夕方の買い物ついでに「すぐ戻るからね」と小学1年生の娘を家に残した40代主婦のナオミさん(仮名)。送り出すときの娘は余裕の笑顔でしたが、暗くなり始めた部屋で鳴った電話は想像以上に怖かったようです。
震えるヒヨコのスタンプ
外出から数分後、ナオミさんのスマホに通知が。そこには泣きながら震えるヒヨコのスタンプとともに、ひらがなだけの長文が並んでいました。
――――でんわがなったけど だれかわからないから とらなかったよ。
こわかったよ。おるすばん ちょっとこわいね。
電話の主は、帰宅を知らせるパパの「もうすぐ着くよ」コール。
番号が表示されなかったため、娘は「知らない人=危険」と判断し、受話器を取れずにLINEで助けを求めたのでした。
スタンプが伝えた切なさと成長
泣き震えるヒヨコとひらがなだけのメッセージに、ナオミさんは「10分でもまだお留守番は早かったかな…」と後悔。
同時に、怖さを言葉と絵で的確に伝えた娘の表現力や判断力にハッとさせられたそうです。
子どもと一緒に作った“安心ルール”
この出来事をきっかけに、家族で留守番マニュアルをアップデートしました。
・発信者番号表示をONにする
・電話は必ず名前を名乗る人とだけ話す
・玄関ドアはインターホン越しでも開けない
・不安を感じたらすぐ親にLINEと電話
娘自身がルールのアイデアを出したことで、「困ったときはどう動くか」がぐっとクリアになったといいます。
ヒヨコ事件は“ほっこり宝箱”
今では中学生になった娘も、当時のトークを見返すたびに照れ笑い。「小さいころの“必死”が宝物みたいだね」と家族で盛り上がるひとときができました。
小さなスタンプひとつが親子の絆を深め、安心を育てる学びになったようです。