「今日はクーラーいらないな」そう思って障子を開けると、そこには思いもよらない光景がありました。@lichemon5さんが、“自然からの贈りもの”のような光景がXに投稿されると「縁起いい」「運がいいですね」「羨ましい」などのコメントが寄せられ、話題となっています。
投稿者さんに当時の心境と、詳しい話を聞きました。
知らないうちに…
投稿者さんがスズメの巣に気づいたのは、季節外れの涼しさが訪れた2025年、7月11日の朝。
連日の暑さが和らぎ「今日はクーラーいらないな、外の空気を入れよう」と思って投稿者さんが障子を開けると…そこにいたのは、孵化して間もないスズメのヒナでした。

窓と雨戸の隙間というわずかなスペースを選び、しっかりと巣を構えていたのです。投稿者さんによると、西日が強かったため、2週間ほど雨戸を閉めたままにしていたのだとか。
スズメの巣に気づいた投稿者さんは「観察できるなんてラッキー!」と心を躍らせたといいます。

“驚かせない工夫”と静かに見守る日々
驚かせて親鳥が子育てを放棄しないよう、投稿者さんは数々の工夫を凝らしました。
まず、巣を覗き込まなくても中が見えるように、障子に穴を開け“観察窓”を設置。
さらに、先端に小型カメラがついた“ファイバースコープ”という機器を使って、物理的な距離を保ちながら巣の様子を観察できるようにするなど、親鳥を驚かせない工夫を重ねました。

さらに猛暑の日には、部屋にクーラーを入れることで巣の温度上昇を和らげようとするなど、スズメたちにとって快適な環境づくりに尽力したようです。
懸命に生きる命に胸を打たれる
「この時期はスズメの2回目の繁殖期。環境的に厳しいと、鳥類研究者の知人に聞きました」と、投稿者さん。
実際、巣にあった卵3つのうち、孵化したのはたった1羽でした。
それでも、そのヒナはしっかりと成長し、投稿者さんは「ただただ、無事に巣立ってほしいと願いながら応援しています」と温かく見守っています。

観察していて投稿者さんが最も驚いたのは「夜、親鳥が巣にいない」という事実。親鳥は夜も巣にいると思い込んでいたので、この発見には新鮮な驚きがあったそうです。
思いがけず出会ったスズメの巣。それは、人と自然との距離を縮めるやさしい物語でもありました。

