子どもの “一生懸命さ” は、時に大人の想像を軽々と飛び越えます。
「思わず、玄関で固まっちゃって…」
そう語るのは、30代・パート主婦のミカさん(仮名)。
パートを終え、いつものように玄関のドアを開けた瞬間、目に飛び込んできたのは小学4年生の娘さんが机に残した一枚のメモでした。
そこには、ちょっとズレたけれど健気な “外出宣言” が──。
パート帰りの母を焦らせた一枚のメモ
「『お母さんへ ◯◯公園へ行ってきます。14時に家を出ます。』って書いてあって。
――え、帰る時間じゃなくて出発時間!? って、思わず吹き出してしまうとともに開いた口がふさがりませんでした(笑)」
娘さんにお願いしていたのは「何時に帰るかを書いておいてね」ということ。
ところが残されていたのは “出発時刻”。
このままでは、ほかの兄弟の習い事送迎の時間とかぶるかもしれない──ミカさんは一瞬で算段を始め、内心ドキッ。
娘が時間を書き間違えたワケ
仕事や家事でバタバタしがちな夕方、母のお願いを思い出した娘さんは「メモを残さなきゃ!」と急いで鉛筆を走らせたそう。
「遅れちゃ大変、って気が焦ってたみたいで。時計を見て、とっさに ”今” の時刻を書いちゃったらしくて…」
実はその日、公園で友だちと待ち合わせをしていた娘さん。
『急いでメモ→すぐ出発』の流れで、帰宅時間のことは頭からすっぽり抜けていたのだとか。
それでも “母の指示を守ろう” とメモ自体は残した姿勢に、ミカさんは「偉いなぁ」とほほえんだと言います。
玄関で固まった後は…? 母の心配ごと一気に解決!
とはいえ、その場では “いつ迎えに行けばいいの!?” と真剣に焦ったミカさん。
急いで娘さんのスマホに連絡を入れつつ、兄弟の送迎プランを脳内再構築。
「母の頭の中、まさに時刻表状態でした(笑)」
帰宅後に事情を聞くと、娘さんはケロッと「だって急いでたんだもん!」。
ミカさんも「うっかりは大人でもあるよね」とすっかり苦笑いです。
根付いた新ルール
この一件以来、メモの“必須三要素”が誕生。
・誰と遊ぶか
・帰る時間
・行き先
ミカさんが再確認すると、娘さんは素直に「了解!」。
以来、メモにはしっかり三要素がそろい、書き間違いゼロに。
ミカさんも玄関で固まることはなくなったそうですよ。
うっかりも思い出に。日常がくれる小さな “笑い” と “成長”
「子どもって、本当に面白いですよね。完璧じゃないところも愛おしいし、ちゃんと成長も見える。今回のメモ事件も、きっと忘れられない思い出になると思います」
“出発時刻メモ” がもたらした、ちょっと焦った、でも温かいひととき。
ミカさん親子の日常は、今日も小さなハプニングと笑いに彩られています。
