ドイツの玩具メーカー・シュライヒ社が作る、リアルかつ精巧で高品質な恐竜や動物のフィギュアは、ドイツやイギリスを始め、世界50か国以上で販売。子どもから大人まで、多くのファンの支持を集めています。そのシュライヒ社が世界で初めて公認したコンセプトカフェが、香川県さぬき市にあります。

【写真】迫力満点、恐竜たちのフィギュアがずらり

世界にここだけ!シュライヒカフェ

子どもに人気の恐竜、ティラノサウルスやヴェロキラプトルの巨大フィギュアが、カフェを訪れる人を大迫力で出迎えます。

恐竜だけでなく、動物のフィギュアも取り扱うシュライヒ。パンダももちろんシュライヒの巨大フィギュアです

カフェのメニューも恐竜づくし。恐竜好きの子どもたちが楽しめるために考案された「恐竜火山カレー」「ティーレックスドッグ」など、恐竜にちなんだメニューが並びます。「化石発掘ケーキ」は地層や化石に見立てられたティラミスやチョコのケーキで、食べながら“発掘”することができます。

カフェ併設のショップは、シュライヒのフィギュアを始め、日本国内で生産されたシャツや鞄などのライセンスグッズも並びます。カフェ訪問を機に、フィギュアの魅力の虜になった人もいます。新作が出る度にカフェに訪れたり、動物シリーズを全てそろえた強者もいるとか。

ずらりと並ぶ恐竜フィギュア。人気はモササウルス、ティラノサウルス

シュライヒのファンだからこそ持つ“情熱”を生かして

カフェのはじまりは、合同会社シュガーヒルズの村上貴継さんが、シュライヒの日本ライセンシーだったことがきっかけでした。

「昔からシュライヒのファンでした。友人の縁あってシュライヒジャパンにグッズ展開のアドバイスをしていたのですが、後にライセンシーになれて『やった!シュライヒできる!』と嬉しかったですね」

村上貴継さん。カフェに併設されたショップコーナーにて

そして、前職で共に働いていた上野理絵さんに協力を依頼し、2020年4月にカフェ・イベント部門がオープンし、今に至っています。店長を務める上野さんは、自身の育児経験から「子ども連れでゆっくりできる場所を提供したい」と思い、店のコンセプトを設定しました。

店長の上野理絵さん

店内を走り回る子どもを想定して、机と机の間にゆとりをもたせるなど、設計に育児経験を取り入れました。キッズルームで遊ぶ子どもたちを見守りながら、大人がゆっくり飲食できる半円形の席は人気です。

窓の向こうはキッズルーム。子どもを見守りながら、大人もゆっくり飲食を楽しめます

“恐竜まみれ”の、ものづくり精神を発揮!

村上さんと上野さんは、シュライヒ社のこだわりを受け継ぎながら、ライセンスグッズ制作にも勤しんでいます。

村上さんはグッズの販路を全国へと展開。福井県立恐竜博物館、兵庫県立人と自然の博物館などのミュージアムショップや、全国各地の関連店と連携し、通信販売大手の千趣会ともタッグを組んでいます。

大人気のモササウルスのグッズも並びます。日本国内で製造するのがこだわりだとか

「地方から発信するのがいいんですよ」と、村上さんはさぬき市から日本・世界へと発信することに、面白さを感じています。

精巧な作りはもちろん、雄と雌を作り分けたり、足の裏までしっかりと1体ずつ手で塗るなど、シュライヒの“こだわりの技”に魅了された村上さん。ファンだからこそ持つ情熱が、自身の持つ『ものづくり』と結びつき、充実したライセンスグッズの誕生に繋がったのでしょう。

シュライヒのフィギュアに関して熱く語る村上さん

恐竜フィギュアで地域活性化を

さらに2人は地元で、恐竜やシュライヒのファンの心を掴むイベントを企画・展開しています。地元の施設で行われた夏休みイベントにも、恐竜の巨大フィギュアが登場。スタンプラリー、ワークショップなど、恐竜に関する遊びが満載のイベントで大好評でした。

さぬき市にある「門入(もんにゅう)の郷・椿の城」で開催された『恐竜たちの城に潜入せよ!』の様子

カフェやグッズ製造販売とはまた一味違う“地域活性”という新しい道に力を注いでいる、村上さんと上野さん。田畑が広がるのどかな雰囲気が漂う場所で“恐竜まみれ”になりながら、2人の新しい『ものづくり』精神はこれからも発揮されることでしょう。

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