2月22日は「猫の日」ということをご存じでしょうか?

「2、2、2」を「にゃん、にゃん、にゃん」にちなんで猫の日制定委員会が1987年に制定したものです。

そんな2月に住宅関連の取材を進めていると、「猫のために家を建てた人がいる」とか「猫専用の部屋を作った人がいる」といった話を耳にしました。どちらも同じ工務店が手がけたとのこと。猫好きの筆者としてはどんな家なのか気になってウズウズ。そこで今回は通称「猫ハウス」(勝手に命名)を建てた株式会社大洋ハウジング(代表取締役社長小池勉)を訪れ、猫と人が快適に暮らすための家づくりとは?をテーマにお話を伺ってきました。

まずは大洋ハウジングの紹介から

株式会社大洋ハウジングの小池勉社長。コロナ禍でもステイホームを楽しめる空間をプランニングし、香川県のがんばる企業に選出された。

香川県丸亀市を拠点に、県内外の注文住宅を手がけています。すべての家は長期優良住宅を標準とし、その上に施主のこだわりをプラスしていくのが大洋ハウジングの家づくり。また、営業、設計、施工をすべて自社でフォローしているのも特徴です。

これまで手がけた「猫ハウス」

「会社として、積極的に猫と一緒に住む家を宣伝しようとしたわけではなく、自然とそういうニーズが重なったんですが、そこはお客様の大切な“こだわり”。大切にしたいもののために、建築がどうあるべきかを考えながら、お客様と一緒に作っていきました」と小池社長。

“愛する猫と一緒に暮らすからこそ、お互いが心地よくありたい。”

そう願う施主の思いが、どの家にも散りばめられているといいます。

猫専用の部屋の近くにシンクを作って、体を洗いやすいようにしたり、猫モチーフの取っ手を採用したり、猫の特等席を作ったり・・・。猫の心地よさも、人の快適性も考えて作られた家ばかりです。

お施主さんが探してきたという猫型のドアノブ。開けると鈴が鳴る仕掛け。(写真提供:株式会社大洋ハウジング)

「何をどこまでするかはお客様の価値観です。だから、一棟一棟すべて違いますし、猫と住むにはこれがベスト、という明確な答えはありません。お客様の猫に対する愛情を、お客様ごとに形にしていくことが私たち工務店の役割だと思っています」

数々の想いをヒアリングしながら、何棟もの猫ハウスを建てた大洋ハウジング。

その経験をもとに、猫の習性を踏まえた設計のポイントについてお聞きしました。

猫と一緒に暮らすための家づくりのポイント

個性豊かな保護猫たちもすっかり家族の一員に。

■キャットウォークで運動不足を解消
家でいる猫は運動不足になりがち。そんなときは、キャットウォークがあるといいでしょう。猫は高いところが大好き。ステップで高いところまで上がれるようにしてあげれば、上でくつろいだり、上り下りして自由に運動します。これが猫のストレス解消になります。

また、室内を自由に動き回れるよう、行き止まりをなくした回遊できる動線を確保することも効果的です。

■消臭・換気を取り入れてトイレは衛生的に
猫はきれい好きで知られていますが、トイレは特に気を使いたい場所。飼っている頭数プラス1のトイレが必要です。1匹なら2個、3匹なら4つのトイレを配置します。

そうなると広い場所が必要なので、収納下などを利用するといいでしょう。収納スペースには猫砂やシートなどをストックしておくことができ、トイレの掃除もスムーズです。

また匂いがしないようにトイレコーナーには換気扇をつけたり、エコカラットなど消臭効果のある壁材を使うなどして、清潔なトイレ空間にしておきましょう。

壁にステップをつけてオリジナルのキャットタワーが完成。最上部には猫専用の窓があり、外を眺められるように設計されています。(写真提供:株式会社大洋ハウジング)

■特等席は陽だまりができる場所を
猫は暖かい場所を好みます。あたたかな光が入る窓辺に猫専用の空間を作ってあげましょう。静かな場所でぐっすりお昼寝してくれるはずです。

また、飼い主とのスキンシップも大切な時間。「リビングの窓側にソファを置いて、猫と一緒にくつろげるようにしておこう」など実際の暮らしを想定して間取りを考えましょう。

猫は窓辺が大好き。クッション性のある猫用ソファを置いておくとみんなが入れ替わりでお昼寝。

あるときは別の猫が窓辺の猫用ソファでくつろぎタイム。

■自由に移動できる猫専用通路があれば便利
既製品のドアには猫が通れるよう小窓がついたものがあります。ペットドアとかキャットドアといわれるもので、高さ30cm20cmほどの扉がある建具のことです。

「扉は猫が来たら都度開けてあげればいい」「猫の通る幅だけ開けっぱなしにしておけばいい」という人もいますが、頻繁になると開け閉めが面倒になりますし、開けっ放しは部屋の冷暖房の効きを悪くしてしまいます。猫が自由に行き来できる環境を整えつつ、人も快適に暮らすにはあると便利な建具です。

玄関からリビングに続く壁には猫専用通路が。「cat only」の文字もかわいい。(写真提供:株式会社大洋ハウジング)

■滑りにくい床材を採用する
床材にも、すべり止めを施したペット用のフローリングがあります。猫も犬も、つるつるすべる床の上で活動していると、余計な力で踏ん張ることが増えたり、転倒も多くなります。

そういった状態が長く続くと腰痛の原因にもなるため、最近ではペットがすべりにくい、ペット用フローリングを採用する人も増えています。また、硬さのあるフローリングなら、傷がつきにくいのでメンテナンスを楽に行うことができます。

猫と人のバランスを考えて設計する

株式会社大洋ハウジングの小池社長

「プランを考える際、まず引き出したいのは、猫と人のバランスです。飼い主がお世話を楽にしたいためなのか、猫が快適に過ごすためなのか、その比重によって設計は変わってきます」。

だからこそ、お客様との事前のコミュニケーションを大切にしているのだとか。

「いろいろ話していくうちに、考えがまとまってくることもありますからね。とにかく、後悔しないために、まずしたいことは最初にすべてピックアップしてもらうんです。そのあとに、一つひとつ吟味してどうするか決めればいい。お客様自身が納得して取捨選択することが大切です」。

猫と人が快適に暮らすために

四六時中家にいる猫。
猫と一緒に暮らすということは、当然責任も伴います。
犬や猫を飼う人のなかには、旅行を控えるという人も少なくありません。
そう考えると、日常こそ癒しであってほしいものです。

「うちで建てたお施主さんは猫の習性を熟知していましたし、なにより深い愛情が感じられました」。

猫の習性を尊重した空間と、飼い主のお世話が少しでも楽になる動線など、両者のバランスをとって、快適な「猫ハウス」ができたのだと。

「猫ハウス」まではできなくても、窓辺にスペースを作ったり、既存のキャットタワーをプラスするなど、愛猫家のみなさん、できることは取り入れてみてくださいね。

既製のキャットタワーを用いるのもおすすめ。(写真提供:株式会社大洋ハウジング)