コロナ禍において盛んに言われるようになった消毒・除菌。それ以前から家事代行やハウスクリーニングなど衛生面に配慮したビジネスを展開してきた北村麻理映さんという方がいます。
今回は北村さんの活動を紹介するとともに、起業までの道のりや、ビジネス転換を迫られた時の話、除菌のハウツーについてもお聞きしました。

まずは北村麻理映さんの紹介から

北村さんのプロフィールを見ると、整理収納アドバイザー1級、ヨガインストラクター、企業相談コンサルタントなどさまざまな肩書きが並びます。また、事業展開も幅広く、メイン事業となる家事代行サービス事業のほかにも、イベント立案や運営を行ったり、チラシをデザインしたり、婚活事業や企業マッチングなども行っています。そして、新たに抗菌・消臭シートの開発・販売という事業も加わりました。

経営者としての顔のほか、準レギュラーでラジオパーソナリティとしても活躍しています。

「この形を目指してきたのではなく、時代の流れやお客様のニーズを汲み取るうちに、自然と広がっていった感じですね」。

例えば家事代行サービスをもっと知ってもらうためにどうしたらいいかを考える。折込チラシを思いつくが、予算が足りない。だったら、自分で作ろう!単なるチラシではなくてクーポン形式にしていろんなお店と一緒に作れば安く済むし、掲載店舗に置いてもらえるのでお客さまの目に触れるチャンスも増える。しかも自分で作るから制作費は大幅カットできる。これだ!!

北村さんは、このアイデアをもとに、ネットワークを活かして、知り合いのお店や会社に声をかけました。すると、「おもしろい!」「やってみよう」と評判になり、すぐに枠が埋まったそう。また、クーポンという形態もお客さまに喜ばれ、費用対効果はとても大きかったといいます。

固定観念にとらわれず、「このやり方がダメなら、こうやってみよう」という柔軟な発想とチャレンジ精神が、新しいコトを生み出し、ビジネスに繋がっていった例です。

「パラレルキャリアという言葉をご存知ですか?キャリアというのは仕事だけではありません。趣味でやっていることもキャリアのひとつ。いろんな経験を活かしながら社会に貢献できることがあるはず。そういう生き方がこれからは大切だと思いますね」。

ときにはステージに立ち、講話を行うこともあります。活躍の場は香川県にとどまりません。

家事代行業を設立したきっかけ

家事代行業の会社を設立したのは2018年ですが、起業の原点になっているのは、自身の実体験によるものでした。

「私は19歳のときに出産したのですが、大阪から高松に移住した私にとって身内はおらず、頼れるのは母親だけでした。しかし病気がちな母に頼ることもできず、出産直後から家事や仕事に追われる日々。周りのママたちが羨ましくて、私も何度、助けてもらいたいと願ったかしれません。そんな気持ちが浮かびあがってきては打ち消し、頼れるのは自分しかいないのだから、と自分を奮い立たせていました」。

この時の、“誰かに助けてもらいたい”という心の叫びは、十数年後、北村さん自身の手によって家事代行のビジネスを立ち上げることになります。

北村さんが出産した頃の家事代行サービスは、地方ではまだまだ富裕層が利用するものというイメージでしたが、次第に共働き夫婦やシングルマザーの家庭も増え、地方でも家事代行のニーズが高まってきていました。

そして2018年、満を持して家事代行事業であるMTK serviceを立ち上げました。“あのときの自分のように困っている人がいるなら、その助けになりたい”という気持ちが原動力になったのです。
お客さまのニーズに対応できるよう、さまざまな資格をもつスタッフ23人が在籍。仕事と家事の両立を図りたい女性が気軽に使えるように、価格もリーズナブルに設定してスタートを切りました。仕事が始まると、スタッフの仕事ぶりが評判を呼び、一般家庭だけでなく、企業や病院とも定期契約を結ぶなど、着実に実績を重ねていきます。
ところが、2020年世界中を震撼させたコロナウイルスという目に見えないウイルスの出現により、事業は大ダメージを受けることになりました。

