文化や言葉は同じでも、子どもの視点は時に私たち大人に大きな気づきを与えてくれます。
そんな中、今回「ハッとした!」と語るのは、30代の女性アルバイトさん。
中学生の息子さんから突如告げられた“7人の友達のお泊まり”という無茶ぶりに対応した、大変ながらも心温まるエピソードについて、お母さんにお話を伺いました。
「明日、みんな泊まりに来ていい?」母も驚愕の無茶ぶり
ある金曜日の夜、仕事から帰って夕食の支度をしていたお母さんは、中学2年生の息子、リクさん(仮名)から突然の提案を受けます。
「そうだ、明日サッカー部の友達、うちに泊まりに来てもいい?」
リクさんを含め8人。しかも、その時すでに夜の8時過ぎ。布団も食事も、大人数分の準備など当然ありませんでした。
お母さんは一瞬「は!? 今言う!?」と叫びたい気持ちになりましたが、リクさんの本気で嬉しそうな表情を見て、怒るよりもどうにかして叶えてあげたいという気持ちが湧いてきたといいます。
「母親って不思議なもので『無理!』と思っても、気づけば動いてしまうんですよね」とお母さんは話します。
8人分の布団と食事を準備!母の神対応
頭が真っ白になりながらも、お母さんはすぐに行動に移しました。
まずリビングを片付け、足りない布団は寝袋や毛布を総動員。リクさんの友達の親御さんにも連絡を入れ、事情を説明し、快く送り出してもらえました。
食事は、簡単にできてみんなが好きなカレーと唐揚げを大量に作り、夜食用におにぎりとジュースも用意。深夜までバタバタと準備に追われましたが、みんなが楽しそうに笑っているのを見て、疲れも吹き飛んだそうです。
結局、家のあちこちに子どもたちが雑魚寝することになり、まるで小さな合宿所のようだったといいます。


無茶ぶりから生まれた「家族の絆」と「信頼」
翌日、リクさんは友達に「うちの母ちゃん、神対応だろ!」と自慢。友達たちも「こんな人数泊めてくれる家、初めてだ!」と大はしゃぎでした。
みんな礼儀正しく、後片付けまで手伝ってくれたので、とても良い雰囲気で終わったそうです。
お母さんは「普通なら『無理!』と断ってもおかしくなかった」と振り返りながらも、あのとき思いきって引き受けたことで、リクさんとの信頼関係が深まったと感じています。
「リクも『お母さん、ありがとう』と照れくさそうに言ってくれて、それだけで報われました」
この出来事を通じて、リクさんが人との関係を大切にする姿勢や、翌日の片付けを率先して手伝う協調性を見せ「こういうときは協力しないとね」と言葉にした姿に、成長を感じたそうです。
「“無茶ぶり”の裏には、子どもなりの優しさや思いやりが隠れているのかもしれません」と語るお母さん。あの夜の騒がしさは、今では家族の宝物のような思い出になっています。
