お世話になった人に日頃の感謝を込めて贈る「お中元」。一般的に東日本は7月上旬~15日まで、西日本は7月中旬~8月15日までが贈る時期とされていて、6月から各地で始まった商戦も、後半戦に差し掛かっています。そのなかの一つ、岡山髙島屋(岡山市)の福井健人課長に、今年の売り場の様子について聞きました。

お中元特設会場の様子 岡山髙島屋

岡山髙島屋では、6月8日から7月26日まで、8階に特設会場を設置し、約700点の商品を展示しています。そうめん、ビールなどの定番商品はもちろんのこと、地元のものを贈りたいという思いから、岡山の白桃や果実を使った商品も売れ筋です。

岡山のギフトは通路から目立つ位置に置かれている

6月のお中元売上は、前年比約5%増を記録するなど、まん延防止等重点措置の影響を受けた2021年よりも、客足が戻りつつあるということです。

(岡山髙島屋 食料品売場 福井健人課長)
「(店舗全体の)入店客数も改善しつつあります。あとはコロナ前の売上にどれだけ戻せるか、というところですね」

なかでも、例年にない売れ行きを示しているのが、ゼリーやシャーベットなどの冷たいお菓子。梅雨の期間が短く、暑さを感じている人が多いことが要因とみられています。

(岡山髙島屋 食料品売場 福井健人課長)
「これだけ(売上)上位に、岡山特産の桃のゼリーも含めて水菓子が上がってくるっていうのは、ここ数年には見られなかったです。やはりこの梅雨が空梅雨だったというのが大きく影響していると思います」

凍らせることができるゼリーも人気

ゼリーやシャーベットは、店舗の売り場よりも特にオンライン注文でよく売れていると言います。これには、店舗を好む中高年層と、オンラインを好む若い層という、客層の違いもあるということです。

また、最近ではお世話になった人への贈り物としてだけではなく、自宅用の需要も徐々に増えてきており、キャンプ飯や冷凍ケーキなど、お中元のイメージにはなかった商品も、カタログにはたくさん並んでいます。

「温めるだけ」「焼くだけ」など気軽に持ち寄れるフードが特集されている

(岡山髙島屋 食料品売場 福井健人課長)
「人と人とのつながりは、このコロナ禍で少なくなったと思うので、そういったときこそ、お中元を贈り合っていただけたら。久しぶりの電話もあるでしょうし、直接渡して挨拶ということもあるでしょうし。まだまだそういったことが難しい世の中かもしれないですけど、人と人とのお付き合いのなかでのギフトも一つの文化ですので、そのお手伝いができればなと思っています」

岡山髙島屋では、客足のピークは今週末ごろまでとみています。ゼリーや果物など、季節の商品は品切れが出始める可能性がありますが、ビールやそうめんなどの定番商品は、まだまだ余裕があるということです。

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