ふとした日常のワンシーンが周りをほっこりさせることは少なくありません。
今回ご紹介するのは、50代の主婦・佐藤さん(仮名)が体験したショッピングモールでの出来事です。
きっかけはジーンズ選びの小さな迷い
夫婦で買い物に訪れていた佐藤さん。試着室では、少し大きめと少し小さめ——サイズ違いのジーンズを前に迷っていました。
隣で夫は「また太るかもしれないし、大きめでいいんじゃない?」と現実的(?)なアドバイス。
苦笑いしたそのとき、カーテン越しに店員さんが現れました。
試着室に響いた“熱血エール”
突然放たれた言葉に驚く佐藤さん。
店員さんは続けます。「そのジーンズをはいた未来のあなたは輝いていますか?自分がより綺麗になれるのはどっち?——そういうことです!」
言い切ると店員さんは颯爽と去って行きました。
まるで恩師に励まされたような温かさを感じた佐藤さんは、小さめサイズをレジへ。帰宅後は「このジーンズをきれいに履きこなしたい!」という気持ちが芽生え、散歩や軽い筋トレを始めました。
“身内のような存在”に感じた店員さん
「ズバッと言い切りながらも嫌味がなく、まるで昔から知っている人みたいでした」と佐藤さんは振り返ります。
その後、何かに迷うたびに“自分に勝つ”選択を意識するようになったそうです。
数週間後、ジーンズは見事にジャストフィット。
努力が形になった喜びとともに、あの店員さんの言葉が今も背中を押し続けています。
日常に潜むエールを見逃さないで
今でもジーンズを履くたびに、佐藤さんの頭にはあの力強いフレーズがよみがえるそうです。
「次に迷ったら、鏡の中の自分に問いかけます“勝つのはどっち?”って」 さりげない店員さんの一声が、ひとの暮らしを前向きに塗り替える。
取材を終えて強く感じたのは、私たちの周りにはまだ気づいていない“エール”が潜んでいるということでした。
これからすれ違う誰かの言葉が、あなたの背中を押す一瞬になるかもしれません。