季節の変わり目で、肌寒い雨が降る日も多いこのごろ。外出先での突然の雨に、「傘忘れた!」と焦る人もいるのでは?
そんな状況は、キリンの世界でも同じなのでしょうか。
体長4メートルほどもあるキリンが、短いひさしの下で器用に雨宿りしています。この姿がTwitterに公開されると、「可愛すぎる」「傘をさしてあげたいけど背が足りない!」という声が続々。7万を超えるいいねがつきました。

このツィートを投稿したのは、広島市安佐動物公園@asa_zoo)でキリンの飼育を担当する堂面志帆さん。普段のキリンたちの様子やこの日の出来事について話を聞きました。

晴れた日は運動場でのんびり日向ぼっこ(提供:安佐動物公園)

「当園のキリンたちはあまり雨が好きではないようで、よく雨宿りをしています。日によっては雨を全く気にせず歩き続ける日もありますが、どうやら大粒の雨と、気温の低い日の雨には濡れたくないようです」

珍しい姿かと思いきや、飼育員にとっては割と見慣れた光景だそう。
ただ、この日は気温が低く、ほぼ全員が「濡れたくない雨」だったようで、みんなで並んで雨宿りをしている姿が可愛いと思い撮影したそうです。

そんな中、クスリと笑ってしまう光景が。
雨宿りするキリンたちの目線の先にいたのは…

食欲が勝ってしまうキリン発見(提供:安佐動物公園)

1頭だけ雨を全く気にすることなく食事中のキリン、アカリちゃんです。
この日もいつもと変わらぬ様子で「隣人」のダチョウたちと一緒に、朝食の樫の葉をムシャムシャ。

1歳になったキリンのアカリ(提供:安佐動物公園)

「メスのアカリは5頭いるキリンたちの中で最年少。性格はとてもマイペースで、毎回濡れることを気にしません」

まわりのキリンたちは、アカリちゃんの食事風景を見て食欲がそそられ、葉に近付こうとするも、やっぱり雨に濡れるのが嫌だったのか、その場で雨宿りを続けたそうです。

ちなみに、Twitterには「屋内に自由に入れるようにしてあげてほしい」という声もありましたが、心配なかれ。同園では天候やキリンの体調に合わせて屋内にも自由に入れるようにしているんだとか。この日もドアは解放していたものの、キリンたちは中に入るまでもないと思ったのか、午前中いっぱいはこの場所で雨宿りを楽しんだそうです。

「これからもキリンたちの体調に合わせて、キリンファーストでお世話をしていきたいと思います。気温が上がる梅雨時期は、ひさしではなく木陰での雨宿りの様子が見られるかも」と堂面さんは話してくれました。

メス4頭、オス1頭が暮らす安佐動物公園のキリン(提供:安佐動物公園)

雨の日の動物園、普段とは違った光景が見られるかも知れません。
アカリちゃんの行動にも注目です。

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