思春期の子どもとの関係に悩む親御さんも多いのではないでしょうか。
@kyge.191292さんが、当時高校3年生の長男さんに作った海苔文字弁当をInstagramに投稿すると「分かります」「笑いました」などのコメントが寄せられ、話題になっています。
お弁当作りについて、ママさんに話を聞きました。
思春期の息子に届けた“言葉”のお弁当
思春期に入り反抗的になった長男さんとのやりとりに疲れ、海苔文字を始めたママさん。
「毎日ネタをくれる長男に対して(本人はそのつもりはなかったと思いますが)イライラから逆に海苔文字にしよ!とプラス思考になって楽しみながらお弁当が作れるようになりました」と、当時の様子について教えてくれました。
当時、長男さんの部屋は足の踏み場もないほど散らかっており、ペットボトルのゴミもあちこちにありました。ある日、自分で部屋を片付けたものの、ためたペットボトルは出さないまま。そこでママさんは「ペットボトルや始めんの?」という嫌味を込めたメッセージ弁当を作ることに。

海苔文字のカットにも慣れていたことから、お弁当の調理時間は約1時間。前日の出来事をもとに海苔文字の内容を決め、作り置きなどで時間を確保していました。

しかし、海苔文字のお弁当に、毎回反応がなかったという長男さん。
「やめて」と言われたこともありましたが、続けた結果、やがて何も言わなくなったそうです。

それでも、受験のときには珍しくLINEに感謝のメッセージが届き、ママさんはとても嬉しかったと話します。

「もう無理!」だったあの頃を超えて
お弁当作りについて、ママさんは「料理はあまり好きではなく、朝も早くて毎日つらかったけど、どうせ作るなら楽しまないと継続できないと思った」と話します。思春期の長男さんとのやりとりに疲れ、ストレス発散のために海苔文字を始めたことがきっかけで、お弁当作りが楽しくなったといいます。
続けるうちにカットも上達し「彩りなんていらない」と言われても、なるべくカラフルになるよう心がけました。
現在、長男さんは社会人に。家を出た今も2ヶ月に1回は帰省し、ママさんの誕生日には手作りの夕食とプレゼントを用意し、苦手な洗い物までしてくれます。
ママさんは「反抗期には“もう無理〜”と思ったこともたくさんあったけど、こんな幸せな日が来るなんて。頑張ってよかったなぁ」と、しみじみ語ってくれました。

なお、ペットボトルのゴミを自分で捨てるようになったものの、大学生になっても社会人になっても、部屋にため込む癖は変わらなかったそう。
「今もきっと散らかってると思います」と笑って話してくれました。
食べる楽しみをあきらめない、ママの愛情弁当
ママさんには、重い障がいのある次男さんがいます。次男さんは以前、やわらかい食事を咀嚼して食べていましたが、2019年に体調を崩したことをきっかけに、食事が思うように食べられなくなってしまったそうです。
その後は、ブレンダーでなめらかにしたペースト食が中心に。
「食事が進まない様子に戸惑い、料理への気力も湧かなくなってしまった時期もありました」とママさんは振り返ります。

それまでは、キャラ弁を通してご自身の気持ちを上げていたママさん。ペースト食になり一度は諦めかけたものの「もしかしたら作れるかも?」と思い、ペーストでもキャラ弁づくりに挑戦。今もときどき作っていて、これからも楽しみながら続けていきたいと話してくれました。
日々の食事やお弁当作りは大変なこともありますが、相手が喜ぶと思うと頑張れそうですね。ママさんの愛情が感じられる、素敵なお弁当たちでした。

