日本人の2人に1人は一生のうち何らかのがんになると言われているほど、私たちにとって身近な病気となっています。
そのなかでも大腸がんは肺がんに次いで多く、高齢になるほど発症率が高いとされています。そんな中、@film_by_monaさんは31歳で大腸がんステージ3と診断されました。
30代での発症は比較的稀と言われていますが、そんな経験をした@film_by_monaさんに、その思いを聞きました。
血便を「痔」だと思っていた…
@film_by_monaさんは、がんと診断される前から「実は血便が何年も前から出ていました」と振り返ります。
はっきりと「いつから」というほど明確ではなく、気づいたときにはすでに続いていたような感覚でした。トイレットペーパーに少し付着する程度の出血だったため、当時は「痔だろう」と思い込み、深く気に留めずに過ごしていたといいます。
そこで念のため、痔の検査を予約。その1〜2ヶ月ほど前から、食事のたびに腹痛を感じるようになりましたが、強い痛みではなく、なんとなく違和感がある程度だったといいます。
ところが検査を受ける1週間ほど前に、これまでとは明らかに違う激しい腹痛がありました。同時に下痢や嘔吐もあり、冷や汗が出るほどで、そのとき初めて@film_by_monaさんは「これは何かおかしいかもしれない」という気持ちになります。
激しい腹痛があった数日後、もともと予約していた痔の検査へ。痔だと思っていると、医師から「痔ではなさそうですね。一度大腸カメラをやりましょう」と言われ、大腸内視鏡検査を受けることになります。
告げられた大腸がんステージ3
検査では、途中でS状結腸の部分に約5cmほどの大きな腫瘍が見られたため、それ以上カメラを進めることができず、検査はそこで終了しました。そこで医師から「とにかく早く大きな病院で診てもらってください」と紹介状を渡されたそうです。

その帰り道、それまで痔だと思っていたものが違ったことに驚き、頭の中が真っ白になったという@film_by_monaさん。
その後、大きな病院でCT検査を受け、その結果をもとに医師から「おそらく大腸がんステージ3の可能性が高い」という見解を伝えられます。ただ同時に、医師からは「術後療法もしっかり行い、きちんと向き合えば大丈夫ですよ」という言葉もかけてもらったそうです。
その後@film_by_monaさんは、さらに詳しい検査結果が出るまでの1週間を過ごし、改めて説明を受け「大腸がんステージ3」の診断が確定しました。

腸の手術と抗がん剤治療
@film_by_monaさんは、まず腫瘍を含む腸を約15cmほど切除し、その後腸をつなぎ合わせる手術を行いました。手術は腹腔鏡で行われ、人工肛門(ストーマ)はつけずに済んだといいます。
その後、再発予防のために抗がん剤治療を3週間に1回のペースで、合計8クール行うことに。2024年7月から2025年1月まで治療を続けました。
治療のなかで一番つらかったのは、抗がん剤の投与について自分で判断しなければならなかったこと。医師からは抗がん剤を受けた方がいいと言われたと同時に、投稿者さんのケースにおいては「再発の可能性を減らせるのは10%程度」という説明も。

その言葉を聞いたとき「その10%のために強い薬を体に入れるべきなのか」と@film_by_monaさんは悩んだといいます。それでも、その10%の希望に賭けたいという思いもありました。
また、抗がん剤の副作用もつらく、足の裏が赤く腫れて皮が剥け、歩くのが難しいほどの痛みも。手足の指先は常にしびれている状態でした。
さらに、薬の影響で冷たいものに触れるとビリっと痛みが走る症状もありました。抗がん剤治療のために生理を止めていた影響でホットフラッシュも起き、肌の黒ずみも目に見えて現れたといいます。鏡を見ることさえ怖く感じることもありました。
書くことで整理された気持ち、支えになった言葉
治療のなかで@film_by_monaさんの精神的に支えになっていたのは、書くことでした。
自分の心の声を書いて可視化することで、自分自身で納得して選択できるようになったといいます。また、何がつらいのかを書き出すことで気持ちが整理され、少しずつ@film_by_monaさんの心は軽くなっていきました。

現在は経過観察中ということもあり、無理をせず、自分の体調と相談しながら仕事や生活をしています。
仕事ではインタビュー映像の制作を行っています。また、抗がん剤治療を終えて1ヶ月後からは、以前からずっとやりたかったことの一つであるダンスにも通い始めました。
病気を経験したことで気持ちに変化が生まれ、ダンスのようにやりたいことを後回しにせず、まずは挑戦してみようと行動できるようになったといいます。また、自分自身をよく見つめ、自分の声に正直に生きられるようになったと明かしました。
これからも自分の生きた証を残し続けたい
もともとフリーランスの主婦として発信する側だった@film_by_monaさんでしたが、SNSを通しての人間関係が少し難しく感じたこともあり、SNSから離れていた時期がありました。
がんと診断された当時もSNSから離れていたこともあり、うわさのように病気のことが広まるのが嫌で、それなら自分の言葉で伝えたいと病気についての発信を開始します。

発信を続けるなかで大きな心の支えとなったのは、同じような境遇の人と出会い、言葉をやりとりしながら励まし合えたこと。また、実際に会ったことのない人や身近な人からの応援の言葉の一つひとつが、治療と向き合うなかでの支えとなりました。
@film_by_monaさんは「がんになったという出来事だけを見ると、決してよいこととは言えないかもしれません。それでも私にとってその時間は不幸ではなく、多くの気づきや学びを得る時間でした。これからもその経験を大切にしながら、自分の人生を生きていきたいです」と語ります。
そうした経験から、これから挑戦したいことは「もっと自分であることを楽しむ」こと。また、自分の人生を残すために映像を作り続けていくことです。
最後に「自分が生きた証を残すことで何かに気づいてくれる人がいたり、今抱えている問題や病気と前向きに向き合ったりするきっかけになれたら嬉しいです。だからこそ、これからも自分の生きた証を残し続けたいです」と話していました。
@film_by_monaさんにとって支えとなったのは、同じ病気を経験した人とのつながりでした。現在はSNSなどを通じてつながりを持つこともできます。こうした交流によって、病気と一人で向き合っているわけではないと感じられる人もいるのかもしれません。

