オリーブオイルといえばイタリア料理を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし今回、香川県小豆島のオリーブ農園、井上誠耕園(いのうえせいこうえん)から発売されたのは和風のだしを利かせた「だしオリーブオイル」。一体どんな味で、どんな料理に使えるのでしょうか。商品の特徴や開発のエピソードを、広報の斉藤仁美さんに聞きました。

小豆島にある井上誠耕園のオリーブ畑。小豆島は国内オリーブ生産発祥の地であり、オリーブの収穫量も国内No.1です(写真提供:井上誠耕園)

―だしが利いたオリーブオイルとは、どんなものですか
オリーブオイルと一緒にかつおやエビといった素材を炊き込んで、オイルにだしの香りや風味、栄養成分を溶け込ませたものです。「魚介としいたけ」「鰹」「海老」の3種類があり、「魚介としいたけ」は約1年前に、「鰹」と「海老」は2023年2月に発売しました。

「だしオリーブオイル」は全部で3種類あります

―どんな料理に合いますか
ぜひ和食に使っていただきたいです。ほうれん草のおひたしや焼き魚の仕上げにかけたり、うどんやお味噌汁、揚げ出汁豆腐などにも少しかけるだけで風味がよくなります。また「海老」は中華にもよく合います。チャーハンやラーメン、中華スープなどに使ってみてください。

和食に幅広く使える「鰹」。うどんやおにぎり、味噌汁などに(写真提供:井上誠耕園)

―和のオイルを作ったきっかけは
井上誠耕園ではこれまでに、ニンニクやショウガなど数多くのフレーバーオイルを展開しています。それは、体にいい上質なオリーブオイルを日常的に摂ってほしいという思いから。エキストラバージンオリーブオイルを常備しているという方も、毎日毎食それを使うわけじゃないですよね。そんなときにフレーバーオイルがあれば、より多くの料理でオリーブオイルを使ってもらえる機会が増える。新鮮でおいしくて体にいいオイルを楽しみながら使ってほしいという思いから、日本人になじみの深い和食に使えるオイルを開発しました。

中華料理にもよく合う「海老」(写真提供:井上誠耕園)

―油の少ない和食であえて油を使う理由は
和食ってヘルシーで体にいいイメージですが、塩分が多くなりがちな面もあるんです。かつ、炭水化物・タンパク質・脂質という三大栄養素でいうと脂質がすごく不足しがち。日本は油=悪というイメージが強いので、年齢を重ねるほど油を控えるようになってしまうんです。もちろん摂りすぎるのもよくないですから、普段使っている油を質のいいものに変えることで、いい油を日常的に摂取してもらえたらと思います。また、この「だしオリーブオイル」はだしの風味がしっかり利いているので、おひたしや焼き魚にこのオイルを使ってもらえれば醤油はほとんど使わなくても大丈夫。減塩にもつながるんですよ。

オリーブオイルと和風のだしを合わせる発想は、日本のオリーブ農園だからこそ生まれたもの

今までありそうでなかった和風のオリーブオイル。日本人の食生活に身近な「だし」を取り入れたことで、使える料理の幅も一気に増えそうです。普段の食事でもいろいろな油を使い分けることで、無限のバリエーションが楽しめるのかもしれません。

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