家を訪れる小さな来訪者が、家族に温かな笑顔と勇気を届けてくれることがあります。
毎年ツバメが巣を作るというroco♪(@daichi_roco888)さんの体験談は、2023年9月に紹介した際も多くの読者の心に深く響きました。
雛のピンチを救おうと奮闘したあの夏から約2年。
ツバメたちは再びroco♪さんのもとへ帰ってきたのでしょうか。
命のつながりと感謝に溢れた、その後のストーリーをお届けします。
異変を知らせにきた親ツバメと懸命な救出劇
以前紹介した体験談は、あるツバメの夫婦がroco♪さんの家に巣を作ったことから始まりました。
この夫婦は非常に警戒心が強く、人が近づくとすぐに逃げてしまうほど敏感だったといいます。
しかし7月のある晩、親ツバメたちは逃げるどころか、ピチュピチュと必死に訴えかけるような声を出し、roco♪さんを呼び止めたのです。
roco♪さんは、どうしたの?何かあったの?と聞き返しながら、雛の異変に直ぐに気づいたそうです。
連日の暑さのせいか、巣から落ちてしまった雛たちはぐったりとしていました。
roco♪さんは、人間のニオイがつかないよう手袋をはめ、脚立を使って一羽ずつ巣へ戻します。
大きな音をたてても親ツバメは逃げもせず、それどころか一連の流れをずっと側で見守っていました。
ハンモックで守られた命と旅立ちの日の光景
一度は巣に戻したものの、暑さのあまり雛たちは再び外へ飛び出してしまいました。
そこでroco♪さんのご主人が機転を利かせ、ダンボールをハンモック状にして巣のすぐ下へ取り付けました。
中にはクッション代わりとしてチモシーを敷き、落下の衝撃を和らげる工夫を施しました。
親ツバメが世話をしてくれるか不安もありましたが、なんとか大丈夫だったようです。
暑さや落下の衝撃もあり、最終的に巣立ったのは一羽だけでしたが、その子は元気に空を舞うまでに成長しました。
印象的だったのは、巣立ちの後の光景です。
親戚一同かと思うほど大勢のツバメたちが連日遊びに来て、まるでお礼を言っているかのように賑やかに過ごしていたといいます。
roco♪さんは、ツバメの愛をたくさん感じたと温かな言葉を寄せてくれました。
再び訪れた春と新たな場所で作られた家族の絆
前回の記事から2回の春がすぎ、roco♪さんのもとには嬉しい報告が届きました。
今年もツバメたちが帰ってきたのです。
最初は以前と同じ場所を何度も確認していましたが、どこか不安な要素があったのか、今年は別の場所に新居を構えました。
そこで育まれた命は、かつての困難を乗り越えたかのように、6月には5羽すべての雛が無事に巣立つことができました。
roco♪さんは、雛たちがいっせいに大空へ羽ばたく感動的な瞬間にも立ち会うことができました。
驚いたのはその直後です。
5羽が飛び立った後、どこからともなく仲間たちが駆けつけ、気づけば庭には23羽ものツバメが集まっていました。
賑やかにお喋りをするその様子は、まるで親族が勢揃いして、新米ツバメたちにエサの取り方や敵から身を隠す方法など、生きる知恵を伝授しているかのようだったと振り返ります。
冬の庭に現れたシロハラさんとの静かな交流
ツバメたちが旅立った後の静かな季節にも、新たな出会いがありました。
2025年の2月初めの早朝、庭に落ちていたドッグフードを食べるグレー色の鳥を見つけたroco♪さん。
調べてみるとシロハラという渡り鳥であることがわかり、それから毎朝のご飯タイムが始まりました。
夜明け前の薄暗い時間、roco♪さんが起きてくるのをじっと待っているシロハラさんの姿は愛らしく、寒い冬の朝もワクワクしながら布団を出る原動力になったといいます。
しかし、暖かくなる前にシロハラさんは前触れもなく姿を消しました。
ツバメとはまた違う突然の別れに寂しさを感じつつも、再び冬が巡ってきた今、roco♪さんは、また来てくれるかもしれないと再会を心待ちにしています。
自然から学ぶ愛の形と未来へ残したい景色
ツバメたちの強い仲間意識や愛情に触れ、roco♪さんは改めて自然の世界から学ぶことの多さを実感しているそうです。
しっかり飛べるようになった後もときどき遊びに来てくれるツバメたちの姿に、我が家を実家のように思って戻ってきてくれていると感じ、喜びを噛み締めているのだとか。
こうした小さな命との交流を通じて、日本の温かさを再確認したということです。
roco♪さんの願いは、本来の生態系や美しい景色がいつまでも残る日本であることです。
自然が自然であるよう、その美しさが守られることを祈りつつ、また次の夏にツバメたちが帰ってきてくれる日を楽しみに待っています。
命のバトンがつながり、感謝が循環するroco♪さんの庭には、これからも優しく温かな時間が流れていくことでしょう。
提供元:@daichi_roco888さん



