アメリカで迎えた新学期。担任から渡された“1枚の紙”に「自由でいいな」「とても合理的」【海外】

アメリカで迎えた新学期。担任から渡された“1枚の紙”に「自由でいいな」「とても合理的」【海外】

海外での子育ては、時に日本の「当たり前」を新鮮な視点で見つめ直すきっかけを与えてくれます。そんな中、今回「自由でいいなと思いました」と語るのは、11年アメリカに在住している40代の主婦、ユカリさん(仮名)。
特に印象に残っているという、日本の学校とは全く違うアメリカの先生たちの姿と、そこから見えた両国の文化についてお話を伺いました。

先生が授業中にコーヒー!?自由でオープンなアメリカの学校

ユカリさんがアメリカの学校でまず驚いたのは、先生と保護者のオープンな関係性でした。
「アートの授業やプリントの仕分けなど、保護者がボランティアとして学校運営に参加する機会がたくさんあるんです。先生と保護者が協力し合うのが当たり前の環境でした」
さらに驚いたのは、先生たちの自由な働き方。授業の合間にコーヒーを飲んだり、スナックを食べたりする光景は、日本の学校では考えられません。また、相談事があれば職員室を通さず、いつでも先生個人にメールや電話で直接連絡できるフランクさにも衝撃を受けたと言います。

先生の「ほしい物リスト」?合理的で驚きのプレゼント文化

数ある文化の違いの中でも、ユカリさんや日本の友人たちが特に驚いたのが、先生へのプレゼント文化でした。
「日本では、先生への贈り物は誤解を招く可能性があるため敬遠されがちですが、アメリカでは感謝を伝える素敵な習慣として根付いています」
新学期が始まると、先生から自身のプロフィールが配られることさえあるそうです。そこには好きな色や花、飲み物、お気に入りのお店の名前などが書かれた「ほしい物リスト」まで。
「最初は驚きましたが、いらない物をあげたりもらったりするよりも、相手が本当に喜ぶものを贈れるので、とても合理的で良いシステムだなと思いました」とユカリさんは語ります。

「ルールだから」で思考停止?日本の学校に感じた窮屈さ

アメリカの自由な校風を体験したことで、ユカリさんは日本の学校教育に対して改めて感じることがあったと言います。
「子どもが一時的に日本の学校に通った時、『下敷きは1枚まで』『靴下は白のみ』といった細かいルールがたくさんありました。子どもが先生に理由を尋ねても、返ってくる答えはいつも『ルールだから』。もう少し子ども自身に考えさせる機会を与えても良いのでは、と感じました」
アメリカの自由さや柔軟さと、日本の几帳面さや礼儀正しさ。どちらにも良い面があるとしながらも、ユカリさんはこう続けます。
「日本では、はみださないように『みんな同じ』であることを求められるのに、大学や就職の段階で突然『個性を出せ』と言われる。その矛盾に、子どもたちは戸惑ってしまうのではないかと感じました」
ユカリさんの体験は、どちらの文化が優れているかという話ではなく、違う価値観に触れることで、自国の教育のあり方を深く見つめ直す貴重な機会となったようです。
このお話のように、海外の文化に触れて日本の「当たり前」について考えさせられた経験はありますか?

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