関節に違和感を覚え、病院を受診した結果「何度も憎みました」告げられた病と、それに向き合う様子に迫る

関節に違和感を覚え、病院を受診した結果「何度も憎みました」告げられた病と、それに向き合う様子に迫る
エーラスダンロス症候群の症状④(@301pon.edsさんより提供)

国の指定難病「エーラス・ダンロス症候群」は、関節が柔らかい病気として知られることがありますが、実際にはいくつかの型に分類され、個人差はあるものの、さまざまな合併症が見られる病気です。

エーラスダンロス症候群と診断された@301pon.edsさんは関節の柔らかさに加え、全身関節の脱臼、皮膚の過伸展、頻脈、胃腸障がい、睡眠障がいなどの症状が見られます。

「この病気は関節が柔らかいだけではないこと、そして少しでも病気について知ってもらいたい」と、@301pon.edsさんはSNSで発信を続けています。その思いを聞きました。

幼い頃から続いていた原因不明の症状

@301pon.edsさんは3~4歳のころ、股関節の痛みで突然歩けなくなったり、夜中に痛みで泣き出したりすることがありました。保育園では、ジャングルジムをつかむ指の柔らかさに先生が驚いたこともあったそうです。

保育園のときの症状(@301pon.edsさんより提供)

こうした症状は保育園の頃からありましたが、中学生になるとさらに強くなっていきました。立ちくらみや頻脈、胃腸の不調、関節の痛みが増し「将来は人工関節になるかもしれない」と不安を感じることも。学校生活も大変で、保健室を利用することが多かったといいます。

高校に進学してからも体調不良は続き、股関節を痛めて手術を受けました。さらに足首も脱臼するようになり、こちらも手術に。全身の関節の痛みや脱臼、手術を何度も経験するなかで異変を感じ、紹介状をもらって専門病院を受診しました。

そして、ようやく「エーラスダンロス症候群」と診断されたのです。

中学生のときの症状(@301pon.edsさんより提供)

「エーラスダンロス症候群」と診断、見えた安心と新たな不安

診断がついたとき、頻脈や胃腸の不調、全身の関節の痛み、脱臼など、これまで続いていた症状の原因がはっきりし、とても安心したという@301pon.edsさん。その一方で、今後への不安も感じていたそうです。

介護士として働くことが大好きでしたが、医師から仕事を控えるよう言われ、働く場合は車いすでできる仕事を勧められたときには、戸惑いとショックを感じました。

また、同じタイミングでお母さんもエーラスダンロス症候群と診断されました。お母さんは50年以上、痛みや体の不調を「普通のこと」と思って過ごしてきたため、診断を受けたときは驚きが大きかったようです。

診断後には「あのときの症状はエーラスによるものだったのか」と思い当たることもありました。

エーラスダンロス症候群の症状②(@301pon.edsさんより提供)

診断当時について、@301pon.edsさんは「親子で難病と向き合うことになり…私たちだけ世界が変わった感じでした」と振り返ります。

車いすの使用とほとんどの関節に装具をつけての生活

@301pon.edsさんは17歳で両股関節と右足首の手術を受けました。その後も脱臼が再発し、18歳で左足首や左肩、両足首、右肩の手術を実施。さらに19歳で右足首と右膝の手術を受け、これまでに計9回の手術を経験しています。今後もあと3回の手術が予定されています。

エーラスダンロス症候群の症状③(@301pon.edsさんより提供)

日常生活で大変に感じるのは、症状について理解を得にくいことです。@301pon.edsさんは、靭帯や関節を傷めやすいため、主治医の指示で保護を目的に電動車いすを使用しています。

しかし、短い距離は杖で歩くこともあるため「歩けるならもっと歩いた方がいいのでは」と声をかけられることもあり、戸惑う場面もありました。

電動車いすでの移動(@301pon.edsさんより提供)

さらに、エーラスダンロス症候群を知っている病院、医師がとても少ないため、定期的に遠方の病院に受診しなければなりません。0.5㎏ほどの重さでも肩が脱臼してしまうことがあり、トイレットペーパーのような日用品の買い物も簡単ではないです。

また、日によって体調に波があり、痛みのためペンを持ち続けたり、長時間座ったり立ったりすることも難しいといいます。そのため就職の選択肢は限られており、生活には工夫が必要な状況です。現在は脱臼を防ぐため、足首や膝、肩、手首、指など多くの関節に装具を着けて生活しています。

支援を受けながら前に進む生活

病気との向き合い方について@301pon.edsさんは、困ったことや不安なことはそのままにせず、SOSを発するようにしています。

医療機関や役所、支援センターに相談して少しでも自分が暮らしやすく、生きやすいように支援を受けながら、一つひとつ問題を解決する行動をできるようになったことで「病気と向き合えてるのかな?」と考えられるようになりました。

また、同じ病気の友人との会話や、情報交換で日頃の悩みを発散させています。
「当事者だからこそわかることがあって、共感してくれる仲間がいることが心強いです」と明かしました。

「エーラスダンロス症候群」をもっと知ってもらうことを目標に

@301pon.edsさんは、エーラスダンロス症候群の疑いが出た際に病気について調べましたが、情報の少なさに驚いたといいます。不安が募り、毎晩インターネットで情報を探し続ける日々でした。

さらに、海外の論文を翻訳して情報を探したこともありました。
「知名度が上がれば早期発見につながる。情報が増えれば、私のように情報の少なさで不安になる人や、つらい思いをする人が減るかもしれない」
そうした思いが強まり、@301pon.edsさんは診断がついたら発信する側になろうと決意します。

発信については「こんな病気があることを知っていただけたらうれしいです」と話していました。

エーラスダンロス症候群の症状⑤(@301pon.edsさんより提供)

@301pon.edsさんの今後の目標は、エーラスダンロス症候群の知名度を高めること。エーラスダンロス症候群に限らず、難病はまだ広く知られていないと感じています。

まずは病気について知ってもらい、理解につながるきっかけを増やしていくこと。
「知名度が上がれば、治療法が見つかるかもしれないという期待を持ちながら、これからも発信を続けていきたいです」と話していました。

エーラスダンロス症候群は、関節が柔らかいという特徴だけでなく、さまざまな症状がある病気です。病名を初めて知ったという人もいるかもしれません。
病気についてわかりやすく発信している@301pon.edsさんの投稿が、エーラスダンロス症候群を知るきっかけの一つとなり、難病についての理解が少しずつ広がっていくことを願います。

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