰ろうとしました。

すると、お客さんの年配の女性2人が「私たち以外にお客さんはいないし、子どもは走り回るものだから気にしないでいいのよ」「それより子どもたちを私たちが見ててあげるからお母さんたちはゆっくりご飯食べて。普段なかなかゆっくり食べれないでしょ?」「私たちも子育てしてたから大変さはわかるのよ」と言ってくれたのです。

そして走り回る子どもたちと廊下で追いかけっこをしたり、かくれんぼをしたりして遊んでくれました。
子どもたちは大喜び。エミさんと姉は何度もお礼をいいながら急いでご飯を食べました。

エミさんはこのときのことを「小さな子どもがいると食事する場所も他のお客さんに迷惑をかけないようにと普段から気を遣います。そして、育児をしているといつも子ども優先で自分のことは後回しとなり、ご飯中もゆっくりすることはないのが当たり前でした。しかし、女性たちは自分も経験があるからと初めて会った私たちを気遣ってくれたのです。かけてくれた言葉やその行動が凄く温かくて、心がとっても温まりました。子どもと一緒にいると1人で手が回らないことはたくさんあります。でもそんなときにちょっと手を貸してくれたり、声をかけてくれたりすることが本当にありがたいと思っています。」と話してくれました。

『ランチでのありがたい気遣い②』イラスト:yoyoi

優しい気遣い

このときの出来事についてエミさんに話を聞きました。

ー女性たちの気遣いに対してどう思いましたか?また、なんと伝えましたか?
温かい言葉や行動に本当に感謝しました。ゆっくり食事をしにきたはずなのに、走り回る子どもたちをニコニコと笑いながら相手してくれて本当にありがたかったです。
食堂のスタッフの方にも少し走り回ってしまうことの了承まで得てくれていました。
普段はいつも遊び出す子どもを怒りながら急いでご飯をかきこむように食べていたので、とても気持ちが楽になりました。
私も姉も「すみません。本当にありがたいです。ありがとうございます」と何度も感謝の気持ちをお伝えしました。

ー相手の方とはその後何か会話をしましたか?その際、どのような会話をしたのか教えてください。
お子さんは何人いて、子育てのときはどんな感じだったのかなど、過去の体験談をうかがいました。

ーこの体験を通して、何か意識していることや気持ちの変化などはありましたか?
地域で子どもを育てていく、皆がちょっとの優しさを持ち寄って手を貸してくれるような社会になっていけばもっと子育てはしやすくなるんだろうなと改めて思いました。
私も子育てに限らず、困っている人がいればすぐに声をかけたり、手を貸せるような人になりたいと思いました。

ーこの経験を誰かに話したことはありますか?ある場合、どんな反応や返答がありましたか?
母親にこの出来事を話しました。
「それは凄くありがたいし、本当良かったね」と言ってくれました。

ーこのような経験と同様に、子育てをしていて大変なときはどんなときですか?
子どもがちょうどイヤイヤ期で、外出時にも何かとグズったり、駄々をこねることが多くて困ることが多いです。
子どもルーム等へ遊びにいって「帰らない」と駄々をこねることや、お友達とオモチャの取り合いをしてしまうことも困っています。
また、思い通りにならないことがあると怒って物を投げることや叩いてしまうことにも困っています。
毎回しっかりと叱り、言い聞かせてはいるのですが…お友達に怪我でもさせたら大変ととても心配しています。
家から外に出たときにグズったり駄々をこねることで周りの人達に迷惑をかけてしまうことが申し訳ないですし、そんな子どもの対応に困ることが多いです。

ー子どもと一緒にいて困ったとき、周りにどういった対応をしてもらえると嬉しいと思いますか?
こちらもわざとや悪気がある訳ではないので嫌な顔をされたりするのが一番辛いです。
温かく見守ってくれたり、温かい言葉をくれたりするととてもありがたいと思います。

ーこの経験を通して、同じような状況で悩む方にどのようなことを伝えたいですか?
皆同じだから、1人でかかえこんで解決しようとしなくても大丈夫。
もしかしたら自分が思っているより社会には優しい人たちもたくさんいて、手をさしのべてくれる人は多いのかもしれません。だから困ったときは助けを求めたり、誰かの助けを借りたりしてもいいんだよと伝えたいです。

周りの迷惑を考え、辛い気持ちになってしまうこともあるかもしれません。
そんなときに周りの人が気にかけ、ひと言声をかけるだけで、救われるという人はたくさんいるかもしれませんね。

※こちらは実際にユーザーから募集したエピソードをもとに記事化しています。

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