香川県・小豆島で、毎年秋に開催されてきた、瀬戸内海タートル・フルマラソン。穏やかな瀬戸内海を眺めながら走れることに加え、島民からのおもてなしも人気の理由になっていたこの大会も、新型コロナウイルスの影響を受けた2020年度は、バーチャル形式での開催となりました。

過去の大会の様子【写真提供/大会事務局】

大会名物のにゅうめんの提供も、参加者の自宅へのそうめんの発送という形に。島でのふれあいがかなわないぶん、抽選で当たる特産品と併せて、ランナーと地元・土庄町とをつなぐ役割を果たしました。

今回は、職場の仲間とともに10km女子の部門にエントリーした市民ランナー・中田真由美さんを取材。自身2回目だというバーチャル大会の感触、小豆島に寄せる思いなどをうかがいました。

「大会」の形が保たれたことが意欲に

琴弾八幡宮の境内をスタート

2021年1月30日、中田さんら3人は香川県観音寺市の琴弾八幡宮をスタート。銭形砂絵で有名な市内屈指の観光スポットを後にし、少し風のあるコンディションながら安定したピッチで、一歩一歩を踏み締めて走ります。

「常に自分の出た大会の記録を塗り替えたいっていうのがあるので」

小中高と陸上部に所属し、中学校時代には駅伝の県大会で優勝経験もある中田さんは、あくまで前向き。周囲の声援がないことには一抹の寂しさを感じつつも、「大会」という形が保たれ、きちんと記録が残ることにモチベーションが高まったそうです。

さて、折り返し地点は、恋人の聖地として知られる一の宮公園。密を避けるためお互いの間隔を保ちながら、美しい海岸線を駆け抜けます。そしてスタートからおよそ1時間後、中田さんたちの姿は再び琴弾八幡宮にありました。

「この風のなか、結構いいタイム出たんで。上出来かと」

10kmを無事完走した3人

タイムは57分台と、参加者のなかでも上位にランクイン。無事にゴールした中田さんの表情には確かな充実感がにじんでいました。

また会える日を信じて、前へ

過去の大会の様子【写真提供/大会事務局】

いつも職場の仲間やその家族とマラソンを楽しんでいる中田さん。瀬戸内海タートル・フルマラソンの魅力をこう語ります。

「やっぱり走り終わった後のにゅうめんですかね。あれがすごいおいしいのと小豆島ね、景色もきれい。島民の方の応援、あれもすごくありがたいです」

上司の誘いで5年ほどまえにマラソンを再開し、参加するようになったこの大会も、今回で3回目。やはり小豆島というロケーション、そして地元の人のおもてなしは、リピートの大きな理由になっていたようです。

スタート、ゴールともに猫に見守られながら

バーチャル形式の今回は、全国から210人のエントリーがあった、瀬戸内海タートル・フルマラソン。来年以降、島で大会が開催されるかは新型コロナウイルスの状況によりますが、中田さんは「間違いなく参加する」と即答。そんな思いが通じれば、ランナーと島民が再び笑顔で会える日は、必ずまた訪れるはずです。