ヤンチャだった10代の頃。→その十数年後…農業を始めた結果「かっこいい」「応援します」 農業を始めたわけに迫る

ヤンチャだった10代の頃。→その十数年後…農業を始めた結果「かっこいい」「応援します」 農業を始めたわけに迫る
以前の様子(@fjp_fujiokaさんより提供)

高齢化と後継者不足が深刻化する日本の農業は、いま大きな転換期を迎えています。そんななか、農業を軸に地域の活性化をめざして立ち上がったのが、幼なじみ10人による会社「FJP」。クラウドファンディングにも挑戦中で、FJP(@fjp_fujioka)さんの投稿には「かっこいい」「応援します」といったコメントが多数寄せられています。今回は、そのFJPさんにお話をうかがいました。

幼馴染10人で始めた農業

農業を始める前は、経営者や外仕事、IT、パーソナルトレーナーなどさまざまな職業についていた幼馴染の10人。長い人は、16歳のころからずっと同じ職場で勤めていました。

農業を始めた10人(@fjp_fujiokaさんより提供)

幼馴染10人は、5年間、毎月1人1万円ずつ同じ口座に貯金し、そのお金で年に一度の旅行を楽しむという遊びを続けてきました。

1年で120万円。まとまったお金が貯まる中で、「このお金を“ただ遊ぶため”ではなく、もっと意味のあることに使えないだろうか」と、次第に考えるようになりました。

「何かほかに、やりがいを感じ人のためになるようなことができたら良いな」と思い、数年考えていたところ、代表の上岡さんが飲食店を経営していること、メンバーの白石さんが家族で農機具屋を営んでいることに着目し「地元で育てた農作物を飲食店に卸していこう!」と決断しました。

10人で始めた農業(@fjp_fujiokaさんより提供)

農業を始めてみたものの、誰も経験がなかったことに踏み込んだため、ノウハウやまともな運営をすることが難しかったといいます。また、ただ育てれば良いのではなく、作業の効率化や品質の向上など、大変なことはたくさんありました。

地元の方にも「無理だと思う」「やめとけ」と散々言われてきたのだとか。しかし、諦めない姿勢で取り組んだ結果、農家さんにも少しずつ認められて現状を打開しつつあるとのこと。

農業を始めて…(@fjp_fujiokaさんより提供)

一方で、良かった点は、田畑を借りたときに感謝されたこと。後継がいない、田畑を手入れする時間がない人が大勢いたことに驚いたといいます。「使ってくれてありがとう」という言葉にもやりがいを感じ、荒れた田畑が想像以上に多い現実に触れ、いまでは「耕作放棄地の再生」を本気の使命として取り組んでいます。

さらに、地域の人と繋がりが増えたことも良かった点だといいます。

「若い頃は迷惑をかけることも多くて、正直、地域の集まりは避けがちだったんです。でも大人になるにつれて『町をもっと元気にしたい!』って思うようになってから、『町をこんなに大事にしている大人がこんなにいるんだ!』って気づいて。そこから改めて、たくさんの方と関われるようになりました。」

幼馴染10人で(@fjp_fujiokaさんより提供)

会社設立から農作業に取り掛かるまでは、かなりスピーディーでした。設立してすぐSNSを始めて、わずか2ヶ月でフォロワー1万人を超えるまでに成長、周りの人もびっくりしていたといいます。同時に多くの人から応援の連絡が来るように。現在FJPさんが作業している5割の田畑はSNSを通じて連絡してもらったものなのだそう。FJP のメンバーは「自身の活動を発信していき農業をより “かっこいい仕事” と感じてもらう入り口にしたい」と語り、新しい世代を巻き込む挑戦を続けています。

「農業×SNSは、従来のやり方ではないですが、新しい方法を取り入れて、もっと田畑を日本で有効活用できるようしていきたいです」

FJPさんにとって、地元は「大人になっても繋がれる唯一の場所」。

「人口の多い街や栄えている街ですと、新しい友達ができたり、いろんな遊び場があると思いますが、逆に地元の町は何もありません。ないからこそ、ずっと仲間と一緒に何かしたり、毎年恒例行事のように年越しは同じ店で飲んだりと、生活の一部になり思い出を作ってくれます」と教えてくれました。

今後の目標について「藤岡町を農業で盛んな街にすることです。5年後には栃木一の農家になることを目標にしています。拠点は藤岡町です。若者が農業をかっこいいと思い、自ら選んで働けるような…新しい物を取り入れた農業の改革をしていきます」とFJPさん。

さらに「藤岡町でのイベントをFJPが作り上げたいと思っています。今は大人の方が頑張って花火大会や祭りごとを計画、運営をしてくれてますが、若者の姿が見れません。数年後FJPが大きい企業になりSNSも大きくなっていく過程で恩返しの一環として藤岡町でイベントをできるようにしていきたい。そして藤岡町に来る人を増やして、この町の良さが伝わるようにしていきたいです」と話していました。

農業から藤岡町の良さを広げていきたいと話すFJPさん。これからの活動が楽しみですね。

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