投稿者さんの息子さんは、生後9ヶ月のときに緊急搬送されました。その日の朝から、いつもよりミルクを飲む量が少ないことが気になっていたものの、鼻水や咳はなく、普段と変わらない様子だったそうです。
ところがその日の夜、普段はあまりぐずらない息子さんが泣き始め、ミルクも飲まなくなり、その後意識を失ってしまいました。
その後、診断された病気や現在の様子について話を聞きました。
穏やかな笑顔で家族を和ませる存在
投稿者さんの息子さんは、4人兄弟の末っ子。4人の中でも、一番手のかからないお子さんだったといいます。お腹が空いたときや眠いときくらいしか泣かず、抱っこで寝かしつけても、そのままぐっすり眠ってくれるほどでした。
夜は家族みんなで寝室で眠っていましたが、電気を消すと、いつの間にか息子さんは一人ですやすや眠っていて、「本当に育てやすい子だね」と家族でよく話していたとのこと。
「いつも穏やかで、家族みんなを笑顔にしてくれる宝物でした」と投稿者さんは振り返ります。
緊急搬送された日と診断された病気

緊急搬送された日も、ミルクをまったく飲まなかったわけではなく、少し残す程度でした。ただ、途中で休みながら飲む様子を見て、「鼻が詰まっているのかな?」と思っていたといいます。
その夜、いつも通り寝室で眠っていたところ、普段は夜中に泣かない息子さんが泣き始めました。珍しいなと思いながらあやしているうちに、息子さんは意識を失ってしまいます。
緊急搬送後は危篤状態が続き、その後、医師から「拡張型心筋症」と診断されました。心臓の働きが弱くなり、全身へ十分な血液を送ることができなくなっていたためです。
息子さんは心停止となり、ECMO(体外式膜型人工肺)による治療を受けることになりました。
病名を聞いたとき、投稿者さんは「とにかく助けてください」という気持ちと同時に、「なぜ息子なのだろう。少し前まで元気だったのに」という思いが込み上げ、頭が真っ白になったことを振り返ります。
また、拡張型心筋症の根治には心臓移植が必要と説明されました。医師からは移植までには多くの壁があると伝えられましたが、それでも投稿者さん家族は希望を持ち、移植という道を選びます。
しかし、転院を目前にして広範囲の脳梗塞が見つかりました。その影響で移植の適応外となり、長期間使用できないECMOも離脱せざるを得ない状況となります。
医師からは「ECMOを外せば助からない可能性が高い」と説明され、状況は一変。投稿者さん家族は厳しい現実に向き合うことになりました。
危険な状態を何度も乗り越えた息子さん

非常に難しいとされていたECMOの離脱でしたが、息子さんは懸命に頑張り、無事に離脱することができました。その際、担当医から笑顔で「本当によく頑張りましたよ」と声を掛けられたことを、投稿者さんは今でも忘れられないといいます。
その後も尿量の低下や全身のむくみなど、何度も危険な状態を乗り越えながら徐々に回復し、一般病棟へ移ることができました。
また、脳梗塞の影響で数ヶ月間は視線が合っているのかも分からない状態が続いていましたが、最近では名前を呼ぶと笑顔を見せてくれるようになったそうです。
現在は気管切開を行い、経管栄養で栄養を摂っています。
「リハビリを続けながら、少しずつできることを増やしているところです」と話していました。
息子さんの病気と向き合う中で…
病気と向き合う中で、投稿者さんが最もつらいと感じるのは、この先のことが誰にも分からないことでした。
拡張型心筋症は、心臓移植をしない限り根本的な治療が難しい病気です。しかし、息子さんは広範囲の脳梗塞を発症したため、現在は心臓移植を受けることができません。
現在の状態は安定し、少しずつ回復しているものの、「また心臓の状態が悪くなったら……」という不安は、今も心のどこかにあります。
それでも、息子さんはこれまで何度も大きな壁を乗り越え、そのたびに生きる力を見せてくれました。
今では名前を呼ぶと笑顔を見せてくれるようになり、その笑顔は投稿者さん家族にとって何よりの心の支えになっています。息子さんが懸命に頑張る姿を見るたびに、自分たちも前を向こうと思えると話していました。
これからも一日一日を大切にして
投稿者さんがSNSで息子さんの病気について発信するようになったきっかけは、赤ちゃんのいる友人たちへ自身の経験を伝えていたことでした。
息子さんの場合は、「ミルクを飲む量が減った」という、一見するとよくあるような小さな変化から始まっていました。しかし、その裏には命に関わる病気が隠れていたのです。
「少しでも違和感があったら、迷わず病院を受診してほしい」
そんな思いで周囲の人へ伝えていましたが、それだけでは限られた人にしか届かないと感じたそうです。
拡張型心筋症は決して多い病気ではありません。それでも「こんなこともあるんだ」ということを知ってもらい、いつか誰かが早めに受診するきっかけになればという思いから、SNSでの発信を始めました。
最初は「一人でも多くの命が助かってほしい」という思いでしたが、今では多くの人が息子さんを応援してくれるようになりました。今後は、応援してくれる皆さんと、息子さんの小さな成長を共有していきたいという思いもあるとのこと。
また、投稿者さんは、息子さんが緊急搬送された直後に臓器提供の意思表示をしたそうです。
「一日一日を大切に生きること、そして臓器提供やドナーについても、一人でも多くの方に関心を持っていただけたら嬉しいです」と語ります。
最後に「一日でも早く、移植だけに頼らず治療できる医療が実現し、息子のような子どもたちにも未来が広がることを心から願っています。これからも一日一日を大切に、家族みんなで息子の小さな成長を喜びながら歩んでいきたいと思っています」と話していました。
投稿者さんの体験は、普段と違う様子に気付いた際には、早めに受診を検討することの大切さや、臓器提供・ドナーについて考えるきっかけを与えてくれるエピソードでした。

