海に行くと、さまざまな色や大きさの貝殻を見つけることがあります。キラキラと綺麗な貝殻を集めた経験のある人もいるでしょう。貝殻を使ったアクセサリーを制作している、貝殻と人魚さん(@kaigaratoningyo)が、スーパーで買ったサザエを磨いた結果をXに投稿すると「真珠の輝き」「素敵です」「欲しい!」などのコメントが寄せられ話題になっています。
貝殻アクセサリーについて、貝殻と人魚さんに話を聞きました。
サザエを磨き上げるまで
貝殻は炭酸カルシウムが主成分で、サザエには真珠層が含まれています。そのため、スーパーで買ったサザエを磨こうと思った貝殻と人魚さん。サザエの仲間の「ヤコウガイ」にも真珠層があり、真珠層を活かした螺鈿細工が正倉院に宝物として奉納されているといいます。
サザエを磨いて綺麗になるまでにかかった時間は約2時間。磨き上げたサザエは美しく輝いています。

サザエを磨く手順について、次のように教えてくれました。
真珠層は貝殻の内側にあり、まずは貝殻の外側(表面)だけを溶かすため、内側に酸性洗剤が流れ込まないように殻口に油粘土を詰めます。油粘土は100円均一のもので可能です。
次に、粘土を詰めたサザエを保存容器に入れ、酸性洗剤を全体に行き渡るように注ぎます。全体がつかるぐらい入ったら、浸け置きします。すると、泡が勢いよく発生します。
10分おきに取り出し、溶けた部分を手袋をした指でこすり水で洗い流します。洗ったらまた洗剤を足しながら浸け置きします。
その後、溝部分など細かい部分はリューターで削り落としていきます。なお「リューターで削らなくても充分綺麗だと思います」と話していました。
照明の上に置くと「貝殻ランプ」にもなるそうです。
綺麗になったサザエを見た貝殻と人魚さんは「やっぱり貝殻は美しいなと感じました。自然の造形美ですよね。無心で磨く作業が楽しくて癒しの時間です」と話していました。

貝殻の魅力
貝殻と人魚さんは、生物学を専攻するほど生物が好きでした。2020年からは「タコナクション」というタコアクセサリー作家としても活躍し、生物の造形美をテーマにしています。貝もタコと同じ軟体動物で、生物の造形美に魅了され、2024年11月にサブブランドを立ち上げました。独立前から貝殻専門店に勤めて専門知識を深めながら貝殻の魅力にとり付かれたことも大きなきっかけだといいます。

今後挑戦してみたいことについて「貝殻アクセサリーを通して“世貝”の広さを伝えたい」と話す貝殻と人魚さん。


「貝は地球上で昆虫に次いで種類が多く、世界に10万種以上いるといわれています。空中以外どこにでもいて、大きさもミリ単位から1m以上、形も色も多種多様です。そんな貝殻の面白さや多様さ、美しさといった“世貝”の広さを作品を通して伝えたいです」と教えてくれました。

また「『可愛い』『綺麗』をきっかけに知り、生物の楽しさや自然保護にも関心を持ってほしい。そんな一翼を担う作家を目指しています。販売ページには貝の学名や加工前の写真を掲載しています」と話しています。
これからの貝殻と人魚さんの作品も楽しみですね。とても美しい貝殻アクセサリーでした。