岡山県北の地で1955年創業した院庄林業株式会社は、製材・集成材・プレカットの工場を設立後、立木事業に着手しています。植林・伐採から住宅販売まで一貫した事業を展開し、工程の無駄を省き、品質の向上と安定供給を目指してきました。

平成24 年(2012)に社長に就任した、武本哲郎さんに話を聞きました。

岡山県津山市の集成材工場(久米工場)

技術革新で全国へ

創業者は鏡野町から津山市院庄に移り、ヒノキ丸太を製材する会社を立ち上げました。

創業から20年経った頃、製材の機械化・大型化を目指し、集成材工場を作りました。その際、木の水分を抜き乾燥させてから使う「乾燥材」の開発に取り組みました。

木材は水を含んでいるので、時間とともに水分が抜けていくと、ねじれや割れ、縮み、ゆがみの原因になります。

乾燥材の開発で会社の知名度が上がりました。平成時代にさらに大型化が進み、工場は市内だけでなく静岡県、さらには国外に進出しました。

プレカット工場内

最新のロボットが大きな板を持ち上げ、自動加工する様子

美作ヒノキの優れた点

ヒノキの産地は岐阜県、和歌山県が有名で、岡山県の美作ヒノキの知名度は、有名産地に及びません。そのため、乾燥材の開発で、有名産地に負けない活路を見い出しました。

今では、木造住宅の骨組みで、美作ヒノキの曲がりにくい品質が認められ、多くの大手住宅メーカーに出荷しています。

桧(ひのき)で作った丸い木の玉

電気カンナでの手加工

木材を世界に輸出したい

国内の産地では、多くのヒノキが伐採時期を迎えている半面、若い樹木が少ないです。このため、植林活動を続けています。

津山地域は森林資源が豊富なので、この環境を生かし、国内の需要に応えるだけでなく、海外に輸出できる体制を作りたいです。北欧などの輸出大国は、森林技術や伐採環境などが日本よりも優れ、国を挙げて森林環境を整えています。

海外の取り組みを見習い、輸出体制を整えて、美作ヒノキの良さを世界の人に知ってもらいたいです。

大型機械で伐採し、丸太を切る

大型機械だけでなく、手作業での加工も行う

持続可能な社会を目指して

木材は伐採と植林のサイクルを持続することで、二酸化炭素の排出を抑え、持続可能な社会を実現できます。木材の良さを広め、木材を使う環境づくりを続けていきたいです。

地域の特性を生かし、津山地域の森林環境の良さを、多くの人に広めていきたいです。

子どもたちとの植林活動

院庄林業株式会社 社員の皆さん

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