タレントの阿部桃子さんは、出産当日に緊急帝王切開となり、その際に卵巣に腫瘍があることがわかりました。そして、出産後にそのまま腫瘍摘出手術をすることに。腫瘍について自覚症状はまったくなく、妊婦健診でも指摘されたことはなかったのです。
阿部さんに、出産当日や卵巣の腫瘍がわかったときのことを聞きました。
「卵巣に腫瘍があるので、このまま取ります」と言われ…
阿部さんは3人目の出産の当日に、陣痛がピークで子宮口5cmまで開いたときに逆子であることがわかり、緊急帝王切開となります。

しかし、局所麻酔で赤ちゃんを取り出した後、先生から「卵巣に腫瘍が見つかったので、このまま取ります。放置すると大きくなる可能性があり、遅かれ早かれ手術が必要になります。ほぼ良性だと思いますが、取ってから検体で確認します」と説明されました。
阿部さんにはそれまで自覚症状はなく、妊婦健診でも特に指摘はありませんでした。担当医も開腹して初めて気づいたとのこと。後に、この腫瘍は良性であることがわかりました。
緊急帝王切開で揺れた感情
腫瘍があると知った瞬間も、緊急帝王切開や赤ちゃんの無事に安堵し、腫瘍のことは二の次だったと阿部さん。

とにかく無事に赤ちゃんが生まれ、自分も生きていることだけが重要で、腫瘍については「はあ、そうですか」という感覚だったと語ります。
「腫瘍があるのでこのまま取ります」と言われたのも、お腹が開かれてる最中のことで「ついでに済むならどうぞこのまま取ってください」という感じでした。
今回、3人目の出産では羊水量が多くお腹も大きかったため、帝王切開もあり、阿部さんは子宮が元に戻るのに時間がかかると言われていました。実際にお腹はなかなか元に戻らず、痛みもかなり長く続いていたといいます。
取材時は産後まもなく4ヶ月。傷の周りにはピリピリとした痛みが残り、お腹に力が入る動作や運動でも痛むそうです。とはいえ、病院の検診では傷の状態も良く、腫瘍についてもその後特に問題はないと聞いていると話します。
「痛みがなくなるのは個人差が大きく、長い人は一年近く続くとのことなので、少しずつ体が戻ればと思っています」と阿部さん。

出産は奇跡の連続なのかもしれない
帝王切開に続き腫瘍手術を行うことになった際について、阿部さんの旦那さんにも話を聞きました。
出産時、最初に赤ちゃんと対面したときには何も説明されず、すぐに阿部さんも出てくると思って待っていたそうです。しかし、なかなか出てこず長く待たされるうちに「何か起きているのか?なぜこんなに時間がかかっているのか?」と心配になります。
腫瘍が摘出されたことを知らされたのは、すべての手術が終わった後でした。驚きつつも「悪いものではないだろう」と聞いていたため、無事に終わって安心したという旦那さん。
手術後、初めて阿部さんと対面した際に「お疲れさま。大丈夫?」と声をかけると「全然大丈夫じゃない!」と笑いを交えながら返されました。

これまでの3回の出産に対して「3回とも違った出産で毎回期待とは違い、すんなり生まれた経験がありません。母子共に無事に済んでいることが本当に奇跡の連続だと思っています」と阿部さん。
今回の出産について、阿部さんは担当助産師の細やかなサポートに感謝していました。陣痛中も親身に寄り添い、赤ちゃんが回転して足が出かかり緊急帝王切開となった際には、子宮口に手を押し込み赤ちゃんが出ないよう支えてくれたといいます。
当時はまるでドラマのワンシーンのように感じたそうですが、後から冷静に振り返ると「本当にすごいことをしていただいた」と感謝の気持ちがあふれたと話していました。
「助産師さんだけではなく、出産に関わってくださったすべての先生方、看護師の皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。今回はこれまでで一番大変なお産となりましたが、皆さんのおかげで、気持ち的には一番安心感を得られた出産でした」と振り返ります。
「ママを救ってくれてありがとう」と…
今回の出産を経験して、子どもが大きくなったとき、まずは起きたことをありのままに話したいと阿部さん。
そして「ママを救ってくれてありがとう」と伝えたいと話します。経腟分娩だったら腫瘍に気づかなかった可能性もあり、帝王切開でなければ何年も放置することになったかもしれないのです。

また、お母さんたちの間でよく胎内記憶のある子どもの話を耳にすることがあるため、子どもにもしそんな記憶があるとしたら、どうだったのか聞いてみたいとも話していました。

姉妹の仲がいいことが、子育ての中で一番重要視している部分だという阿部さん。
今後について「何があっても親子だけではなく、姉妹同士でも夫婦同士でも助け合える家族でいたいと願っています。悩みごとや困ったことなどを、すぐに家族の中で相談できる環境を築いていきたいです」と語ります。
お母さんと赤ちゃんが無事であることは決して当たり前ではなく、奇跡の連続なのかもしれません。大変な経験をした阿部さんですが、これからも家族で力を合わせて幸せに過ごしてほしいですね。
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