バスや電車などの公共交通機関で、子どもが泣いてしまったり体調不良になったりしてしまうと、親としては焦ってしまいますよね。
こじとみ(@mojitonton)さんがリムジンバスの車内での出来事についてXに投稿すると、1万いいね(2024年5月9日現在)が集まるとともに「素晴らしい」「あたたかい話」「私も同じようにしたい」「心温まる」「なかなか出来ることじゃない」などのコメントが寄せられ話題になっています。
このときの様子について、こじとみさんに話を聞きました。
リムジンバスの車内で
空港に向かうリムジンバスに乗っていたときのこと。こじとみさんの隣の座席で、パパに抱かれた2歳くらいの男の子が「お腹が痛いよ~」と言いながらワッと泣き出しました。
空港に着くまで30分程、車内はほぼ満席状態です。パパは「うるさくしてすみません…」と申し訳なさそうな様子。そこでこじとみさんは「いたいの飛んでけーで、やっつけてみる?」と男の子に聞いてみたところ、男の子は「うん」とうなずきました。
パパの了承を得て、男の子のお腹をさすりながら深呼吸を促すこじとみさん。すると、男の子はパパと一緒に深呼吸をしてくれました。
「じゃ、いっしょにおまじないしようか…」とこじとみさんが言うと、無言で静かにうなずく男の子。
「いたいの、いたいの、めっちゃくちゃとおいところへとんでけー!!」とおまじないを唱えていると…気がついたら男の子の涙は止まっています。「おなか、まだ痛い?」の問いかけに首を横に振る男の子。すると、泣きつかれたのか、男の子はパパのトントンで寝始めたのでした。
これには通路を挟んで座るママも安堵の表情だったそうです。
できる限り困っている人のサポートをしたい
ー男の子が泣いているときに他の乗客の方はどのような様子でしたか?
特に不愉快な感じをあらわにしている人はいなかったように記憶しています。
ー男の子に「いたいの飛んでけー」と声をかけられたのは、何かきっかけがあったのでしょうか?
私自身、息子がこの男の子くらいの年齢のときに、電車やバスでぐずってしまったことがあり、そのときに見知らぬおばさまにあやして助けていただいたことがあったのを思い出して、声をかけました。
「いたいのいたいの」は、わたしが幼いころに両親や祖母にしてもらって痛みが和らいだのを記憶しており、息子にも同じようにしていたので、それを思い出したのかもしれません。
ー男の子が泣き止んだとき、パパはどのような様子でしたか?
とてもほっとされたご様子でした。泣き止んだことより、お腹の痛みが引いたことに安心されたのでは?と推測しています。
ーバスから降りるとき、男の子はどのような様子でしたか?また、なにか言葉を交わしましたか?
男の子は、ちょっと疲れたのか眠いのか…という感じでしたが、お腹の痛みは忘れている感じでした。
そのご家族は先に下車されたので、男の子には「バイバイ」と声をかけるとエアグータッチをしてくれました。
ーバスから降りるときなどにパパや、ママと会話はされましたか?
パパさん、ママさんからは「ありがとうございました!」と言われたので、私からは「お大事に」とお伝えしました。
ーご自身がした行動についてどのように思いますか?
もしかしたらおせっかいだったかもしれませんし、冷静になってみると案外大胆なことしちゃったのかな?と思います。たまたまかもしれませんが、うまくいってよかったなと思っています。
ーこの体験を通して、何か意識していることや気持ちの変化などはありましたか?
特にありませんが、以前より「あのとき行動していればよかった…」という後悔の気持ちを抱くより、そのときに行動しようという気持ちが強まったかもしれません。
ー今後も子育てで悩む方と遭遇したときはどのように対応していきたいですか?
あくまでも「私の体験ベースで 」というお話であればお伝えできると思いますし、何を求められているかによるとは思いますが、できる範囲でその方のお困りごとに対してサポートしたいと思います。
ーこの経験を通して、同じような状況で悩む方にどのようなことを伝えたいですか?
人は誰かの体温を感じるとどこか安心する生き物なのだと思います。
今回の場合は、本当にたまたまコトがうまくいっただけかもしれませんが、一つ一つの要素を分解すると、かなり汎用性があると思うので、「親子の触れ合い」や「コミュニケーション」というところについて、今一度振り返ってみるとよいのでは?と思います。
男の子が泣いてしまったとき、パパもママも困っていたことでしょう。そんなときにこじとみさんのような対応をしてもらえると、とてもありがたいですね。