今、海外の子どもたちの間で大流行しているのが、「プッシュポップバブル」「プッシュポップ」などの商品名で発売されているスクイーズ玩具。シリコン素材の突起物をプチッと押し込む感覚を繰り返し味わえるというようなおもちゃです。日本では2021年「メルカリトレンドワード」の新しい出品キーワードとしても取り上げられていますが、まだまだ認知度は高くありません。
そんな中、お隣の台湾では「滅鼠先鋒(ミェシュウシェンフェン)」と呼ばれ、“知らない人はいない”というくらいの人気ぶり。玩具店だけでなく、日用品店や夜市にも数多く並び、定番商品になりつつあります。

夜市に並ぶプッシュポップバブル

しかしこのおもちゃ、一見するとただプチプチするだけの単純なもの。多くの大人が「何が面白いのか」と首を傾げることになります。そこで今回は、台湾在住、子育て真っただ中のママライター、南野トシコさんにその魅力を聞いてきました。

南野トシコさん

カラフルで形も大きさも様々

子どもに好まれる理由のひとつは「色と形なのでは?」と分析する南野さん。

「まず、虹のようなカラフルな色づかいは真っ先に子どもの目を引きます。形もちょうちょ、恐竜、車、動物、アイスクリーム……などバラエティ豊かで、必ず子どもの好きなものがある、というのもポイントですね。中にはポーチになっているものや、キーホルダー、プッシュポップバブルが表紙になったノートなんかもあります。うちの子たちは、出先で見かける度に、これが欲しい、あれが欲しいと、違う形のものを欲しがっています。目でも楽しめるのが子どもにとって魅力的なようです」

大人から見ても可愛い

見た目の魅力だけではなく、触ってみるとさらに子どもを惹きつける理由がわかるのだとか。

「丸いぽちぽちした部分を押すとペコっと凹むのですが、この感覚が面白くてやみつきになるのでしょう。さらに、押し込む時の音が、ぽこっという愛嬌のあるもので、耳触りも良く、何度聞いてもちょっと楽しい気分になります。全部押し込んだら裏返してまた同じようにできるので、永遠に繰り返して遊べるんです」

お店でお気に入りを見つける3歳のさらちゃん

気軽に買える価格

気になる値段はというと、台湾では安いもので1個30元(日本円で120円程度)、高いもので450元くらい(日本円で1900円程度)のこと。

「売っている場所や大きさなどによって、価格はピンキリですが、そこまで高いものではないので、パパママの負担になりにくいです。うちの子どもたちは、30元のもので2か月以上遊び続けています」

日用品店の店先に並ぶプッシュポップバブル

他にも台湾では「誤飲の心配がない安全性に配慮されたおもちゃ」という認識もあるようです。

「1歳3か月の息子は、ハムハムと嚙みつくこともありますが、誤飲することはないので安心してみていられます。水で丸洗いできるので衛生的とも言えますね。難しい遊びはまだできませんが、ポチポチひたすら押し続けていると、触り心地が良いのかそのまま寝てしまうこともあります。そして寝ても手放しません」

プッシュポップバブルをかみしめる1歳のるいくん

知育玩具としての側面も

さらには、子ども自身が遊び方を無限に考えることができる「知育玩具」としても注目されているのだそう。

「3歳半の娘はその都度自分でルールを決めて遊びます。もの自体がシンプルなので、自由度が高いようです。子どもたちの集中力と自由な発想力を育てるのに一役かってくれそうなおもちゃですね」

いろいろな遊び方がある中で、代表的なものを南野さんに教えてもらいました。

遊び方① ひたすらポチポチ押す
小さな子だと色の名前を覚える練習にも。大人もストレス解消になりそう。

遊び方② 最後の1つを押した人が負け!
ひとり1回1〜3個押すことができ、最後の1つを押した人が負けというゲーム。サイコロを使っても◎。出た目の数だけ押すことができ、最後の1つを押した人が負け。大きめのものがおすすめです。

遊び方③ ポチポチにコットンボールを入れて、箸やピンセットで取る
月齢の小さい子なら手でもOK。指先や箸を使う練習になります。

実際に筆者も②のゲームを子どもと一緒に実践してみたところ、単純なのに大盛り上がり。親子のコミュニケーションにも役立ってくれました。

子どもにとっても保護者にとってもうれしいこのおもちゃ。日本でも爆発的にヒットする日が来るかもしれません。

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