生き物の世界では、時に人間の想像を超えるドラマが生まれるのかもしれません。
奄美の豊かな自然の中で暮らす、一羽の鶏が見せた“母の強さ”の物語。
飼い主である＠wanko-nyanko-Slow-lifeさんが、その様子をYouTubeに投稿すると「4羽も」「脱走中に！？」「癒された！」などのコメントが寄せられ話題になっています。
今回は、投稿の裏側について詳しく話を伺いました。
野良猫の襲撃とまさかの脱走
出来事が起きたのは、今年の6月のこと。
飼い主さんが飼育していた鶏のオスとメスが、ある日脱走していることがわかりました。
近所を探し回っても見つからず、約2週間後にオスの鶏が近隣の敷地で保護されます。
しかし、メスの姿はどこにもありませんでした。
「奄美にはハブが出るし、ハブにやられてしまったのでは」と不安に思っていた飼い主さん。
そんな中、さらに2週間ほど経ったある夕方、インターホンが鳴り「鶏が脱走してますよ。ヒナもいますよ！」と知らせを受けます。
家の裏に回ると、そこには脱走したメスの鶏と、4羽のヒナの姿が…！
ママ鶏の愛情と家族を取り戻す奮闘
「まさかヒナを連れて戻って来ているとは思わず、ただただビックリでした」と話す飼い主さん。
しかし安心したのも束の間、ママ鶏は一度捕まっても、ヒナを心配して再び塀を飛び越えてしまいます。
そのたびに飼い主さん夫婦で何度も捕獲を繰り返し、ようやくママ鶏とヒナたちを安全に敷地内へ戻すことができました。
「ママ鶏の愛を深く感じたときでした」と、飼い主さんは当時の出来事を振り返ります。
捕獲後、ヒナたちは家の中に用意した段ボールの簡易ケージで保護することに。
ところが、警戒心が強く、なかなか餌を食べようとしません。
そこで、ママ鶏と一緒に過ごせるよう鶏小屋の一角にスペースを作ると、ヒナたちは元気に餌を食べるようになったそうです。
命のつながりと、これからの発信
その後、鶏小屋では新たな変化もありました。
ママ鶏に続き、他のメス鶏たちも卵を温め始めたそうです。
今までは孵化器でヒナをかえしていたため「自然な形でヒナが誕生するかもしれません」と飼い主さんは話します。
今後も「我が家のわんことにゃんこと鶏の日々の様子と、奄美の自然の豊かさをお届けできれば」と語る飼い主さん。
動画を通して伝わるのは、命が持つたくましさと、自然の中で生きる美しさ。
“ママ鶏の奇跡”は、多くの人に小さな希望と温かい感動を与えたことでしょう。