人との会話の中で、ふと引っかかる言葉があります。
その場ではなんとなく受け流したけれど、あとからじわじわと違和感が残る。
そんな経験はないでしょうか。
InstagramやTikTokで、人間関係や夫婦・パートナーシップ、会話の距離感をテーマに漫画と文章を発信しているB.B軍曹(@b.bgunso/@b_bgunso)さん。
投稿した「同調圧力をかわす夫の方法」という作品が注目を集め「神旦那」「モヤモヤする」などのコメントが寄せられました。
今回描かれているのは、「みんな」という言葉にまつわるエピソード。
どのような内容なのでしょうか。
最初の記憶


物語は、B.B軍曹さんが過去に知人と交わしたやりとりから始まります。
「同年代だったらみんな結婚してるし」
「みんな子どもいるよ?」
そんな言葉を向けられたとき、心のどこかがざわついたといいます。
“みんなって誰?”
そう思いながらも、当時はうまく言葉にできなかった。
多数派を前提にした言い方は、一見もっともらしく聞こえます。しかしその実体は、具体性のない、あいまいな主語です。
「みんな」は便利で、強くて、でも責任が薄い



作品の中で印象的なのは、こんな視点です。
「みんな言ってる」その言葉を「私はそう思う」に置き換えてみる。
すると、多数派の顔をしていた主張は、一人の意見に戻ります。
大きな主語ほど、便利で、あいまいで、強い。
でも同時に、責任が薄い。
誰の気持ちなのか。
どこまで本心なのか。
それがぼやけてしまうのが、「みんな」という言葉の正体なのかもしれません。
「安心」の言葉か、「覚悟」の言葉か
B.B軍曹さんはこう振り返ります。
「みんな」は安心のための言葉。
「私は」は覚悟のための言葉。
この漫画は、相手を論破するためのものではありません。
誰かを否定する話でもありません。
自分の意見を、自分の口に戻すための話です。
実際、B.B軍曹さん自身も、都合よく「みんな」という言葉を使いたくなる瞬間があるといいます。だからこそ、せめて自分の言葉くらいは、ちゃんと「私は」で言える人でいたい。
その小さな覚悟が、この作品には込められていました。
言葉の裏にある“向き合い方”
今回のエピソードの本質は、言葉遣いそのものよりも、「どう向き合っているか」という姿勢にあります。
軽く済ませるのか。
ちゃんと引き受けるのか。
その差で、同じ言葉でも伝わり方はまったく変わります。
あのとき感じた違和感は、「みんな」という単語そのものではなく、自分の意見を自分で引き受けない姿勢に対するものだったのかもしれません。
日常のすれ違いを、丁寧に掘り下げる
B.B軍曹さんはSNSでの発信をもとに、これまでに『全てのネガティブをプラスに変える夫 髭の 「人生満点じゃなくてもはなまるだ 編」「NGと書いてナイスガイと読む 編」「さては人生3周目だな 編」』3冊の書籍を刊行しています。
SNSで描かれてきた、こうした日常のすれ違いも、書籍の中で丁寧に掘り下げられています。
何気ない一言の中にある違和感。
それを見逃さず、問い直すこと。
「みんな」ではなく、「私は」と言えるかどうか。
その小さな違いが、関係の質を変えていくのかもしれません。
