料亭で…大激怒する客「なんだそれは!」→その内容に「凍り付いた」

料亭で…大激怒する客「なんだそれは!」→その内容に「凍り付いた」

ビジネスシーンや宴席でのコミュニケーションが活発に戻りつつある昨今。
久々の会食で気になることといえば、席次や箸使いなどの食事マナーではないでしょうか。

しかし、意外な落とし穴は「乾杯」の一瞬に潜んでいました。
今回は、よかれと思って取った行動が原因で、取引先の重役を激怒させてしまったという40代男性の体験談を紹介します。

和やかな空気が一変した「乾杯」の瞬間

今回体験談を寄せてくれたのは、自営業を営む40代の男性です。
当時、男性はまだマナーに関する知識が乏しく、取引先の社長との料亭での会食という重要な場面に臨んでいました。
商談も兼ねた食事会で、場の雰囲気は和やか。

これから親睦を深めようというタイミングで、最初の乾杯が行われようとしていました。
「失礼します、乾杯」

男性は明るく声をかけ、社長の差し出したグラスに向けて自分のグラスを勢いよく合わせに行きました。
しかしその瞬間、にこやかだった社長の表情が一変したのです。

「なんだそれは!」予期せぬ一喝に凍りつく

「カチン」という音が響いた直後、社長から飛んできたのは「なんだそれは!」という怒声でした。
男性は何が起きたのかまったく理解できませんでした。

ただグラスを合わせただけなのに、なぜ怒鳴られなければならないのか。
頭が真っ白になり、楽しいはずの宴席の空気は瞬時に凍りつきました。

社長の怒りの矛先は、男性の「グラスの位置」に向けられていました。
男性は無意識のうちに、自分のグラスを社長のグラスよりも「高い位置」からぶつけてしまっていたのです。

一般的に、目上の人に対してグラスを上から被せるように合わせるのは「自分が上の立場である」という非礼な意思表示と受け取られかねません。
「当時は本当に何も知らなくて…。自分がまるで社長に対して『目上の立場』であるかのように振る舞ってしまったんです」

必死の弁明と、冷や汗の後悔

「やってしまった」
理由を悟った瞬間、男性を襲ったのは激しい後悔と焦りでした。
このままでは商談どころか、今後の取引にも影響しかねない重大なミスです。

男性はその場ですぐに非礼を詫びました。
変に取り繕うことはせず「本当にマナーを知りませんでした。失礼なことをしてしまい申し訳ありません」と、無知であったことを正直に伝え、必死に頭を下げたといいます。

その真剣な様子が伝わったのか、あるいは悪気がなかったことがわかったのか、社長の怒りはしだいに収まり、その後の食事会はなんとか続けることができました。
しかし、男性にとってその夜のビールは、少し苦い味に感じられたかもしれません。

【専門家のコメント】乾杯時の「グラスの位置」について注意したいポイント

このようなケースについて、撫子Plus株式会社の鮎永 麻琴さんに話を聞きました。

乾杯は、宴席や会食の中でも最初に行われる、非常に象徴的なコミュニケーションの瞬間です。
言葉を交わす前に行われるため、相手への敬意や距離感が、動作そのもので伝わりやすい場面でもあります。
目上の人に対して、自分のグラスを相手より高い位置から合わせてしまうと、
意図せず「対等、あるいは自分のほうが上」という印象を与えてしまうことがあります。
これは本人の気持ちとは無関係に、
立場や上下関係を重んじる世代・文化では、強く意味づけされやすい所作だといえるでしょう。

■ 知っておきたい基本的な意識ポイント

乾杯の際に大切なのは、
「低くしなければならない」という形式よりも、相手を立てる意識です。
具体的には、
• 目上の人のグラスより、やや低い位置で合わせる
• 自分から無理に打ちにいかず、相手の動きに合わせる
• 深く被せるように当てず、軽く触れる程度にする
といった点を意識するだけでも、印象は大きく変わります。
動作を控えめにすることで、
「この人は場をわきまえている」という安心感につながります。

■ 必ず守らなければならない絶対ルールなのか

乾杯時のグラスの位置は、
法律や明文化された規則ではありません。
友人同士やカジュアルな場では、
そこまで厳密に気にする必要がないケースも多いでしょう。
ただし、
• 取引先との会食
• 目上の人が主役となる場
• 初対面や関係性が浅い相手
といった場面では、
「失礼に見えない行動」を選んでおくことが、結果的に自分を守ることになります。

■ 知らなかった場合の対処と受け止め方

今回の体験談のように、
知らなかったマナーによって場の空気が一変してしまうこともあります。
しかし、最も大切なのは、
その後の対応です。
• 言い訳をせず、素直に非礼を詫びる
• 悪気がなかったことを、誠実な態度で伝える
この姿勢が伝われば、
関係が完全に崩れるケースは決して多くありません。
むしろ、
「知らなかったこと」よりも
「どう受け止め、どう振る舞ったか」が、相手の記憶に残ります。

■ 所作は「上下」を示すためではなく「配慮」を伝えるもの

乾杯のグラスの位置は、
上下関係を強調するための動作ではありません。
本来は、
相手を尊重し、この場を大切にしています
という気持ちを、言葉以外で伝えるための所作です。
完璧にできなくても、
相手を立てようとする姿勢は必ず伝わります。

「知らなかった」では済まされない大人のマナー

「あのときは本当にヒヤリとしました」と振り返る男性。
友人同士のカジュアルな席であれば、グラスの位置が話題にのぼることは多くありません。一方で、ビジネスシーンや礼節を重んじる場では、一つひとつの動作がその場の空気感や相手への印象に影響を与えることもあります。

本人が意図したかどうかにかかわらず、振る舞いによって受け取られ方が変わるケースは珍しくありません。今回の事例は、日常の何気ない動作の中にも、場面に応じたさまざまな作法があることを改めて示しています。

【監修者】撫子Plus株式会社 鮎永 麻琴さん
※本記事は、個人の体験談および専門家の見解をもとに構成しています。体の感じ方や原因には個人差があり、すべての人に当てはまるものではありません。

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