「太平洋をパパとママと一緒に泳いでいたんだけど、ご飯を探しているあいだにパパとママが迷子になっちゃったんだ」(四国水族館HPより)

自分が迷子になったのではなく、迷子になったのはパパとママ。くすっと笑える一言を発しているのは、四国水族館(香川県宇多津町)のマスコットキャラクター「しゅこくん」です。

このほかにも、「普段は悪ぶっているけど実は臆病な性格」「特技はかくれんぼとおにごっこ」など、ユニークかつ作りこまれた設定が満載のしゅこくん。その背景や込めたメッセージを、四国水族館広報の片山豊心さんに取材しました。

学びの要素たっぷりの「しゅこくん」

2020年6月にオープンした四国水族館。子どもだけでなく、「大人も楽しめる」をテーマの1つにしていて、光の演出や、学術的な要素を盛り込むことにも力を入れています。名物スポットの1つで、水槽を下から見上げる「神無月の景」から見ることができるのが、シュモクザメ。しゅこくんのモデルになりました。

「神無月の景」から見えるシュモクザメ(提供:四国水族館)

しゅこくんの誕生にあたっては、かわいさやユニークさだけではなく、水族館のテーマに沿って、学びの要素を入れ込むことにもこだわったと、片山さんは話します。

四国水族館広報 片山豊心さん

「しゅこくん、最初は口も逆方向だったんですよ、にっこりというか。でもシュモクザメの口ってよく見たら、反対になってるよねと。そういうところも、生き物により忠実にしていきました」

口の形も実際のシュモクザメと同じに(提供:四国水族館)

ほかにも、特徴的なハンマーヘッドや、5対ある鰓孔(えらあな)なども忠実に再現されています。また、「実は臆病な性格」「特技はおにごっこ(エサを探すのが得意)」なども、シュモクザメそのものの特徴を表しています。しゅこくんを知ることで、生き物の生態についても学ぶ機会になるんです。

5対の鰓孔も忠実に再現

唯一、しゅこくんならではの部分が、エイくんと仲良くなって友達になったこと。本来であればシュモクザメにとってアカエイは格好のエサであるはずですが……「仲良くなったので、エイくんは絶対に食べません(笑)」と片山さん。そのエイくんの体には、四国の地形が描かれているというお楽しみポイントも。

しゅこくんとエイくんは大の仲良し(提供:四国水族館)

情報発信も自分目線で担当!

そんなしゅこくんは、ぬいぐるみや文房具などでグッズ化もされています。しかし、四国水族館のグッズの中で今もっとも人気なのは、なんと友達のエイくんの座布団。四国水族館公式ツイッターには、そんなしゅこくんの、ちょっぴり寂しそうなコメントが掲載されています。

「ツイッターを発信しているのは、しゅこくん自身です(笑)。キャラクターが発信したほうが、伝わりやすいというか。なかなか職員目線だと真面目になりがちというか、そこをしゅこくんが代わりに発信することで、ちょっとフランクに伝えられたりとか、お客さんに近いしゅこくんの目線で伝えられたりするので」

ブログやSNSは、しゅこくんが自分目線で発信する

実際に、SNSではしゅこくんにエールを送るなど、しゅこくんへ宛てたコメントも多く集まっており、宣伝部長としての手ごたえも感じているといいます。

館内の啓発活動もしゅこくんが担当

水族館と、四国の魅力発信を

そんなしゅこくんの目標は、四国水族館を有名にして、パパとママを見つけることです。

「迷子のことを本人はそんなに気にしていなくて(笑)。有名になったらいつか出会えるだろうという、どこかでその情報がパパとママにも届くかなあという感じですね」

しゅこくんの目標は四国水族館を有名にすること

片山さんは今後、しゅこくんと一緒に水族館のことだけでなく、四国各県の自然や魅力を発信していきたいと考えています。

「四国水族館にきて四国の自然の豊かさや魅力を改めて感じてほしいという思いがあるので、そういうところも含めて、四国にはこういういいところがあるので、実際に足を運んでみてねという形で発信できればいいなと思います」

片山さんとしゅこくん

しゅこくんが、四国の宣伝部長になる日も、そう遠くないかもしれません。