海で250個『空き缶』を拾った結果…→出来上がった”まさかのモノ”に「自由研究でやったら絶対優」「まさにリサイクル」「発想も出来栄えも素敵」

海で250個『空き缶』を拾った結果…→出来上がった”まさかのモノ”に「自由研究でやったら絶対優」「まさにリサイクル」「発想も出来栄えも素敵」
アルミ缶を拾います(@gogogominzokuさんより提供)

空き缶から生まれた鉄琴が美しい音色を響かせる。そんな驚きの動画が、SNSで注目を集めています。海で拾ったゴミで楽器を制作し、演奏をしている「海洋ゴミ楽器集団ゴミンゾク」代表の大表(@gogogominzoku)さんが、空き缶で鉄琴を作った様子をTikTokに投稿すると「自由研究でやったら絶対優」「まさにリサイクル」「発想も出来栄えも素敵」などのコメントが寄せられ、話題になっています。

ゴミから作る楽器について、大表さんに話を聞きました。

拾った空き缶で作る鉄琴

海洋ゴミから楽器を作り始めた最初のきっかけは、2019年5月に、ある企業から「海洋ゴミから楽器を作って演奏してほしい」と依頼を受けたことでした。

それまで大表さんは、子ども番組などで音楽工作のコーナーを担当していたり、自然の中にあるもので「石」「草」「木」「海」などの縛りを設けて、自然の物から出る音だけをサンプリングして音楽を作るという特殊な仕事をしていたりしたため、その能力を買われたようです。

今回投稿されたのは、空き缶で作る鉄琴。できあがった鉄琴は、空き缶から作られているとは思えないほど、きれいな音色を奏でていました。

拾った空き缶で作る鉄琴(@gogogominzokuさんより提供)
材料(@gogogominzokuさんより提供)

楽器作りへの思い

最初の依頼で実家の近くにある海に行った際、プラスチックごみの多さに衝撃を受け、これならもっと多くの楽器が作れるのではと感じたそうです。そして、素材のギャップから生まれる驚きが関心につながると考え、依頼後も制作を続け、2020年に仲間と“海洋ゴミ楽器集団 ゴミンゾク”を結成しました。

アルミ缶を拾います(@gogogominzokuさんより提供)

楽器が完成するまでには、3ヶ月から半年ほどかかります。稀に1日で作れるものもあるようですが、多くは時間をかけて作っているそうです。ゴミから作る場合、欲しい部品が見つからず、代用品の工夫や耐久性、音の調整に多くの時間と実験が必要になるのだとか。

完成(@gogogominzokuさんより提供)

最初は拾った物の形を活かしていましたが、現在は素材を分析し、アルミ缶やペットボトルキャップを溶かして部品を成形するなど、より本格的な加工へと進化しています。2年目に作ったギターはコード演奏が可能になり、音楽の幅が大きく広がったそうです。

ゴミを楽器に変えるアイデア

ゴミを楽器に変えるときには、ゴミ拾い中にインスピレーションを得ることもあれば、作りたい楽器を思い浮かべながら拾うこともあるといいます。また、世界中の民族楽器や加工技術も学び、先人たちの知恵から着想を得ているそうです。

「僕たちは先人が紡いできた技術の最先端の中で暮らしています。それらが“当たり前”でなかった時代に思いを馳せることで、物への感謝や、楽器作りのヒントが生まれることもあると考えています」と話していました。

ペットボトルキャップと割りばしでバチ作り(@gogogominzokuさんより提供)

今後について「これまでの技術を活かし、ピアノやオルガンのような複雑なからくりにも挑戦したい」と大表さん。

さらに「ゴミンゾクの目標としては世界中の海を巡り、その土地で拾ったゴミで楽器を作ってコンサートを開き、音楽を通じて国際交流をしたい」と語ります。

ゴミから生まれたとは思えない楽器の数々には驚きと感動を与えてくれます。今後も、大表さんの作る楽器が楽しみですね。

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