五月山動物園(大阪府池田市)で飼育されているウォンバットのワイン君が、2022年1月に誕生日を迎え、33歳になりました。これは、動物園で飼育されている中では、世界最高齢です。飼育担当の遠藤太貴さんに、ワイン君の日常について話を聞きました。

※現在、日本の動物園では全部で6匹のウォンバットが飼育されていて、そのうち4匹がこの五月山動物園にいます。

人間では100歳を超える年齢

遠藤さんにウォンバットの33歳は、人間でいうとどれくらいの年齢になるのか聞きました。

「明確な数字は分からないですが、100歳は超えているのかなと思います。飼育下での寿命が大体25年。野生下ですと5年なので、そう考えると33年というのはやはり飛びぬけて長生きと言えます」

ワイン君。ウォンバット1匹に対して庭付きの部屋が1つずつ与えられている。(提供写真)

長生きの秘訣は、人に慣れていることが大きいと言います。スタッフや客がいることがストレスにならない性格というのが、動物園で快適に暮らすためには必要なのかもしれません。

遠藤さんは「女の子が近くにいるのがいいのかな」とも話します。以前は、ワイン君の部屋の隣は、ワンダーという女の子のウォンバットがいました。今はユキという女の子がその部屋を使っています。ずっと女の子が隣にいるので、縄張り争いもしなくてすみ、刺激にもなるのでいいのではないかということでした。

現在ワイン君の隣に部屋があるユキちゃん(提供写真)

よく動きよく食べるワイン君

動物は高齢になると運動量が落ちたり、食べる量が減ったりしますが、ワイン君の場合は、後ろ足の踏ん張りがやや落ちてきたものの元気に動き回り、隣のユキちゃんのところへ愛想をふりまきに近づきにいっているそうです。

「(食事も)朝と夕方しっかり食べています。一番食べているんじゃないかなと思うぐらいです。体にお肉もしっかりついていますよ」

2021年敬老の日のワイン君。ワイン君は高齢なのでいつもサツマイモは薄くスライスされている(提供写真)

また、ワイン君は取材慣れもしていて、グイグイ近づいて来てくれるそうです。

「他の子より取材対応が上手いなぁ。と思う事があります。記者の方が今撮りたいという時にすっとワインだけ来て、近づいてくれる事がありました。空気を読んでくれるんです」

ギネス世界記録へ挑戦

走っているワイン君。高齢だが若者に負けず劣らず元気な様子。(提供写真)

2021年の32歳の誕生日には、数字をかたどった青草の周りにサツマイモとか人参でデコレーションしてお祝いをしたというワイン君。今年は「史上最高齢の飼育されたウォンバット(Oldest wombat in captivity ever)」として、ギネス世界記録へ挑戦します。

ギネス世界記録記念式典を2月11日に開催予定。当日はギネスの公式認定員による結果公表を行った後、認定となった場合には、公式認定証の贈呈が行われます。

まだまだ元気なワイン君。ギネス世界記録はもちろんのこと、たくさん食べて、どんどん記録を更新してほしいです。

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