コロナ禍によってビジネスの転換を迫られる

コロナウイルス感染拡大により、自宅へ訪問するスタイルの家事代行は避けられるようになりました。自宅に人を招き入れることが不安になるお客さまの心理も理解できます。そこで、北村さんは思い切って新しいビジネスの立ち上げに挑戦することにしました。

それが、抗菌・消臭シートの開発でした。丸亀市のデザイン会社と共同開発した「kolot(コロット)」です。空気清浄ラミネートを使用した抗菌シートで、窓ガラスや冷蔵庫、トイレ車内などに貼るだけで抗菌・消臭してくれるというもの。抗菌や消臭に関しての性能評価試験もクリアし、効果はデータに裏付けられています。

北村さんが開発した空気清浄ラミネートを使用した抗菌シート「kolot(コロット)」。

2020年8月から販売していますが、順調に販売数を伸ばしているそう。一般家庭だけでなく、フィットネスジムのロッカーへの採用や、ノベルティー採用、OEMなどにも対応し、さまざまなデザインバリエーションを展開しています。

抗菌シートのデザインは、どんなものにも合うように配慮。シンプルなので景観を邪魔せずいろんなところに使えます。

「2020年はコロナウイルスという、目に見えない敵との戦いが、日本だけでなく世界中で巻き起こりました。それによって、これまでのビジネスのあり方を問われたことは事実です。でも、これは私に与えられたチャンスだったのだと考えるようにしています。抗菌・消臭シートの開発という、新しいビジネス創出に挑戦できたのですから。それに、私の座右の銘は“挑戦の先には、成功か学びしかない”。失敗ではなく、学びというプラスに考えていくことが大切だと思うんです」。

ファシリテーターとして会を進行することもあります。求められることを全力で挑戦するのが北村さん流。

挑戦するから、仕事の領域が広がり、人のつながりも広がっていくのですね。
タフさと柔軟さを併せ持つ、北村さんのこれからがますます楽しみです。

HAPPY WOMAN香川事務局長も務める北村さん。国際女性デーにはイエローをドレスコードにしたイベントを開催。

家庭でも手軽に行える効果的な除菌ハウツー

最後に、家庭でできるウイルス対策について聞きました。
どんなときに、どんな風に使うのがいいのか、タイプ別に紹介します。

「基本的にていねいな手洗いと清潔なタオルで拭き取ることが一番の除菌対策だと考えていますが、あると便利な除菌グッズもあるので、生活スタイルに応じてセレクトしてみてくださいね」。

・除菌ジェル……一般家庭では来客時に重宝します。家族は手洗いができますが、ゲストにすぐ手を洗ってもらうわけにいきませんから、玄関付近に置いておくとゲストも気持ちよく来訪できるでしょう。

・除菌スプレー……スプレーして拭き取るタイプのものは、衛生的なタオルを使うか、使い捨てのペーパータオルがおすすめ。何度も使用したタオルは、逆に汚れを広げてしまう原因になるので避けましょう。

・UVライト除菌器……スマホ除菌器として知られているかもしれませんが、スマホだけでなく、アクセサリーやイヤホンなども除菌できます。アロマ機能付きなど多機能製品もあるので、用途に応じてセレクトしましょう。

・除菌シート……空気清浄機能をもつPETフィルムを使用した、貼るだけで効果があるシートタイプ。窓ガラスやトイレ、冷蔵庫、車内などに貼るだけで、除菌・消臭ができます。シートサイズによっては、携帯や化粧品にも貼ることができます。

「いろいろな除菌剤がありますが、アレルギーのある人や手に傷のある人にとってアルコール消毒はしみて痛いものです。直接肌に触れるものではなく、シートタイプのものや窓ガラスに塗布するだけで部屋の空気をきれいにしてくれる『エアープロット』なら、アレルギーのある人でも安心ですよ」。

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