皆さんは自然の中にいる絶滅危惧を見たことはありますか?
やぎちゃん(@yamacook1)さんが、遭遇した絶滅危惧種の雷鳥の画像をXに投稿すると「本当に綺麗」「貴重な写真」「こんな子がいるんですね」などのコメントが寄せられ話題になっています。
やぎちゃんさんに話を聞きました。
幻想的な白い雷鳥
立山で長期的に絶滅危惧種である雷鳥の撮影を続けていたやぎちゃんさん。
去年の秋頃の紅葉から、冬の真っ白な雷鳥、春からは縄張り争いや飛翔、つがい形成、ひなの誕生、そして子育ての様子まで、一連のライフサイクルを通して撮影することを目標にして、月に2回、1回あたり3~5日間ほど通い続けていたそう。
そんな中、やぎちゃんさんは一緒に立山で撮影していた方から、絶滅危惧種の中でもさらに希少な「白変種」がいると情報をもらいました。ひなの撮影が一段落したタイミングで、やぎちゃんさんはその白変種を探しに行くことに。
目撃情報のあった場所まで登山して向かうと、岩の上にたたずむ白変種の雷鳥に出会うことができました。
“しろたん”と呼ばれているその雷鳥に出会えたのは、滞在期間3日間のうち、1日の数時間のみだったとやぎちゃんさん。白変種の雷鳥の印象について「本当に真っ白で、不思議な存在感がありました」と語ります。


また「見つけた時は感動して、ずっと一緒にいたくなってしまいました。何時間もそばにいて、夕暮れのオレンジ色の光に照らされた姿は本当に幻想的で、美しくて、目が離せませんでした」と、当時の様子を教えてくれました。
雷鳥は野鳥の中でも、比較的人に対する警戒心が少ない鳥なのだとか。ただ「急に動いたり、近づきすぎたりするとストレスになってしまうので、距離感を大事にしながら、そっと寄り添うようにしています」と撮影時の配慮についてやぎちゃんさんは話します。

緊張感のある瞬間に遭遇
以前、中央アルプスで雷鳥の巣立ちを撮影しようとカメラで狙っていたとき、イタチ科のオコジョに出会ったやぎちゃんさん。
雷鳥のひなの羽化当日を狙っていたところ、突然母鳥が警戒音を出し、ひなをお腹の下に隠しました。
「何かおかしいな」と思い、観察していたら…オコジョが縄張りの中をうろうろしていたそうです。オコジョは、ひなを狙っていたのかもしれません。
緊張感ある瞬間を目撃したやぎちゃんさんは「結果的にひなを襲うことなく去ってくれて、本当にホッとしました。こういう一瞬一瞬のドラマが、自然界にはたくさんあるんだと改めて感じました」と話します。
奥深い山の魅力にはまる
登山ついて「最初はただ山を登るだけでしたが、次第に山で料理をしたり、山小屋に泊まったり、テント泊に挑戦したり…。最近は野生動物の撮影に夢中です」と語るやぎちゃんさん。
また「高山植物を覚えたり、その土地の気候や歴史、どんな動物がどんな環境に生きているのかを深く知っていくのがとても楽しくて、登山の楽しみ方は本当に無限だと思います。自分のスタイルで楽しめるのが魅力です」と教えてくれました。
現在「やまくっく・やぎちゃん」という名前でYouTube活動をしているやぎちゃんさん。その名前にある「やまくっく(Yamacook)」には、“山を料理するように楽しむ”という意味を込めているそう。

素敵な雷鳥のエピソードでした。これからもさまざまな山の魅力を教えてくださいね。
