何気なく机の引き出しを開けてみると…→そこに入っていたものに「素敵です。涙が出そう」「お宝!」「こんな世界があるんですね」

何気なく机の引き出しを開けてみると…→そこに入っていたものに「素敵です。涙が出そう」「お宝!」「こんな世界があるんですね」
引き出しを開けるところ(@plume_kyotoさんより提供)

何気なく開けた引き出しには…。
約35年間こつこつ作り続けた木版画がびっしり!

@plume_kyotoさんが、82歳になるお母さんの作品をThreadsに投稿すると「素敵です。涙が出そう」「お宝!」「こんな世界があるんですね」などのコメントが寄せられ、話題になっています。

@plume_kyotoさんに話を聞きました。

引き出しに整理されていた100点の木版画

ある日、@plume_kyotoさんはお母さんの趣味の部屋であるアトリエで、一緒にお茶を飲んでいました。

@plume_kyotoさんが何気なく机の下の引き出しを開けると… 木版画や素材の木がぎっしり詰まっていて、驚いたそうです。
お母さんは「みんな驚くのよ~」といたずらっぽく笑っていたとのこと。

引き出しの中には約100点の木版画がびっしり(@plume_kyotoさんより提供)

引き出しの中には、椿やレモンなど硬質な木を使用した木口木版(こぐちもくばん)という木版画が約100点、表裏両面に彫られた作品もあるといいます。もとは立てて保管していましたが、埃が溜まるのを防ぐため、引き出しに移して整理したのだとか。

先日作ったばかりの版画リトグラフ(@plume_kyotoさんより提供)

@plume_kyotoさんは、その量に感心し、お母さんの人生が詰まっているように感じたことから、思わず動画を撮影。

投稿に寄せられた多くの反響に「これほど多くの反響があったことに驚いています」と話していました。

約35年間も続けた木版画

お母さんが木版画を始めたきっかけは、美術館で見つけた詩画集講座の募集だといいます。

「製本を学ぶために始めたそうです。そこで素晴らしい先生方とすてきな仲間と出会い、木版画の楽しさを知ったことが、長く続けられている理由だと思います」と明かしてくれました。

フィレンツェの木馬から、午年の木版画(@plume_kyotoさんより提供)

講座受講後は独学に切り替えたとのこと。そして、木版の年賀状制作を24年間続けながら、依頼を受けて蔵書票を手がけることもあります。年賀状は、多いときには200枚を手刷りで制作しているとのこと。

24年の間には病で入院した時期もあったといい「緻密な木版画が彫れず、今とは違うざっくりした感じの作風になっていましたが、それはそれで可愛くて気に入っています」と@plume_kyotoさん。

いつも前向き。探求心があって本が友達

デザインの発想は、日々の暮らしや旅の思い出から得ているそうです。中世の芸術も好んでおり、30代に訪れたインド、ネパールの影響もあるといいます。

蔵書票に関しては、その人の生きざまや好きなものをテーマにデザインしているとのことでした。

友人のための蔵書票(@plume_kyotoさんより提供)

@ plume_kyotoさんにとってどのようなお母さんかを問うと、このように語ってくれました。
「いつも前向きな言葉で応援してくれます。探求心があり、本が友達らしいです。つらい時期や闘病中も木版画を続けるのは、簡単ではないと思うのですが… 好きなことが身近にあり続け、楽しく充実した人生なのではないでしょうか」

木版画とともに積み重ねた歳月が垣間見え、静かな感動を呼んだ今回の投稿。きっとこれからも、お母さんはあくなき探求心とともに木版画に向き合い、心を打つ作品を彫り続けていくことでしょう。

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